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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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125/200

本庄 凛(ほんじょう りん)6-9

私は…どこに居るんだろう。

私は…。


目を開けると白い天井が見えた。


「気が付かれましたか?」


祥子さんの顔が見えた。

オレンジのイヤリングだ。


「祥子さん…」


私はベッドに寝かされていた。


「あの後…気を失われたんですよ…」


そう言って立ち上がり、ポットから紅茶をカップに注ぐ。

渡されて一口飲む…甘い。


「無理もないですが…」


彼女は優し気な顔を向ける。

が、不意にその表情がいつも同じ…貼り付けたようだと感じた。

もう一人…祥子さんの姉妹を見たからかも知れない。

あの人のイメージが目の前の祥子さんにも混じる。


「…祥子さん…あの…」

「はい」

「検査室の…研究所みたいな所に居たあの人は…祥子さんの姉妹ですか?」


はい、そうです。という返事が来ると思っていた。

だけど、違った。


「いいえ、違います」


表情を崩さず、祥子さんは答えた。


「あんなに似てるのに?…あっ…従妹ですか?」

「いいえ」

「じゃあ、何故…」


じゃあ何故あんなにも似ているのか…。

もしかして…?

変な事が頭によぎる。


「もしかして…ロボット…とか…?」


彼女は表情を崩さない。

どちらかがロボットだとしたら…こっちな気がするくらいに。

彼女がふっと笑いを浮かべた。


「いいえ、ロボットではありませんし、アンドロイドでもありません」


では?


「彼女達と血縁設定はありません。そっくりなのは…説明しずらいですね…その必要があったから…いえ、変えるのが面倒だったから?…何でしょう。私にはわかりません。…説明するには…同一モデルだから…としか…」

「同一モデル?」

「ええ、同じにする必要性もないはずですが…」

「どういう事?アンドロイドでもないんですよね?」

「ええ」

「人間…なのですよね?」

「この世界の人間ではあります。が…。あなた方とは少し違う…としか」


答えにくそうな顔になった。

…もしかして、クローン人間だとか…そう言った…何か複雑だったり…?

…ん?彼女()…?

頭が混乱し始めると共に、個人のそんなセンシティブな事を根掘り葉掘り聞いて良いモノか…詮索する事は失礼なんじゃないかと思い始める。


「あなた方って…?」

「ええ、あなたや本庄隊長、柳隊長等ですね」

「…?」

「生体としての作り…、クローン等ではなく…言うなれば個性です。個性のあるデザインでは無いという事です」

「デザインって?」

「私はそうですね、先程凛さんが言った通りアンドロイド設定でも良いのです」


どういう事?

設定って???

ますます頭が混んがらがる。

そして彼女は続けて言った。


「私は1人の…一個のデザインを使用した『   』です」


『error』


いきなり機械的な女性の声がした。

被って流れ出した所為で、彼女の言葉の最後が聞こえなかった。


『an error has occurred』

『エラーが発生した為…』


機械的な女性の声は、止まらずどこからか流れている。

目の前の祥子さんが固まった。

ロボットだの、アンドロイドだのと言っていたが、彼女から音がしている訳ではない。


私は慌てて起き上が…れない。

私も固まっている。

どういう事か…さっぱり分からないけれど、動けなくなっている。


『再起動を実施します』


頭の中で…声がした。

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