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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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74/200

アンドレア・エルフローレン

カイルと別れた後、食堂に来てはみたものの…色々な事が頭を過ぎり、罪悪感を…いや罪悪感というモノでは言い表せない、罪人の様な…自責の念が重く背に圧し掛かる。

俺に比べれば、訓練の時間を憂う、仲間達の顔色はまだマシかも知れなかった。


時折、幾人かの隊員に「大丈夫か」と声を掛けられたが、軽く大丈夫だと答える事も出来ず「あぁ」と返すので精一杯だった。

そして、俺の側から人が離れると「皆が責めるような目で見ている」という錯覚、妄想が襲ってくる。


「しゅん…藤田…よくある名前じゃないか…それなのに、何なんだ…この懐かしいような…それでいて…襲ってくるこの…罪悪感…俺は…何をした…?」


食事の載ったトレーを横にずらし、頭を抱える。

考えろ…何をしたのか。


『何をしただろうな』


耳元に声が聞こえる。


『お前は、何をしてきたんだろうな』


顔を上げ周りを見るが、俺に話しかけている者などいない。

さっきからずっと、疲労や空腹を訴えるもの、食事にがつつく者、訓練に嘆く者…と口々に皆、各々が側にいるものと話している。


『自分のしてきた事から目を逸らすな』


この声は…頭の奥から響いている。

耳を塞いだが、声は続く。


『耳を塞いでも無駄だ。分かっているはずだ』


吐き気が酷くなる…俺はトレーを持ち、返却口に置くとそのまま食堂を出た。


『まだ常識人に見られたいか?』


声は徐々に大きくなっていく様だ。

俺は隊員達の横を足早にすり抜け、自室か…トイレ、どこでもいい、1人になれる所を頭に浮かべ、探す。


「おい、気を付けろ」

『お前の行いを見ろ』


誰かにぶつかる。


「すまない」


謝るが、俺は相手の顔を見る事はない。


「おい、大丈夫か?」

『口先だけの謝罪、悪いのはお前なのにな』


声を掛けられるが、無視をして歩く。


『シムが勘違いしてくれて良かったよな』

『戦闘中の()()()()はよくあるからな』


消えない声は、薄ら笑いを含め始めた。


『それともバレてたのかもな』

『シムも興奮する()()があったかもな』


止めろ。


『シムも仲間だ』

『イカレタ野郎だ』


止めるんだ。


『変態野郎』

『人を殺して興奮するなんざ、人間じゃねぇ』


止めろ!聞きたくない!

低く重く断罪する声に攻め立てられ、俺は気が狂いそうだった。


『どれだけ隊員を助けてもお前は人殺しの極悪人だ』

『あははははははははははははは!!!』


笑い声が頭にこだまする。頭が割れそうだ。


『お前は常識なんてない』


笑いは消え失せ、静かになる。

俺は人目を憚らず、しゃがみ込んだ。


『偽善者め』

「うるさい!黙れ!」


思わず声を荒げた瞬間。


ジリリリリリ!!


警報の音が鳴り響いた。そして、館内放送が流れる…。


「第二基地近郊にて攻撃対象確認!速やかに総員出撃準備せよ!」


周りにいる隊員達が騒めく。


「繰り返す!第二基地近郊にて攻撃対象確認!速やかに総員出撃準備せよ!」


…第二基地…ここの近くに…あいつらが…

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