A班 救助用機体5021 カイル隊員2-2
結果。
どう抵抗しようが無駄だった。
無駄というより、何もできなかったという方が正しい。
俺はあの後、Restrictionには行けなかったし、行けた時には既に彼女は亡くなっていて、目の前でマックレーンは殺された。
頭にはマックレーンの居場所があるにも関わらず、あんなに走り回って…。
そして、事後処理の後、彼らと食事を共にしながら一度目の時と同じ話をした。
俺の顔はちゃんと表情を作り、動いていたのだろうか。
疑問に思うが、問いかける事も出来ずに、再生は続いた。
そして、何かに吹っ飛ばされ、気が付いたらエリオットも橘君も息絶えているあの状況。
今度こそ、滝中君を助けたいと願ったが…上手くいく気がしない。
しかし、この見捨てられた基地から「滝中君を助ける事」が俺の役目だ。
これは命を懸けて遂行せねばならない。
女子学生、マックレーン、エリオット、橘君、誰一人として助けられなかった。
だからこそ、彼1人でも助けたい。
何度もやり直す事になったとしても…。
と、救いたいと強く思う。
その半面…これ程までに、自分の…身体の自由が利かない事が、あっただろうか?
足を手を思い通りに動かせず、まるで神に操られているかの如く、表情すらも自分の感情と離された所で作られている気がしてならない…。
神に決められた運命に対して、やり直した所で無駄なのでは無いか?
と、何もかも無意味だと言う思いが…交錯する。
今、目の前には弱った滝中君が居る。
身体は一度目同様…エリオットに手を合わせ、道具を借りた。
こんな感情の伴わないただの儀式の様な…自分の行動に、涙が出そうだった。
滝中君を抱きかかえ…彼の重みを感じる。
自分の身体が「自分の身体」として戻って来たのを認識し、彼を抱えながら、一度目にはしなかった屈伸を試す。
驚く程、難無く出来た。
「よし、行こう。…無事逃げられたら、藤田とアンドレアとエリオットと…橘君に、感謝だな」
言葉は自動的に出て来るが、さっきとは違い笑わずに言う。
彼がアンドレアの名を口にし聞き返す瞬間には、やはり化け物の死体が飛んできた。
「話は後だ、ともかく急ごう!舌を噛まない様にな!」
俺は彼を抱え…走らなかった。
身体と…俺の身体と意識が繋がったのが、分かる。
滝中君を見ると、顔は真っ直ぐドックを向いていた。
どうなるか「賭けるしかない」と思った。
また、失敗か…あるいは成功するのか。
滝中君を抱えたまま、エリオットと橘君に振り向き、心の中で手を合わせる。
「次こそ…」と。




