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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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14/200

山田 優一(やまだ ゆういち)3

少しばかりチヤホヤされた経験が、行動力にカギを掛けているかの様に動けないのだ。

言い訳ばかりの人生かもしれない。

それも怖い。

なのに、動くことはしない。

僕みたいな奴を「陰キャ」というらしいが、どうやって皆行動できているのかわからない。

何を始めに話せば良い?

天気がいいですね。なんて言われたって相手は困るだろうし、何なら引き攣った顔で去っていくのが目に見える。

それは辛い。

僕だって愛されるはずなのに。


ごみ箱の中の一番上に乗っている、ぐしゃぐしゃになった手紙を見下ろしながら、自分自身に言い訳を延々と述べ、「このままじゃいけない。」と「このままで良いのだ。」を行ったり来たりする。

誰かが僕を光の方へ導いてくれないだろうか。

もしくは…劇的な何かが起こったり…そうだな、漫画の様に突然超能力に目覚めたり、突然この学校が襲撃されて誰かが人質にされても…僕が助ける…活躍するんだ。

あの漫画のヒーローの様に。

あの映画の主人公の様に高い所から落ちたって、多分大丈夫。

昔ジャングルジムから落ちても大丈夫だったし。

格闘だって本当は出来る。今日だって椅子に当たったあいつに喧嘩を仕掛けようと思ったら出来た。

でも、暴力沙汰になってしまうとあいつの命も危ないし、僕の進路やあの子…凛ちゃんに悪く思われてしまう可能性が有ったから、()()()()()()だけだ。


そう本庄凛ほんじょう りんちゃん…僕の片思いの相手…。

斜め前の席に座る黒髪のツインテールの女の子。

活発でよく女の子で集まってはおしゃべりしている。

友達も多そうだし、男どもにも人気があることは知っている。それに…。

僕とは違うタイプの明るい子。


どこか懐かしく、どこか惹かれる…そしてどこか恐怖も感じる子。

近寄ってはいけないような、近寄って頭を撫でて貰いたいような…。


…?頭を撫でて貰いたい???

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