シーン102幸せな世界。
俺はガックシとため息をつく。
するとエプロン姿のルキが笑顔で語りかけてくる。
『お、お兄ちゃん……ほ……ほら、髪がなくてもお兄ちゃんは格好いいと思うよ?』
『うんうんっ!おにいはかっこいい!』
『ルキ………麒麟…………やっぱりお前達は可愛い妹と弟…………………………だなあ!?』
目に涙を溜めて二人を抱きしめる俺。
『ちっ………………………泣かせる兄弟愛だな』
『そ、そうであります!自分も感動してるであります!!!』
その元凶はお前らだろう…………俺はそう思いながら涙を堪える。
するとそこへ入ってきたのはペガサスだった。
『ここが竜の富士………ですか…………本当に幻想的な場所ですねえ。』
『でしょでしょう!?私は遠い昔に一度しか来たことないけど………いい所だねよねえ……雷武ちゃんっ!?』
そういいながら俺にしがみついてきたのは聖獣の孫娘のヘキサだった。
『お、おいヘキサ、そんなにくっつくではない!?』
『ねえねえ!この村の中を案内してよお!?』
俺の腕をひっぱるように甘えた声をあげるヘキサ。
『なっ!?お、お前急に一体どうしたのだ?』
『ん!?何が!?』
『いやあ……………急にこんなに積極的にグイグイくるのでな?ちょっと聞きたくなったのだ。』
すると顔を赤らめモジモジしているヘキサは息を吐き出す。
『ふぅ…………あのね………実は、おじいちゃんと君達と魔王の戦いを………見ていたんだよね………………………。』
モジモジしながらそう語ったヘキサは続ける。
『雷武………君…………………かっこよかったよ。』
『なっ!?』
照れながらそう語ったヘキサ…………その時。
『ちょ……………ちょっと!!アンタ!急にここに来て何を言い出すの!?』
そう叫び反対側の腕にしがみついてきたのはスクエルちゃんだった。
ツンデレのスクエルちゃんの行動。
俺の腕に感じるスクエルちゃんの柔らかな……。
自然に顔を赤らめてしまう俺。
クククッ……………やはり……………………………。
やはりこの俺様はかっこいいではないか!!???
俺はそんな自分に酔っていた。
その時。
スポッと頭部に何かがハマった感覚。
それは何かで作られたのであろう物………そして俺に鏡を見せてくるイタチの姿。
鏡に映ったカッパ……………ではなく俺の姿。
『やはりカッパであります!!』
『なっ!?貴様あああーーーーーーーっ!?』
すると…………ぷっ………………と笑いを我慢するように下を向き堪えるヘキサとスクエルちゃん。
ああ………カッコよく……………モテモテなハズの俺が………………………。
ガックリ。
するとペガサスが口を開く。
『あの……………雷武さん?』
『ん!?どうした?』
『私達もしばらくこの村でゆっくりしていこうかと思っているんですがよろしいですか?』
『ん!?ああ…………まあ俺は構わないが……』
するとルキが口を開く。
『ペガサス様!いいですね!是非是非皆さんゆっくりしていってください!!ね?いいよねお兄ちゃん!?』
嬉しそうなルキ。
俺にとって、そんなルキの笑顔が一番嬉しいのだった。
◇
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それから俺達と仲間達はこの村で共に楽しい生活を送っていた。
『ルキ!!!腹減ったーーー!!』
『ルキのご飯は本当に最高であります!!!』
どこかで遊んで腹を空かせ帰ってきたねことイタチが叫ぶ。
『うーーーーーーーーーーーーん!!おねぃ!!僕もお腹すいたあ!!』
つられて帰ってきた嬉しそうな麒麟。
こんな幸せそうな麒麟を見るのもここに来てからだった。
いいな………こんな平和…………あの魔王ゼルドリスが消えたこの世界なら…………………。
ずっとこの幸せな世界が続くように。
俺はそう思っていたのだった。
『はいはい……………………じゃあ今準備するから皆手伝ってね!』
『『わかったーーーーーーっっっっ!!!』』
皆がそれぞれ楽しそうにルキの手伝いをする。
俺がそんな光景を眺めているとプテラちゃんと彩ちゃんが座っていた。
『ルキちゃんも楽しそうだね!?』
『うんうん、本当にルキちゃん優しいし、料理もできて本当に羨ましいなあ。』
そんな話をしてる二人……するとプテラちゃんが続ける。
『ねえ?雷武さん?』
『ん!?どうした?』
『ルキちゃんって本当にいい子よね?ルキちゃんには恋人っていないのかなあ?』
『なっ!?なんだいきなり!?』
『だってあんなにいい子を男達が放っておくわけないなあ……って思ってさ?』
その言葉に………俺はルキに目を向け…………。
複雑な心境で、ただただ……眺めていたのだった。
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