シーン103ルキの夢。
皆がルキの事を話す。
そんな言葉に俺の心は揺れ動く。
『おにぃどうしたあ?』
『い……………いやなんでもないぞ?』
俺の様子を見て声をかけてきた麒麟に、そう返していた俺。
ルキが…………あの可愛い妹であるルキが男を連れてくる…………だと…………………………。
俺はそんな事を頭に浮かべてしまう。
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『あの……………お兄ちゃん…………ちょっと話があるんだけど…………。』
はにかみながら俺にそう告げるルキ。
この表情が………………俺には一番の幸せなのだ。
するとルキが口を開く。
『あのね……お兄ちゃん……………私……………好きな人が出来たんだ…………一番にお兄ちゃんに報告しなきゃいけないと思って………さ。』
『んあああああーーーーーーーーーーっ!?』
俺の身体が震え………おかしな叫び声をあげてしまう。
『お兄ちゃん?どうしたの?』
するとルキの背後からルキの肩を抱きながら一人の男が姿を現す。
『はじめまして…………お兄さん………僕がルキさんのフィアンセの……『猫男』です。』
そういった男の顔をよく見ると顔中が毛深い見覚えのある顔だった。
『お前……………は!!!???』
俺が声をあげると。
そんなルキを抱き上げお姫様抱っこした男の姿があった。
『お兄さん…………僕がルキを嫁にする『イタチ男』だぜ!!!』
『なにっ!?なんだとおおおーーーーっ!?』
すると………メガロ………バラコンダ………そしてなんと……あのアースドラゴンまでもが揃いも揃って花束を手にルキの元へと集まってくる。
『うあああああーーーーーーーーーーっ!?』
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『はあ………はあ………………なんだ………俺の夢だったのか。』
気がついた先で俺はどうやらいつも暇があると寝ていた一本の木の下で寝ていたらしい。
すると聞こえてきたのはルキの声だった。
俺が身体を起こすとそこへルキがやってくる。
『お兄ちゃん!!???』
『ん!?ルキか………………………………どうした?』
『もお…………何かあるとすぐにここに来るんだもん………………お兄ちゃんの事なら私もう手に取るように分かるんだよ?』
そういいながら頬を膨らますルキ。
俺はため息混じりに考えてた事を聞いてみる。
『なあ…………ルキ?お前…………す………好きな人はいるのか?』
ビクッと驚き目を見開くルキ。
そして彼女は………ゆっくりとその桃色の唇を動かす。
『お兄ちゃん……………実はね……………………。』
『あ………………ああ……………………………………。』
俺はルキの言葉を受け止めようと息を飲む。
すると…………………………………。
『ああーーーーーーーーっ…………腹減ったぜえルキ!!飯はまだかのお?』
『うんうん!!本当に腹が減ったであります!!ルキご飯が食べたいであります!!!』
そう言って邪魔が入る。
ルキが笑みを浮かべ…………告げる。
『お兄ちゃん………私はここで皆と……幸せに暮らす事が夢なんだあ……そして………いつかさ……………その時が来たらちゃんと話すから。』
そう一言……………言い残し………奴らに連れていかれていったんだ。
『ルキ!!僕は今日は焼き魚が食いたいぞ!!!』
『僕はご飯!!!やはりルキの炊く白いご飯が食べたいであります!!』
『はいはい………二人の好物だものね?………分かったわ!!』
『『いえええーーーーーーーーーい!!!やったぜ!!!!!』』
そんな三人の会話を聞いた俺は空を見上げる…………すると………空は青く澄みきっていた。
『ふぅ…………いつか時がきたら…………………か。』
ルキも竜人族とはいえ…………一人の女性だ…………いつか相手を作り子を成し………そして幸せになる…………いや…………そうなるべきなんだ。
俺はルキの幸せを……………彼女の背中を見ながら願うのであった。
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賑やかな夕食時……………俺達の目の前にズラリと並べられたルキの手料理の数々を俺達は堪能していた。
『うーーーーーーんルキちゃん!?やっぱり貴女の料理は最高に美味しいわ。』
『いえいえ……そんな事ありませんよペガサス様………この村の田舎料理ですよ。』
謙遜するルキ…………だがペガサスはそんなルキをさらに褒める。
『いやいや本当に美味しいわ……ルキちゃんの旦那様になる人は………こんな美味しい料理を毎日食べれるのね………羨ましいわねえ。』
俺はその言葉に先程ルキの事で話していた会話を思い出し………身体が驚きビクッと反応してしまう。
『ペガサス様ありがとうございます……いつかそんな日が来たら…………あ…………そんな日が来たら………皆を結婚式に招待させていただきますね!!!???』
笑顔でそう告げたルキ。
皆が笑顔のこの食事中………俺は複雑な心へと変わっていたのだった。
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