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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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アンドレア・エルフローレン4-5

大半の研究員を調べた俺はもう無理なのかも知れないと、思い始める。

ただの研究員ではIDを持っていない。

DVDの内容から察するに、安全保持等の規則でここから出ないからかも知れない。


『19:23』


研究室の室長クラス、もしくは研究棟と他を出入りする人間を探さなければならない。

カイルが女性研究員が本庄隊長の娘を世話していると言っていたのを思い出す。

行き来しているなら、IDを持っているはずだ。


割れたガラスケースの近くに、転がっていたうつ伏せの女性研究員を仰向けにする。

IDは無い。

その近くにも女性研究員を見つけた。


さっきの女性よりも少し派手めで、スタイルの良い女だ。

白衣に隠れた体はガラスでズタズタになり、肌を露わにしている。

前から飛散したガラスを受けたのだろう…複数のガラスが腕に刺さっているのが痛々しい。

失礼ながら白衣の中を検めさせてもらう。

形の良い胸が、破れた服と下着の下からチラチラと見えた。


…指先で美しかっただろう皮膚をなぞる。

ガラスの刺さった傷は、出血が止まっていた。


鎖骨…胸。

…浮き出た肋骨。

溜まっていた血がツーっと流れその下の…へその窪みを経由し、タイトなスカートを汚している。


この腹にヤツらの…卵が入っていたりはしないだろうか…研究者達も高い側なのではないか。と思う。


その先に白い太ももが…見えた。

捲れあがったスカートから…覗いた足。

赤いハイヒールがより、扇情的に俺を刺激する。

俺はこのまま…。

…手を…伸ばす。

柔らかな…久しく触れていない、…異性の感触を求めて…。

指先が触れ…。


『15:03』


声にビクッとし、前腕に痛みが走る。


「俺は…何をしていたんだ…」


彼女に刺さるガラスで、腕を切ったらしい。

そのおかげで、正気を取り戻した。


動機が激しく打ち、自分の行動の馬鹿さ加減を悔いる。

何を、やっているんだ…自分は。


『そういう奴だよ。お前は』


いつも俺を責め立てている声は、こういう時俺を止めてはくれないのかと、恨めしく思う。

が、所詮俺の中で聞こえている声なのだ。

俺自身の声なのだと…思う。

罪悪感を、自分の罪の意識を軽くする為だけの。


正気を保っていなければ…今は…せめてDVDを届けるまで。

そして、中止されたはずの実験を継続している事を伝えなければ…。


そういえば、救助した後の彼らはどこに?

岡君だけでなく、他にも居た生徒達は?

本庄隊長の娘だけは本館に保護されて、後はあの少年と同じ場所にいたはずだ。

彼らも…どこへ。

本庄隊長の娘の様に、移動されていれば良いが…子供すら検査している連中だ…。

…いや…まさか…。

あまり考えたくなかった。


自分の暴走を認知したおかげで、冷静に…彼女の体を見ない様にして、IDを探す。

胸ポケットにはない。

白衣の右ポケットから血で汚れたパスケース…IDを見つけた。


『江島 祥子』


写真と名前が書かれたID。

彼女がカイルが言っていた女性研究員だ。

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