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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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本庄 凛(ほんじょう りん)2-2

1人は寂しい。

学校では友達や怜、誠也が居て、家に帰ればお母さんが居た。

ここでは友達にも連絡が出来ない。あの日助けられた生徒は15人。

放課後だった事も有って、部活に入ってない子達は無事だったらいしい。

けど、部活の子達は…。

私達15人以外全員死んだ。


校舎内に居た子は絶望的だって、ここに着いてからこの部屋に入るまでの間に、報告で来た隊員さんが父にそう告げているのを聞いた。アレの通り道に学校が有ったのが災難だったって。

そして、それを聞いた時、前に岡君が教室で話していた事を思い出した。


「俺、近くの禁止区域に行って来たんだけど…」


岡君が放課後、クラスの子と3人で話していた。

私は机の中の教科書やノートを整理しながら、鞄に入れているフリをして聞いていた。


「お前やべーな!ばれたらやべーんだろ?」

「大丈夫…バレてないし」

「それで?何かみたんか?」


岡君の次の言葉を2人がワクワクしながら待っているのを感じていた。


「それが、な…何も無かった」

「えっ?」

「なんも?」


岡君が頷くと1人が大きなため息をついた。


「何もないのかよ、面白くねーな」


しかし、岡君ともう1人の子の声は暗かった。


「え…岡、なんもって…ほんまに何も…なん?」

「あぁ、まじで」

「どうした?2人して。何も無いって、面白くねーじゃん」

「お前…分からんのか?なんもないって…あそこ元は繁華街で、どっかのビルの一戸から爆発が起こったけど、原因不明やからって禁止区域になってんで?やのになんもないって…めちゃくちゃやばい事やろ」

「確かに少しの瓦礫とかはあったけど、見渡す限りが…」

「もしかして、目に見えん何かが有ったりするんちゃうやろな」


椅子がガタッと音を立てた。


「お前、ビビりすぎだって!なぁ岡…岡?」

「お前ら、前にフェイク映像だって言われてた…流れてた動画、覚えてる?」

「覚えてるけど…あの黒い何かが這ってるやつだっけ?」

「うん、で…俺、あの動画で映ってたのが…あそこの繁華街だって気が付いて、アレが本当の動画だったらって、それ探そうと思って行ったけど、何もないし、囲われてんのが外側から見たら結構広いし、どうせ来たから、どこまで囲われてるか見ようと思って…。囲われてる真ん中歩いてたら」

「てたら?」

「崩れたビルが一つだけ残ってた。そこが中心地で映ってた付近じゃないかと思って…見に行った」

「ら?」

「その崩れたのの影に黒い棒状の何かが落ちてて…」


岡君が言い淀むと、さっき少し離れた子が振り返った。


「え、お前それ、…触ったん?」


頷く岡君を見た。

その視線に気付いたのか、私の方に一気に3人が向き、目が合った。

急いで鞄を閉じて教室から出たけれど、翌日に岡君に呼び止められ「聞こえてたかもしれないけど、本当は触ったりはしてないから、誰にも言わないで欲しい」とお願いされた。

その時、他の禁止区域にも行ったのか聞いたら「そこ含め二カ所行って、二カ所とも中心地と思われる崩れた建物以外、建物も草や木も、何もかもがない状態だった」と教えてくれた。

だから、学校があれからどうなったのか、ラジオを着けた時に「禁止区域」として流れていたから、特別父や祥子さんに聞かなくても、繁華街と同様に囲いがされて、何もかも無くなったのかも知れないと想像した。

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