表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/200

アンドレア・エルフローレン2-2

俺とカイルがドックの駐車場入り口前の屋根下に入った直後、俺が立っていた所に機体が落ちた。


「危なかったな」


カイルが間一髪だと笑う。

背の滝中君は意識を戻したのかと思ったが、戻っては居なかった。

あの、子供の声は一体誰の声だったのか、考えながら彼の身体のポジションを直す。

俺の…異様な胸の高鳴りは治まっていた。


ドックの一階は、トラックや色々な搬入口として使われる駐車場スペースと、隊員達用の玄関がある。

駐車スペースの前は、アコーディオン型の重い鉄ゲートが閉まっていた。

上官の持つ、専用の鍵が無いとゲート操作が出来ない。

もちろん、俺達は持っていない。


化け物の視線と落下する機体から身を隠す様に、屋根の下を移動し玄関前に回る。

ガラス張りの扉の向こうを、何か、誰かいないか確かめる。

広々とした空間だけが、そこにはあった。


右側に研究フロアに続く廊下が有り、左側直ぐにドックへ向かう広めの階段がある。

階段の横の廊下を歩けば右側に隊員達が使う第一食堂、左側に休憩所が有り、向かい合う食堂と休憩室の奥に二階までのエレベーターがある。

が…使う事は滅多にない。

エレベーターに向かって左の廊下の先に駐車場に続く扉があり、これも上官の鍵が無いと入れないので、その先の作りがどうなっているのかは知らないが、ドックと駐車場が階は違えど同じ位置だから、ドックと廊下を挟んで向かいにある医務室の下、一階部分は倉庫なのかも知れない。


ガラス張りの扉を開けて入ると、いつもならうるさい程賑やかな廊下が静まり返っていた。

外で飛び回る戦闘機の数を考えると、まだ隊員達がちらほらいてもおかしく無いはずなのに、一階には誰も居ない様子だった。

避難したのか?とも思うが、それにしても様子がおかしい。

何が、とは言えないが、違和感があった。


「アンドレア…何か様子がおかしいぞ」


カイルも異変に気付いているらしい。


「あぁ、ここまで人が居ないのは…何か変だ」

「全員二階か?…避難したか?」


外の戦闘音は微かに聞こえるのに、館内に音が一切しない。

俺達の靴の音が聞こえる程…静かだ。


「食堂か休憩所に誰かいるか見るか?」

「否、滝中君が意識のない今、早々にここを立ち去り第一か第四かに移動した方が無難だろう」


カイルが首を振り、手前の階段の方へ進む。

生存者を確認するのも大事だが、優先順位を間違えてはいけない。

しかし…。


「そうだな…だが、医務室には寄ろう。この子の兄が居るんだろう?避難しているか確認は必要だ。ついでに何か薬か…とにかく何か使える物が有れば持っていこう」


その提案にカイルも同意し、階段で先を急ぐ。

二階はメンテナンス達の休憩所、医務室、メインドックとその先に滑走路がある。

一階の第一食堂の上に第二食堂、休憩所の上に二階の休憩所が位置している為、休憩室の窓からはドック内が見える。

エレベーターの左側廊下には、一階にある扉の様な物はなく、そのままドックと医務室へつながっている。

ドックは二階と三階をぶち抜いて、高さが作られている。

そして、ドック内から見上げれば三階の廊下が見える。が、白衣を着た者がうろちょろしているのを見た事があるだけで、何をしているのかさえ知らない。

この建物は五階まであるが、研究フロアからしか上がれないので、俺達隊員は一階と二階以外は行った事がない。

今も脱出の為に二階以外は用がないので、生涯行く事は無いだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ