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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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113/200

アンドレア・エルフローレン4-7

拾ったIDを携えて、俺は研究室を出る。

機械から散っていた火花の音と、パソコンの低い軌道音、それくらいしか残らない部屋をもう一度振り返り見回した後、エレベーター前まで走った。


『14:30』


もう時間があまりない。

屋上に行くのか、本館へ行くのか。

どちらかに決めなければ。

片方に行って駄目だったら戻ってくる、そうする時間の余裕はない。

どちらか…俺は本館に向かう事に決めた。

エレベーター横の、本館に続くドア。

その前に立つ。

軽い違和感を感じるが、何が気になるのか…分からない。

IDを電子錠に掲げると、ピッと音と共にドアが開いた。


本館に入るとこの三階フロアには会議室のみあり、四階には貴賓室等があるらしい。

一階には入った事があったが、搬入口やランドリールーム、駐車場等で今必要な何かがある訳ではないと思う。

こちらも五階へ行く。

…こちら…も…?


『13:59』


エレベーターか非常階段を探す。

本館は化け物の襲撃を受けていないのか、館内は綺麗だった。

どこも壊れていない。

廊下もワックスが引かれた艶やかな木目で、照明が反射している。

壁も研究室や寄宿舎のとは違い、柄の入った…高級さがある壁紙で彩られていた。

会議室の一つを開けると、コーヒーが等間隔で置かれており、会議中に物を置き去りに逃げた事がわかる。

赤い絨毯に零れた後や、椅子が倒れたままになっていた。

足を踏み入れ、ふかっとした踏み心地に戸惑うが、これが上にとっては当たり前の事なんだろうと思う。

窓のブラインドカーテンの隙間から外を見ると、すぐ真下にヤツらが群れ登って来ていた。

ここまで登ってくるのも時間の問題だ…そして爆発が起こるのも。


会議室から出る。

フロアの中心部、二枚の扉がある第一会議室の前にエレベーターが有った。

一つのボタンを押すとエレベーター三台ともボタンが同時に光り、五階を差していた点灯ランプが三階へ降りてくる。

真ん中が一番最初に開いた。

乗り込み、五階へ行く。

エレベーターの中さえも、シャンデリアと鏡で眩しく光っていた。

薄暗い俺達隊員の部屋とは雲泥の差だと思う。

何なら、このカーペットの方がベッドに敷かれたマットレスより寝心地が良さそうだった。


カイルはここに本庄隊長の付き添いで来ているはずだ…あいつはこれを見てどう思っていたのだろうと、考える。

そして、ふっと笑う。


…俺はカイルの部屋に行った事がない。

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