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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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A班 救助用機体5021 カイル隊員5-4

執務机にもたれ、煙草を吹かす彼の言葉を待つ。


「実験は…表向きはヤツらの生態を知る為に…。裏は人的繁殖の有効性…コントロール可能かどうか。そして利用できるかどうか…だ」

「コントロール?ですか?…利用って何に…です?」


利用という言葉に、嫌な予感がする。

否、絶対に予想は当たっている…事実を認めたくない俺はその考えを見ないフリをした。


「発生した当初は比較的小さい個体の集団だった。蜘蛛の様なヤツをタイプーAと呼び、他のタイプもそれぞれBCDと付けていった」


タイプ…BCD?そんな…他にも…?


「ヤツらを調べていく内に脱皮で成長する事や雌雄が有る事が分かり、オスとメスの区別が付く様になった」


俺の驚きを他所に、上官は話を進める。


「オスとメスの違いを調べていく内に…産み付ける環境によって特性が出る事を知った。体が巨大化するモノ、個体数が増えるモノ、脱皮の回数…」


白い煙を吐きながら、淡々と話す上官が…俺を知らない人間を見ている様な気にさせる。


「それで…何を考えたか、普通の人間とヤツらを一つの部屋に入れた。最初はオスと女性。食い殺されて終わりだった。同時にメスの持つ卵に人間の精子を受精させる実験も行った」


化け物と人間の人工授精…。

それを聞いた瞬間、吐き気がした。

研究室の奴は何を生み出したかったのか…。


「それをメスの体内に戻したり、女性の体内に入れたり…実験を繰り返した。しかし、タイプーAと人間のハイブリッドは…幸運だったのか、生まれはしなかった」


生まれずほっとしたと言う長い呼吸の後、上官は続ける。


「タイプーAは雌雄、番いでなければ孵化しない事が分かったある日、雌雄2体のタイプーAと共に人間を部屋に閉じ込めたところ…2体が体内に侵入し…しばらくすると喰い破って出てきた。いつもの捕食かと思われたが…腹部に卵が産みつけられていた。…お前達が見たのはその状態だろう」


「人を介せば『情』が出来るとでも考えたのか…」と、ぼそっと煙草を吸い煙と共に吐き捨てた上官の顔に、呆れが見える。


「それで、人間の体内での繁殖実験が始まった。…実験体は負傷した隊員や…危険地帯に侵入した一般人を使った」


さらっと問題ある発言をする。

俺が何かを発言する前に、上官は「まだ話を聞け」と制した。

ぐっと、言葉を飲み込む。


「そして…隊員に卵を産んだ場合と、一般人に産んだ場合とで違いがあった。隊員に植え付けられた方が成長速度が著しく速い上、脱皮回数も少なく、個体数が増える事が分かった」


上官は煙草を思い切り吸い…吐く。

俺は頭が痛くなるより前に…吐き気が酷い…。


「双方の血液を調べた結果、ある体内の分泌物の数値の高さが影響している事が分かった。高い方が…繁殖条件として良い。…そして、隊員の中でも高い者と低い者の差があった」


本庄上官が短くなった煙草を消す。


「それがタイプーA発生後の物質をどれだけ体に吸収しているかだと分かり、出撃回数が多い者ほど高く成績がいい者ほど高かった…繁殖実験の為に隊員を主に使うと()()()()()()と判断され、一般人を集めタイプーAと接触させ、人為的に高める案が挙がったが…司令官と俺達隊長クラスが反対し、実験は一年前に中止されたはずだった…が、コレだ」


パソコンの画面を指さす。


「まだ実験は続いていた」

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