表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

117/200

本庄 凛(ほんじょう りん)6-1

カーテンを開けられ日の光で目が覚めた。

昨日言われていた通り、青い服から白い服に着替える。

その間に祥子さんは朝食の準備をしてくれていた。


テーブルについて、美味しそうなスクランブルエッグとベーコンをパンの上に乗せて食べる。

パンは焼き立てだった。

紅茶の味は昨日と一緒。

…やっぱり甘い。


「どうしたの?苦手なものあった?でも野菜も食べてね」


祥子さんを見る私に、そう優しく笑いかける。

何だろう。第二基地に居た時に縮まったと思っていた祥子さんとの距離感が、少し離れたような感覚がある。

基地を移動して、違う部屋だから私がそう感じているだけかもしれないけれど。


「大丈夫です」


サラダに手を出す。

パリッとしたレタスが、美味しい。


「今日は検査を受けて貰うわ。簡単な検査よ。まぁ殆どの人が嫌いな採血もあるけど…」


血を取られるのは嫌だなと思う。

上手い人と下手な人の差がどうして生まれるのか分からないけど、本当に刺した?って言うくらい無痛の人もいれば、痛い人は…すごく痛い。


「後は、レントゲンとか診察とか…まぁ流れに任せていたらすーっと終わるわ」


私は頷き返し、黙々と食事を続けた。

食べ終わった頃、もう一杯紅茶を淹れて近くに置いてくれる。

そして空いた食器をカートに回収して、持って行った。


部屋に一人だ。

外を眺めても、遠くに街が見えるだけで、何も面白みはない。

下を見ると昨日はなかったヘリが二台、増えている気がした。

私もそこに降り立ったなと、昨日の事を思い出そうとする。

基地が爆発したのを見た時とは違って、見なかった昨日は胸の痛みも感じないくらい。

「確認していない」ってこんなにも楽なんだと思った。


怜と誠也の生死は分からない。

けど、絶望的な気を持たずに居られている。

祥子さんも無事に、…今も世話をやいてくれている。


「これ以上…何かを欲しがるのは贅沢だわ」


独り言を言う。

部屋に返事してくれる人はいない。

仕事が終わらないのだろう…父は昨日別れてから会っていない。

あの黒い塊の…何かの集団が襲った基地は、戻る前と同じく爆発したのだろうし、多くの隊員の人達が犠牲になったはずだ。

怜や誠也だけでなく、カイルさんも無事でいてくれたらいいのにと思った。


コンコン


部屋のドアがノックされた。

検査をする為に迎えに来ると言っていたから、祥子さんが来たのかとドアの外を確かめずに開けると、制服を着た隊員を4人、引き連れた男の人が立っていた。

その人をどこかで見たことがあると思った。

でもどこで見たかハッキリとは思い出せない。


「初めまして、本庄凛さん。私は柳と言います」


男に人は帽子を取りお辞儀をする。


「第二迎撃部隊の隊長をしております」


にこやかな顔と違って、雰囲気が怖かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ