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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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48/200

篠本 麻衣(しのもと まい)

私は彼、滝中怜君が好き。

始めてみた時から、ずっと好き。

だって、本当に運命だと思ったの。


中学の入学式の日、桜の花びらが舞う校庭で猫と戯れていた彼を見た時、なんて美しい人がいるんだろうって思った。

茶色の髪が薄く光を受けてキラキラして、猫に向ける笑顔も優しくて、女の子の様に白い肌も輝いて見えた。

そこだけが別世界の様だった。


ぼーっと見てしまった私に気付いた彼が、少し会釈をして微笑んだ後、受付に行く後ろ姿に付いて行った。

入学者の印のリボンを上級生がつけてくれている時も、式の会場の体育館に入る時も、隣には座れなかったけど、席に座る時も式中もずっと目で追った。

軽く会釈をしてくれた時の微笑んだ顔が、脳裏に焼き付いて離れなかった。


式が始まるまで楽しげにしゃべっている3人があまりにも眩しくて、私もその中に…友達になりたいってすごく願った。

怜君と私は同じクラスで、他の2人は別のクラスになったのもチャンスだと思ったわ。

でも、ホームルームが終わると彼には人だかりが出来ていて、その日は一言も交わせなかった。


正直、本庄さんは苦手だった。とにかく明るいし、はきはきと話す感じが私とは全然違って、教師にも受けてるし友達も多そう。それだけでも嫌なのに何だか怜君とも良い雰囲気で、イライラした。

2人の側にいる橘君も何を考えているか分からない。

基本、怜君と本庄さんとしかしゃべらないし、男子達ともそんなにつるんでいない。私と同じで友達少ないのかと思えば、全然いろんな人とも知り合いみたいで一匹狼的な?好きで一人でいるって感じだった。

怜君と本庄さんは別にして。


多分、橘君…本庄さんの事が好きなはずなのよ。見てたら分かるもの。でもそこはウジウジしてるの。

顔も同じクラスの男子に比べれば、イケてる方なんだからドンドンアピールとかしちゃって、掻っ攫って行って欲しい。って思った。

なのに、3人仲良くしてるの。…イライラする。

でも、私も彼の側に行きたい。気持ちが高まるのを自覚した時、このままじゃダメだと決心した。

まずは私に気付いて貰わなくちゃ。1人の女の子として見てもらおう。

それにはまず、地味な外見を変えた。

髪の毛を少し脱色して明るくして、スカートも勇気を出して短くした。

先生には注意されたし、親にも怒られたけど関係ない。

私は彼が好き。振り向いて欲しい。


彼が部活を始めたら応援にも行った。

マネージャーになりたくて入部しようとしたけど、人が殺到したらしくてマネージャーにはなれなかったし、代わりに女子サッカー部へって言われたけど、怜君が居ないなら意味がないって辞退して、練習や試合を毎日の様に見に行った。


毎日が楽しかった。

マネージャーの先輩達に睨まれても、先生や親に怒られても。

ライバルに負けたくなくて、化粧やダイエットで頑張った日々が。

そしてあの日、怜君が蹴ったボールが私に当たって、怪我をした日から彼の目に入れるようになって、お話して貰えるようになって…この前だって…変な黒い影から逃げる時手をつなげて…。

世界はこんな状況だけど…幸せに感じて…たのに…。

こんなの…有り?

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