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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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山田 優一(やまだ ゆういち)4

おかしな考えが過ぎった後、廊下に出ると何やら騒がしく、遠く離れた校舎の一番端にある教室の廊下に、結構な人数が集まってきている様で黒い塊が出来上がっている。

先生達の声が少し聞こえたが、何が起きているかは分からない。

近くに行ってちらっと見ようか、どうしようか迷っていると隣を誰かが走っていった。

物見、見物人、野次馬。あらゆる粗野な空気を伴って、何人かが薄ら笑いすら浮かべて…行く。

仲間になる気は一欠けらもなかったが、足が勝手に騒動が起こっている方へ歩いた。


僕が後ろの方から眺めようとしたが、先には黒い頭と学生服の肩しか見えず、何が起こっているのか、誰がいるのかすら分からない。揉めてはいる様だ。


「○○が…で…」


誰かが先で見ている奴の話す内容を、後ろの群衆へさらに伝聞している声が聞こえた。


「教室でA組の奴とC組の奴が喧嘩してるって」

「喧嘩だってよ」

「なんだ、喧嘩かよ」

「先生一人じゃ止められねーの?」

「無理じゃね?ひ弱な渡部だし」


口々に情報が流れ、止めている教師の悪口も囁き合われた。

渡部先生なら仕方ない。彼は美術担当で顔や風貌は「イケてない」上に大人しい…そして大人しいが故に仕草さえも常におどおどしてる様に見えてしまう。生徒に舐められている先生だ。

この少しばかりの騒動を、非日常的な出来事として感じた僕は()()()()()()楽しみ、もう少し前で見たいと願った。


「誰か岩先呼んで来いよ。渡部は無理っだって」


半ば嘲笑の色味がかった声で誰かが言う。

こういう時「委員長」的な誰かが先生を呼んでくるのが大抵だな。なんて考えた。


が、双方が喧嘩疲れから勢いを無くし、野次馬生徒も飽きて4人ぐらいがドアの所でしゃがんで見続け、2・3人のグループが廊下に散り散り残り後はどこかへ移動した頃、それでも他の先生は来なかった。

渡部すら諦めたのか、気付いた時にはもうどこかへ行っていた。


「まだやんのかよ…」

「先生すら来ねーぞ」

「こいつら放置かよ」


残っていた奴らが口々に、教室で喧嘩していた2人に声をかけた。

僕は遠巻きに…しかし、何か進展があれば分かるぐらいの位置に座っていたが、もうお開きなのだろうと立ち上がり階段を降りようとした。

その時妙な違和感を感じた。


「…この違和感は…前にも感じたことがある…ような…」


映画のシーンの様なモノが細かく断面的に脳裏に浮かぶ。

これは何だ…これは「記憶」だ…今までのあの「死と生を繰り返した記憶」だ。

僕はまた…。

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