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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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122/200

本庄 凛(ほんじょう りん)6-6

「適性があると…その、成分が高いと…どうなるの?」


今の岡君の状態が知りたかった。


「どうなる…とは?」

「体に異変とか?」

「いいえ、それは無いわ」

「じゃあ何故お腹を?」

「…簡単に言うと、タイプーAの生態を知る為よ」

「…適性があって…父が…止めたら?」

「その時は薬を渡すわ。適性を持っているからと言って何か症状が…とかは無いけど、()()()()()()する為に。我々も飲んでるの」

「そう…他の…他の生徒達は?」

「聞きたい?」


私が頷くと、祥子さんは手に持つ紙を何枚かめくった。


「貴女を含めずに、第二基地で行った最後の検査で、14人の内3人が適正あり、でも1名以外は死亡。適性無しだった8人は保護者へ引き渡し、残り3人の内2人は基地にて死亡が確認されて、1人は昨日ここへ搬送されてるわ」

「適正ありだった子は…男子?女子?」

「死亡者は2人とも女子よ」


ほっとしてはいけないのだろうけれど、内心ほっとした。

怜と誠也ではない…と。


「基地で亡くなった子と、ここへ来た子は?」


反応なしで帰された中に居て欲しいと思いながら、死亡者と行方不明者3人の事を聞く。

この中に居なかったら無事だという事だと…。


「亡くなったのは隊員に射殺された女子と、崩れた建物付近から発見された男子。搬送されたのは…男子ね」


すらすらと私の質問に答えてくれる。

これなら、名前も聞けるでは…?と思った。


「死んだ子…死んだ男子と行方不明の子の名前は分かる?」


祥子さんは持っていた紙をめくる。


「これには…」


無いのだろうか?…彼女が探している間がすごく長い時間に思える。


「死亡者は橘誠也ね」

「え…?」

「橘誠也と言う男子」

「嘘…」

「知り合い?」

「…え…あ…はい」

「そう、それは残念ね…ふぅ…聞きたかった事はこれみたいね。じゃ、もういいかしら?」


涙と吐き気がこみ上げ、黙り込んだ私を置いて去ろうとする。


「待って!誠也は…誠也の遺体はどこ?会わせて!」

「確認は隊員がしたけど、その後化け物とか後始末に爆破したはずだから残ってないわ」

「じゃあ本当に誠也か分からないじゃない!」

「いいえ、隊員が確認しているから間違いじゃないわ」

「そんな…」


祥子さんと話す間に涙が止めどなく流れてきた。


「やめて、こんな所で泣かないで。泣くなら外へ出てちょうだい」


祥子さんは腕を掴んで立たせようとする。


「誰か」


側に居る研究員に声をかける。


「この子を外へ」

「はい」

「迎えは…担当者はまだなの?…」

「まだ来てませんね」

「もう…」


研究員が私をガラスの部屋から出すと、祥子さんはドアとカーテンを閉めた。

外に出された私を、一瞥もせずにカーテンの奥へ影が遠ざかる。


「そんな…誠也…」


部屋の出入り口まで引きずられ、床にへたり込んだまま泣いているとドアが開いた。

視線を向けるとそこには…オレンジのハイヒールを履いた祥子さんが居た。


「祥子…さん…?」

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