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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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本庄 凛(ほんじょう りん)6-10

私は…どこに居るんだろう。

私は…。


目を開けると白い天井が見えた。


「気が付かれましたか?」


祥子さんの顔が見えた。

オレンジのイヤリングだ。


「祥子さん…」


私はベッドに寝かされていた。


「あの後…気を失われたんですよ…」


そう言って立ち上がり、ポットから紅茶をカップに注ぐ。

渡されて一口飲む…甘い。


「無理もないですが…」


彼女は優し気な顔を向ける。


「ありがとう」


彼女に微笑み返した。

何か不意に違和感を感じたけど、何だったのか分からない。

分からない事は考えたって仕方ない。

今は、これからの事を考えよう。


「そういえば…倒れられた後、本庄隊長が来られてたのですが…またお仕事へお戻りになられました。その代わりに、良い知らせをこちらへ持って来られる方を寄越すとおっしゃってましたよ」

「いい知らせ?」

「ええ、凛さんが気が付いたら連絡をと。なので、少し電話をしてきます。ここにポットがありますので…中もまだ入っていますし、飲みたかったら飲んでください」

「はーい…」


…良い知らせって何だろう。

悪い事ばかり起きていて、疲れている…本当に良い知らせなら良いな。


手元のカップの紅茶を飲み干し、もう一杯カップに注ぐ。

良い香りのする、紅茶だ。

砂糖の入った紅茶も緊張を和らげてくれている様で、美味しい。


電話を終えた祥子さんが戻ってきた。

が、すぐにもう一度紅茶を淹れてくる。とキッチンへ立った。

2人来られるとの事で、動けそうなら着替えや身支度をと言われたけれど、体がだるく着替えられそうになかった。

手伝って貰うのも恥ずかしいし。

なので、髪を梳くブラシと髪を纏めるゴム、そして鏡だけ借りた。

髪を梳かしながら、久しぶりに自分の顔を見た気がする。

目が少し赤く腫れて、泣いたのが分かる。


慣れた手つきで髪を半分に分け、いつもしていたツインテールをする。

私らしく成れた気がした。

最近くよくよし過ぎていたかもしれない。

しっかりしないと…誠也も心配してしまう。

…そう、ちゃんとしなきゃ。


気合を入れたその時、部屋の玄関チャイムが鳴る。

また、開けた時に立っているのが柳隊長だったら…と、ドキッとした。


「私が出ますので、あなたはそちらで座っていてください」


キッチンから来た祥子さんが、ポットを近くの机に置きドアの前へ行く。


「どなたですか」


声をかけ、会話を少ししている様だけど、私にはボソボソとしか聞こえない。


「どうぞ」


祥子さんが案内してきた。

私のいる部屋のドアが開く…と、そこに居たのはカイルさんだった。


「こんにちは…」


誠也の事が思い出されて、さっき入れなおした気合も風前の灯火になりそうだった。


「こんにちは」


そう微かに微笑むカイルさん…の後ろに…。


私は思わずベッドから飛び降りた。

スリッパも何も履かずに自分の速度につんのめりながら…走った。

そして…部屋のドアの前に、カイルさんの後ろに居る彼に飛びついた。


「怜!!」


彼は飛びついた私を抱きとめてくれた。


「凛…ようやく会えたね」

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