A班 救助用機体5021 カイル隊員2-4
ライトが付くことを確かめ、飛び交う戦闘機に向かって「SOS」の合図を送る。
化け物と雨との間で、見えにくい事は分かっていた。
しかし「誰か、気が付いてくれ」と必死に祈る。
側に飛んでくる化け物と瓦礫を避けながら、何度、神とエリオットに願ったか、分からないくらいだ。
不意に戦闘機の一機が集団から離れた。
かくんっと操縦を誤ったかの様な動きで高度を下げる。
が、機体は地面に落ちずに、化け物達よりやや高い位置で止まり、こちらを向いた。
微かに見える機体ナンバー…NT…5510…アンドレアの機体だ。
俺は機体に向かって「5021」と送る。
「SOS…5021…」
助けてくれ、アンドレア…!
「SOS…5021…」
必死にカチカチとやる。
何か、合図を返してくれ…頼む。アンドレア。
「SOS…5021…SOS…」
「・―・」
返事が返って来た。
「・―・」
「あ…ああ…神様…エリオット…」
アンドレアからの返事は「了解」だった。
すぐさま、NT5510は俺達が居る大きな木に向かって飛んできた。
「滝中君…安心しろ。もうすぐ助けが来る」
腕の中の滝中君を見ると、さっきより顔色が悪かった。
「大丈夫か!しっかりしろ」
「だ…大丈夫です…」
「もう少しだからな。アンドレアが来るから」
力ないままだが、軽く頷いてくれた。意識はあるようだ。
しかし、俺に回した腕も、握りしめている手も未だ解けないのが不思議なくらい、体力も限界の様だ。
怪我の確認も、きちんとは出来ていない。
あの衝撃だ、どこか怪我をしていてもおかしくないのだ。
「アンドレア…頼む…速く…」
彼を抱え必死で祈る。
俺にはもう祈る事しかできない。
俺達の居る場所へ機体が近付き、真上でホバリングする。
梯子状になったロープが垂らされ、それを掴む寸前…化け物の腕が機体を殴った。
否、化け物も殴る気はなかったのだろう。
よく見るとアイツも息絶えていた。
ただ、化け物の身体が倒れた拍子に、運悪く機体に当たった。
…それだけで、機体は吹っ飛ばされ、木の上に落ちた。
梯子状のロープはヒラヒラと、俺の前から去ろうとしている。
「蜘蛛の糸」だって、こんな容易く希望を取り上げたりはしなかった。
…こんな…仕打ちが…有ってたまるか…。
滝中君を抱え、膝を着いた。
涙も出て来た。
滝中君…アンドレア…すまない。
心が折れそうだ。
エリオット…神様…。
ガサっ…ガサガサ…
何か音がした。
化け物の幼体が来たのか…?アイツらなら、木の間も入って来れる。
もう…終わりだ…。
そう、俺は覚悟を決め身を縮めた。
「すまない、カイル。多分、機体はダメだ」
枝やパラシュートの紐を外しながら、アンドレアが歩いて来た。
…あぁ…神様…エリオット…。
もう、口癖のように2人に感謝を述べ続けた。
「・―・」って文字で見ると何か…可愛い。




