表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/200

A班 救助用機体5021 カイル隊員3-2

死の描写と残酷な描写があります。

苦手な方はご注意ください。

先程、水を取りに来た時同様、慎重にドアの前を通り、受け取り口の台まで行く。

もう少し奥にいるのだろう、アンドレアの姿は見えない。

銃は使いたくはないが、念の為構えながらそっと歩く。微かな音は、アンドレアが居る方向から聞こえてくる様だ。


いつ、廊下のアイツに気付かれ突撃されてもおかしくない状況に、緊張で冷や汗が背中を伝うのが分かる。

出来る事なら…。

外のデカいヤツとの方がマシだと思う。


電気がいつもより暗く感じ、上を見ると電灯が何個か割れていた。

足元のガラスを踏まない様に先へ進むが、何度かパリッと音がした。

奥の方で動く人影が見える、アンドレアだろう。

その足元に…奴らしい影が見えた。


しゃがみ、様子を見る…。

彼らより手前に、倒れた人間が何人か居る様な…そんな影が見えた。おそらくは全員死んでいるだろう。

銃を構え、発砲の準備をする…。

撃鉄を起こすとカチリと音がなった。


ゆっくりと近付く…。

その時、アンドレアが手に持つナイフで奴を突き刺した。

耳障りな奇妙な音を立てながら、激しく動く奴をアンドレアは尚も刺し続けた。


「アンドレア!」


体重を掛け、奴を押さえ付ける彼に駆け寄る。


「気を付けろ!側にまだいる!」


暴れる奴をナイフごと…床へ突き刺す勢いを緩める事無く、アンドレアは叫んだ。


どこだ。どこにいる!?

俺は周りを見渡した。


「そこに転がっているシェフの死体に、いるはずだ」


左右を見るが、どれがシェフなのか分からない。

よく見ると足元にもナイフが刺さった奴らが居た。

…幼体…か?


我々が知る「幼体」とはだいぶ大きさが違う。

あまりにも小さくて…生まれたて、なのだろうか?

アンドレアが突き刺すナイフの下にいる奴も、目の前に息絶えた奴も、どうにも小さい。


「小さいが…人を喰うぞ…」


アンドレアは奴を押さえ付けながら言う。

まだ、奴の勢いが衰えず、苦戦しているらしいかった。


「他の奴はどこだ、どこにいる!?」


銃を構え、アンドレアに背を向けながら彼に近付く。

彼の下の奴はまだ奇妙な音を立て、生きている事をこちらにアピールしてくる。

なかなかにしぶとい。


「後一匹…台の下に転がってる死体だ」


アンドレアが顎で示した方向に、異常な形の赤黒い物があった。

俺は警戒し、銃をそれに向けながら近付く。


悍ましい形相で…惨憺たる状況の…。

人間の死体が、転がっていた。

思わず顔を背けてしまう。

顔の下半分は崩れ、()()()()()大胸筋が、破れた服の様に捲れ上がり、肺も胃や肝臓さえも無く…空っぽな空間を曝け出していた。

有るべき筈の胸骨も、砕けてどこかへ行ってしまったのか…喰われたのか…何も無い。


頭付近に白い小さな物が転がっているのは…歯か骨か。

しかし、アンドレアが言う()がどこにも居ない。

もしかして…逃してしまった…か?

その場合、1番危険なのは滝中君だ。

キッチンを出て、彼の元へ向かおうと振り返った時、身体に何かが触れた。

銀に煌めく…糸の様な…モノ。


「カイル!」


俺の頭上に…。

アンドレアが制しているモノと同じ大きさの…。


奴が居た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ