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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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橘 誠也(たちばな せいや)9

結局の所…ドアは開いていた。

中に入ると数人の生徒達が避難していたし、俺たちよりも遅れて怜と篠本も来た。

大人は…渡部以外居なかった…。

放課後というのもあってか、教師達はあの惨劇の舞台になった職員室に集まっていたのだろう。美人で優しく人気のあった音楽の先生も、怖くて皆に恐れられていたあの先生も…全員…。


「誠也…無事だったのか。放送、誠也だよな」


篠本を引き連れて怜が俺の所へ来た。

丁度おぶっていた彼女を体育館の隅に下ろし、寝かせた時だった。

ちょっと行ってくると先輩達に合図し、怜と共にその場を離れた。

もちろん篠本もくっ付いてくる。…というかいつの間にか腕にしがみついている。凛がみたら…と思うが、女に強く出られない怜の性格が悪いと思う。

そう言えば凛はどこだ?


「あぁ…途中で凛に会わなかったか?怜を探しに行ったんだけど…」


とちらっと篠本を横目で見ながら言う。


「凛に?凛には会ってない…どうしよう…見に行こうか…」

「危ないからだめ!」


凛を探しに行こうと動いた怜に、篠本が叫んで止める…お前は何なんだ。

否しかし、この状況で行き違いにもなったら…また凛は探しに行く。救助隊がその間に来たら…二度手間三度手間だ。


「怜、ここに居ろ。凛もそのうち来るだろ…。大丈夫だって。あいつの行動力も判断力も凄いの知ってるだろ。それに行き違ったらどうする。また凛も探しに行って繰り返しになるだけだろ。」


怜は暗い顔をするが、仕方ないじゃないか。

運命的に出会えて、無事助けられる保証なんて無いんだから…。

怜に悲しい顔をして欲しくはないが、現実は…俺の頭に職員室と理科室の事が浮かぶ。


「大丈夫か…?」


心配そうに顔を覗き込んでくる。

俺は軽く受け流し、体育館に来るまでに知り合った先輩達の話をし、気を失った子の様子を見てくると言い怜から離れた。職員室と理科室の話はしなかった。


躊躇いがちに頷く怜と篠本を残し、先輩達の元へ行く。

その時に舞台側の…1人で体育座りをしている渡部を見た。


「さっき、職員室前でなにしてたんだ…?」


独り言が口に出た。渡部は何かを呟いている。

あんな風にはなりたくないな、独り言を口にしないように気を付けよう。そう思った。


先輩達の側に来た時、気を失っていた子が目を覚ましていた。

良かった。無事そうだ。

頻りに謝られ、お礼を言われた。4人の先輩に頭を下げられるのが、周りの注目を浴び、気が落ち着かない。

そんなやり取りをしている間に少人数だが、体育館に生徒が増えていた。

騒動を起こしていた岡も上野もいる。が、理科室の方に行った男子2人はまだ姿を見せないし、凛は居ない。

ドアが開く度に目線は行くが…違う。

凛が無事来る事を祈るしか…なかった。

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