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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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本庄 凛(ほんじょう りん)3-1

いつもの死んだ後とは違い、この後の…おそらく起こる事の記憶がある。

生きたまま戻ったから…記憶が残り、そして…同じ事を繰り返している?


しばらくして、父が部屋に来た。

やり直す前と一緒で、すぐさま祥子さんと共に出ていく。

ドアの前には2人の隊員。

そこから、父が戻って来るまで1人で過ごす事になる。

どうにか、変わる切っ掛けを探さないと…基地が爆発してしまう。

私を迎えに父が来るまでに。


しかし、何か出来る訳はなかった。

外には出られないし、今から起こる事を外の隊員さんに言った所で信じては貰えないだろう。

成す術もないまま、時間だけが流れる。

そして、また父が戻りドアを開けた瞬間、私を抱きしめる。


「凛、今からすぐに部屋を移動する。荷物は…ここの物だから置いていくよ」


と身一つで部屋から出される。


「セキュリティのもう少し高い所へ移動するよ。急いで」


私の手を引きながら足早に歩く。

言葉も行動も、あれもこれも全て一緒だった。

屋上に出た時その場に居た人達も、ヘリの位置も一緒。

違いは私がさっきは混乱していたのに対し、冷静を保っている所。

私は父と、離陸準備の進んだヘリに乗り込んだ。


「待って!お父さん!怜や誠也は??」

「今は彼らの事は何もできない」


言葉は流れる様に出る。


「そんな!隊員の人が私を狙ってるから?お父さんに助けてって言ったから?」

「違うんだ!それはさっきマックレーンを射殺して終わった!」

「えっ…?」


そうね、柳という人が射殺して終わったと、さっきの時に聞いた。

でも、身体は固まった様に動かない。そして、父はシートベルトを締めながら話を続ける。


「マックレーンは柳が射殺した。…生徒達を殺そうとしたからだ」

「そんな…でも殺さなくったって…」

「犠牲者が1人出たんだよ…、例え隊員でも人を殺しては…」


さっきは身体から血の気が引いたが、今回は知っている事を聞き流している様な、そんな感覚が身体をめぐる。

私の考えも何もかもを置き去りに、話が進んでいく。


「大丈夫、怜君や誠也君ではない」

「じゃあ、誰?」

「…女生徒だったらしい。詳しい事は分からない。」


身体が勝手にシートベルトを外し、外へ出ようとした。


「今から我々は第一基地に向かう。怜君や誠也君の事は分かり次第無事かどうかは教えるから、今は大人しく座っててくれ!!」


父に怒鳴られて…身体が押さえつけられる。


「お願いだ!凛!座って大人しく!」


ここで、もしも…もしも父の手を振り解く事が出来たなら、何か変わるかもしれない。

しかし、無理なものは無理だった。

目の前でヘリの扉が閉められる。


「出発しろ!」


父の声で離陸が始まる。


「お父さん!放して!」


どうすれば良い?


「いう言事を聞いてくれ凛!2人は大丈夫だから!」


でもこのままだと基地が爆発してしまう!


「じゃあ、何故ここから離れるの!?2人を連れて行けばいいじゃない!」


自分の悲痛な叫びを聞きながらも、冷静に外を見る。

数機のヘリや戦闘機が離陸するのが見えた。

他には?他に何かない??

戦闘機達が、このヘリと数機のヘリを囲み飛ぶ。

そして、本館の横の建物から、何機もの戦闘機が出撃していく。


あの中の一機でも、怜や誠也を救いに行ってくれないだろうかと切実に思う。

が、怜や誠也のいる建物を通り過ぎ、そのもっと遠くの…群れを成す黒い塊に向かって行く。


「さっき…分かったんだ」


私知ってた。

力ない父の声が、上から降り注ぐ。

私知ってたの…お父さん…。

足掻いた所で何一つ変えられない無気力さに、私は俯くしか出来なかった。

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