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シーン10一つ目の神器を手に。

俺たちの前でアイスタイガーは消えていった。


すると。


神殿内から眩い光が溢れていた。


『あれは…………………………………。』

『神殿の中から光が漏れてきてますねお兄ちゃん。』

『行って…………みま、しょう……………。』


力を使い………なんと苦しげにしていたロンはそう告げる。


『ロン様………大丈夫なの…………ですか?』

『大丈夫……心配はいらないさ。』


そういったロン。

だが俺はいつしかロンに肩を肩を貸していた。


『えっ!?』

『お兄ちゃん??』


驚きの表情をする二人。


『あーーーーーーーーっ、いいから俺が肩を貸してやるって言ってんだ?早くつかまれ。』


すると、フッと笑みを浮かべるロン。


『ありがとうございます。』

『ああ。』


俺たちはこうして神殿内部へと入っていったのだ。

内部とはあまり広くはなかった。

その神殿内は静寂に包まれていた。

だが青白く光り輝くのが眩しくもみえたんだ。


『あれが…………………………………………』

『神器…………………………なのか!?』

『どうやらそのようですね。』


そういったロンは微笑む。


『さあ……………ここからは竜の巫女であるルキさん………貴女しか台座には近づけないハズです。』


ロンはそういうと小石を広い台座に放る。

するとバチッと小石はなにかの力で粉々になる。


『おい!!本当に大丈夫なのか!?』

『ええ、我々が近づけばあの小石のようになりますが…………選ばれし巫女であれば。』


そういったロン。

目の前で覚悟を決めた表情をするルキは歩を進める。

すると、ぷかぷかと宙に浮きながらルキについていくにゃいんはると、じゃなくアホ猫フェリス。


『おいお前!!!???』

『ふん……僕はこう見えてにゃいとなんだ、姫様は僕が守るさ、そこの爬虫類は大人しくしてろにゃ』


なんて嫌なやつなんだ!!!!!!!

と大声を上げたかったが、なんならルキに何かあったら奴が身代わりになればいい………そんなドス黒い考えをした俺だった。


だが。


目を向けるとすぅーっとその見えない壁を通り過ぎていたルキとアホ猫。

ルキはこちらに気が付き手を振っていた。


『お兄ちゃん!!待っててねっ!』

『おう!!行ってこいルキ!!早く帰ってこいよ!』


するとルキにだかれながら俺に尻を向けポムポム叩き挑発するアホ猫。


ムッカーーーーーーーーーーーーーー!!

あのアホ猫………いつかやってやる。

俺はそう誓うのだった。

すると痛々しいロンが口を開く。


『ねえ………雷武さん。』

『なんだ?』

『さっき私が言ったことなんですけど…………そろそろ。』

『なにっ!?』


俺が気がつくと確かにロンの身体がすぅーっと消えかけている事に気がつく。


『お前!?』

『いいのです………………ルキさんの感じた未来予知である世界の危機は間違いない事でしょう……それは何もしなければその通りの未来にしか辿りつかないものなのです……その為世界は動き出した……例えそれがこの身をかけてでも私は遂行する………世界にあと二つの神器があります…次はヨーロディアという国を目指してください……そこにはまた僕の様に貴方方の長から案内してくれる人物がいるハズです。』


そういうと透明感を増していくロンの身体。


『おい!!消えるのは何とかならんのか!?……ルキが…せめて……あいつが帰ってくるまで。』


俺がそういうとにこりと微笑むロン。


『大丈夫、私は元々が精霊の力を持つ存在ですよ!?ヒューマンでもないのです……またいつか力が戻れば…………復活することでしょう。』


するとロンの身体はすぅーっと浮いていく。

そしてヒューマンの身体がら元々のキュウビの身体に変化していく。

だが、それはやはり透けていて……霊体といったものだった。


『お前…………………………………………。』

『さあ………雷武さん…………そろそろお別れですね……………あっ!?あれはきっと……ルキさんやりましたね。』


ロンの声にルキ達のいた神目を向けると青く一段と輝き光る。


『そうらしいな。』

『じゃあルキさんとは会わずに行きます。』

『ああ、元気でな。』

『ありがとう雷武さん………どうかご武運を。』


そうつぶやくと消えていったロン。

俺はその消えた空を見つめていた。

すると。


『にゃあああっはーーーーーーー!!!!!』


アホ猫の声に俺の目の前、そして顔面には、やつの尻。

そうヒップアタックを食らう。


『ぶほっ!!!』

『いやあ!!フェリスちゃあああん!!ダメだってばあああああ!!!』


俺が頬を押さえ立ち上がる。

すると何かを察したルキが立っていた。


『くそ……アホ猫め…………………………………………………ルキ?…………………………………。』

『お兄ちゃん………………私をずっと守ってね。』

『ああ……………』


俺たちはロンの消えた空を二人で見つめていた。

そう、ロンにまるで挨拶するかのように。

お読みくださりありがとうございました。


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