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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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アンドレア・エルフローレン4-3

「後、29分という事か」


エレベーターから降りる際も周りを警戒し辺りを見渡す。

綺麗な白いフロアだ。

出たすぐ右に本館への連絡通路があるが、やはりそれにも研究員のIDが必要な電子錠が掛かっている。

通気口が無く、下のドアの様にはいかなそうだ。


『28:45』


ざっとフロア案内を見ると、エレベーター斜め向かいの廊下が研究室へ続いている。

ドックから見えるあの廊下だ。

銃を構えながら、様子を見る。

窓ガラスが割れていたが、こちら側に散乱していない。

下には血の跡があり、それが窓の外へ続いていた。

何かがここから外へ行ったのだ…おそらく下に居る化け物どもが。

では、その化け物はどこから来たのか。非常階段が研究室側にあったが…そこからか?

もしくは…ジャンが言っていた「俺らがそう教えた」という言葉。

研究室がヤツらを研究して居た所で、おかしいことはない。

が…「教えた」とは…?


割れた窓から下を見る。カイルと少年の姿は見えない。

一か所に集まっていた化け物どもが、一斉に何かを追いかけ滑走路の方へ動き出した。

追いかけるモノが何かは分からない。

目視できないから人間ではなさそうだと、2人を探すが見えず、群がっていた場所には取り残されたのか、一匹の化け物が留まっていた。

他の四体が次々に外へ落ちていく。


『27:59』


カウントに気付いて窓から離れ、廊下の角から研究室の前を確認する。

研究室のドアがずらっと並んでいる。

その一つ…そこから化け物が出た形跡が、赤く廊下を染める事で残っていた。

研究者が居れば…下の医務室同様、皆死んでいるのだろう。


恐る恐るドアの前に行く。

奥のガラスケースが割れ、思っていた通り、巻き込まれた研究者達は死んでいた。

天井から蛍光灯はぶら下がり、辺りを暗がりにしている。

それが揺れるたびに、浮き上がる死体は地獄に悶え苦しむ様な形相で…俺を見ているように思えた。


『悲惨だねえ』

『26:00』


助けを求めたのか腕を伸ばして息絶えている者や、二人同時にあの脚に突かれたのか、同じ位置に穴が開き、重なって息絶えている者達もいた。


こみ上げる絶望を抑えながら、机や辺りを見回すが、鍵らしきものはない。

ただ、研究のノートやパソコンが置かれているのみで、ガラスケースの周りにある機械は火花を放ちながら停止している。

モニターも何も映していない。


『25:39』


何か、情報はないかと探す。

今からでも、五階へ行ってヘリと鍵の有無を確認しに行くか?いや、なかったら無駄足だ。

しかし、エレベーターはすぐ乗れる…上に行くまで1分ぐらいだろう。

五階は半分が部屋で、半分がヘリポートの様だから…。

部屋の鍵も電子錠が掛かっているだろうから、やはりここは研究員のIDを使って…。


カウントの所為でか、焦った頭が思考を巡らせる。

足元の研究員の死体を弄る、IDを持っている奴がいない。

全ての研究員が持っている訳ではないのかと、必死に探す。


机の上に置かれたりはしていないかも含め、ノートや資料をひっくり返した。

IDは見つからなかったが、DVD-Rに目が止まった。


「岡 友樹」


エリア24で救助した学生の名前が書かれていた。

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