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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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99/200

アンドレア・エルフローレン3-4

『アイツの目ん玉が怖いか?』

『責められている様な気がして?』


溜め息が出る。

気が散っているから、この声が聞こえるのだ。

と、この場に集中する様に気を引き締める。

今は声云々どころではないんだ。


また、廊下側の窓から奴をみる。

…足元にはまだ白衣と隊員の服が見えた。

どれだけの人間が犠牲になったのか…考えるだけで吐き気がする。

しかし、よく見るとキッチンで見た奴らとは違い、()()を食べている訳ではない様だ。


「さっき、食堂のドアに集中していたと言っていたが、壁の遺体を狙ってなのか?」

「おそらく」


カイルとジャンが側に立つ。


「さっきはすまなかった。協力させて欲しい」


そう告げるジャンは先程とは打って変わり、隊員らしい表情をしていた。

今の状況と、今後の行動を擦り合わせる。


ドックと医務室へ行く廊下に、奴の「幼体」が陣取りドックはもちろん、医務室にも行く事が出来ない。

廊下の壁には死体が山積み。

その死体を狙って、食堂のドアにも幼体よりも更に小さな個体がへばり付いている。

そして更に…本来の目的であるメインドック側の窓を見た所、廊下の幼体だけでは無く、見えるだけでも5体は幼体が居る。

ただ、戦闘用では無いものの、ヘリが数機残っていた事は幸いだった。

しかし、それらも幼体による破壊が懸念される。

実際、無惨なガラクタに成り下がった機体が、奴らの足元に散らばっていた。

…何という地獄か。


「さっき確認してもらった通り、ヘリは残っている…が、あれは医療班のヘリで…その…」

「乗り遅れた奴らが、廊下のアレか…」


俺はジャンに答えながら、シムや少年の兄、カイルの友人がどうなったのか…と思い、横に居る2人を見る。

少年はドックに視線をやり、カイルは廊下を見ていた。

…友人があの中に居る可能性を考えているのだろうか。

そして、沈黙する俺達に、ジャンが追い打ちをかける。


「医療班のヘリの鍵は…医務室にあるんだ」

「鍵が必要なのか?」


俺達の戦闘用機体には鍵などかかって居なかった。

メンテナンスが管理してくれている物で、ドック内にある管理室に保管されているとばかり思っていた。

それでも、鍵を掛ける事は滅多に無く、使われている所を見た事が無かった。


「ドックの管理室じゃ無いのか?」

「多分、管理室には戦闘用機体の鍵しか置いてないね」


カイルがこちらを向く。


「アンドレアは管理室に入った事がないだろうが、俺は本庄上官の用で一度入った事がある。厳重とは言えない保管の仕方だったが…。そこに医療班用のは無かった気がする」

「…医療班用の鍵は医療班の…班長が持っているはずだ」


医療班の班長…シムの腕を治療してた奴だな。と顔が思い浮かぶ。


「…取りに行くしか無いだろう…」


問題は誰が取りに行くか。

前にいる奴をどうするか。

だが…ジャンが取りに行くは無理だろうし、少年と残すのはカイルにしたい。

そうすると俺が両方行くしか無い気もするが、それはそれで無理だ。

前の奴を攻撃すれば、ドックにいる奴らが襲って来るだろう。


難問だった。

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