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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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89/200

アンドレア・エルフローレン2-5

人によっては苦手な残酷描写があります。

グロい系が苦手な方はご注意ください。

息が有る。

そう思った。

おたまを横に置き、痙攣しているシェフに近付く。


「おい!しっかりしろ!」


肩を持ち、揺する。

が…両手に感じた感触が…おかしい。

ぐにゃりと指が肩に食い込んでいる。

そして…服の…皮膚の下に骨とは違う形状の…固い何かが握られた。

その固いモノから…固い棒が何本か生えて…。

…その棒は…人間の体内で動いていた。


俺は後ろに飛び退いた。

重心がズレたシェフの身体が、床に倒れた。

が、身体の痙攣は止まらず、仰向けになった所為で、手と足がガタガタと動いている。


身体が生命反応として痙攣しているのではなく、中に居る奴が中身を喰う振動で動いているだけだった。

いつ、ガワを喰い破って出て来るか分からない。

いつの間にか手に持ち直していたおたまでは、心許なかった…。


辺りを見回すと、包丁が数本転がっていた。

更に中には包丁が突き刺さり、絶命しているのも居た。

シェフも…給仕係も…必死で抵抗したに違いなかった。


おたまを捨て、両手に包丁を持ち替える。


「来るなら…来い」


顎の筋肉が喰われ支えが無くなったのだろう、シェフの口が開いた。

そして中から…長い脚が出て来た。

廊下に居るあの幼体よりも、更に小さい…化け物の黒く毛の生えた細い脚。

それでも奴の胴体が半分出た頃には、彼の顎はもう見えず、大きな蜘蛛を咥えているかの様に見えた。


奴が這い出てきた弾みで、顔がこちらを向いた。

シェフの顔は下半分が無くなり、赤い肉と血を纏った骨が見えている。

そしてコンコンと床に白い小さい物が落ちた。

歯だ。


新しい獲物を見つけたように、奴は彼の身体を這い降り始めた。

しかも、そいつ一匹ではなかった。

シェフの胸が盛り上がったと思うと、一気に破裂し、辺りに血肉を飛ばす。

中からもう一匹、出て来た。


ビラビラに捲れた胸の肉が、彼の身体から垂れ下がる。

血は辺り一面に広がり、どこの肉とも言えない…肉片がボトボトと落ちた。

二匹が向かい合い、脚を動かし合っている。

まるでコミュニケーションをとっているかの様に、コツコツと脚を当て合い…一匹は止まり、もう一匹がこちらへ向かってきた。


「話し合った結果、お前が相手か」


俺は舐められたもんだと思う反面、二匹相手は負けると絶望を感じていた。

だが、一対一ならば、負ける気はしなかった。


「紳士的な振る舞いの精神が、お前たちにもあるのか?」


俺は化け物相手に戦いながら聞く。

奴の足なのか手なのかが、俺を突き刺そうとしている事に気付き、よく見ると、鋭くとがっている上に、毛が思いの外太く、返しの様な存在なのが分かる。


「お前らはそうやって突き刺して、獲物を捕獲した後に喰い殺すのか」


生きたまま、突き刺され喰われる。

想像しただけで痛みと気持ち悪さが来る。

こいつらに殺されたシェフや給仕係、廊下の者達はさぞ苦しく辛い最期だっただろう。

言い表せない程の…恐怖の最期だ。


「だが、俺は負けない」

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