第二迎撃部隊所属 ジャン・ゴードン
動物を虐待する奴の描写があります。
動物を虐待描写が苦手な方はご注意ください。
「おいおい、待てよ」
俺は追いかけている。
可愛い可愛い子ウサギを。
オスの犬に守られた子ウサギ二匹。
犬はメスのウサギを守って息絶えた。
メスは反抗的に俺に噛みついたが、殴ればすぐに大人しくなった。
後はオスの子ウサギだ。
ウサギは大切に捕獲して、連れて行って領主に捧げる。
少しの傷は許されている。
だから、銃で撃った一発ぐらいは許されるはずだ。
どうせ、皮を剥いで活用するだけさ。
穴が開いてもどうって事はない。
パンッ
軽い小型銃の音が鳴る。
ビビッて動かなくなるかと思いきや、オス子ウサギはすばしっこく逃げ回る。
「俺に見つかるから悪いんだよ」
ケラケラ笑いながら弾を撃つ。
跳弾が壁に当たって、綺麗な壁に傷が付くが…大目に見てもらえるだろう。
なんせ領主様の希望のウサギだ。
薄茶色の綺麗な毛並み。
茶色い潤んだメンタマで俺を見る。
ウサギってさ。鳴くんだぜ?
きゅいきゅいきゅいきゅい。
命の危険に会えば、そうやって鳴く。
コイツもきゅいきゅい言ってら。
でも、俺も心が痛まない訳じゃない。
ウサギはどうでも良いけど、犬には一目置いていた。
飼い主に従順な忠犬。
オオカミに見えてた飼い主の、弱みは小さな子ウサギだ。
それを守れと命令されて、命を賭けて守ってた。
忠犬のお友達の猛犬は、どうも苦手だったが、そいつは弱虫の代わりに死んでった。
俺にはもう怖いモノはない。
領主がくれる、あの薬さえあれば…。
俺にはもう怖いモノはない。
銃弾が最後の一発になる頃、オスの子ウサギは疲れを見せた。
やっと、俺が捕まえて献上できる。
その前に、一発柔らかなその肉を味わいたい気持ちになる。
オス子ウサギか…メス子ウサギか…どちらの肉が美味いかな。
倒れた二匹の子ウサギを並べて眺める。
「良いねぇ…」
柔らかな毛並みを撫でて、楽しむ。
この毛皮の下の皮膚はどんな色なのか。
どんな手触りなのか。
ワクワクする。
アーミーナイフを振り上げて、脅かしてみる。
オスは睨みつけてきたが、メスは怯えて顔を反らした。
「良い反応だ」
少しずつ毛を剥いでみる。
オスもメスも。
メスを剥ぐ時にはオスが抵抗したが、メスの首を閉めたら分かったのか大人しくなった。
柔らかい手触り。
あぁ、これを献上するなんて。
実験台の動物ちゃんにしてしまうなんて…もったいない。
手の中に居る子ウサギ二匹が、惜しくなってくる。
思う存分味わえたなら。
幸せだろうに。
…いやでも…あの薬には敵わない。
脅しの為に頭の横にナイフを突き立てる。
床のカーペットが裂かれ、照明に刃が光る。
反射した怯えた顔。
やっぱりメスに限るか…?
いやいやこの際二匹とも。
目の前の子ウサギを吟味していた時…一匹の子ウサギがナイフに当たった。
身の毛のよだつ形相で、首から血を噴き出して息絶えた。
俺は不可抗力だと思う。
俺は悪くない。
そう領主に訴えれば、大丈夫なはずだ。
そう考えたのもつかの間、俺はまた子ウサギとそれを守る犬を見つける。
手の中に居たはずの子ウサギ。
死んだはずの忠犬が…生きている。
もう一度あの快感を味わう事が出来ると、俺は嬉々として追いかける。
そして、何度も何度も繰り返す…。
何故だ?
この角を曲がったら、また同じシーン。
俺はヤリ過ぎたか?
手元にある薬は減ってない。
ならばどうして繰り返す?
何度も何度も。
あいつらが諦める事が無いように。
いつか…。
俺は廊下で歩いてる。
領主に命じられて子ウサギ二匹を得る為に。
領主の敵のオオカミの。
最大の弱点を…。




