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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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本庄 凛(ほんじょう りん)4

ここへ来てから訓練を眺めるか、本を読むか。

それしかしていない。

2人の事も全然聞けないし、父は夜遅くに顔を出しては一瞬で戻っていく。

朝と夜のご飯を一緒に食べれたのは一日目と二日目だけで、それ以降は1人きり。

部下の女性…祥子(しょうこ)さんは時折話し相手になってくれるけど、彼女も仕事があるからそんなに話してばかりは居られない。

情報も少しでも聞きたくて、どうにか話して貰えないかと誘導しようにも、なかなか口を割らない…手強い人。

…まぁ中学生相手に割らないよね…。

ため息が出る。


射撃訓練の音は、思いの外早く慣れた。今も外で響いてるけど、ビクビクする事も無くなった。

午後から訓練する隊員の中に、岡君と話していた隊員さんぽい人を見つけたので、父に聞くと午後からは父の指揮する第一迎撃部隊の隊員が訓練してる、と教えてくれた。

感謝を伝えて欲しい。とお願いしたら「それが仕事だから」と言われた。


「でも、感謝は伝えるべきよ」


そう言うと、笑って「分かった」と頷いてくれた。

その話をした次の日の昼に、部屋のチャイムが鳴り、たまたま部屋にいた祥子さんが出てくれた。

訪ねてきたのはカイルさんだった。

救助のお礼を本人に伝える機会を、父がくれたのかと思ったら違うらしく、マックレーン隊員という隊員がこちらに来なかったか聞きに来ただけと言う。

すぐさま去ろうとする彼を捕まえて、感謝の意を伝えたら…「それが仕事ですから」と父と同じ答えが返ってきた。


「それでも、伝えたかったんです」


と返す言葉に、彼は父と同じ様に笑みを浮かべて返してくれた。

忙しそうな中引き留めてしまったけれど、思い切って声を掛けて…伝えれて良かったなと思う。

まぁ…自己満足なんだけどね…。


カイルさんが去った後、いつも通りに訓練所越しに2人の居る建物を眺めていた。

玄関付近に車が止まっているのに気付き、私は机の上にある双眼鏡を取った。

この前、父が「そんなに訓練をみたいなら…」と置いて行ってくれたやつ。


覗き込むと良いタイミングだったらしく、玄関から誰か出てきた。

見たことのない2人…隊の制服から察するに、1人は腕章とワッペンが父のと同じのが見えた。なので父と同じ階級だと思う。


「と、すれば隊長かしら…」


もう1人も…隊員用のアーミー的な制服ではなく、隊長用のスーツの様な…ミリタリー的な制服ではあるものの、もっと「格上」という感じのする仕立てだった。

その2人の後ろから隊員2人に挟まれた岡君が出てきた…。

その5人は車に乗ると、どこかへ走り去っていった。


夜、父に聞くと「あぁ…あの子は保護者の元へ返したよ」と返事が返って来たが、父の手が()()()()()()()握られているのを見た。


…嘘だ…。

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