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この話のタイトルは君がつけろ  作者: 樋口 涼


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102/200

A班 救助用機体5021 カイル隊員4-1

「おい!見ろ!!アイツ!挟まったぞ!!」


第二迎撃部隊所属のジャンが歓喜の声を上げた。

1人、陽動に出るはずだったアンドレアも驚いた顔で、扉に挟まった化け物を見て居る。


「これで陽動は要らないんじゃないか?」


元気を取り戻した様な、ハツラツとしたジャンが、アンドレアに声を掛けた。


「あ、…あぁ…そうだな」


逆にアンドレアは気の抜けた返事を返す。


「外に出ても大丈夫か…見て来る」


そう言い、ヤツから近いドアから出て行った。


「何だ?アンドレアの奴、陽動に出なくて良くなったのに喜ばないんだな」


ジャンが不思議そうな顔をした。


「まぁ、まだ鍵も手に入ってないし、仕方ないさ」

「…やっぱ優秀者は違うのかねー」


幾分余裕が出来たのか、軽口を叩く。

さっきまでの態度とは雲泥の差だなと呆れるが、滝中君もいる事だ、顔には出さない様気を付けよう。


廊下に出たアンドレアは化け物がいる方ではなく、壁の…遺体が山積みになって居る方へ歩いて行く。

そして側の食堂側のドアの前に立った。


「何してんだ?あいつ」

「周りの確認…だろ」


そして、俺達が入ってきたドアから休憩室に戻って来た。


「大丈夫そうだ」

「そうか」


ドックの方をみると、音に集まっていた幼体達は扉が閉まり()()が挟まると、散り散りに扉から離れ…そしてまた、さっきと同様にドックのヘリの残骸を踏み始める。

ヤツらが隙間から、侵入して来るという事も無かった。


「よし、計画通りではないにせよ、これで医務室には行けるな。早々に鍵を取って次の基地に飛ぶぞ」


3人に声をかける。

滝中君とジャンは頷き返したが…、アンドレアだけは何かを考えて居るのか反応が無かった。


そして…俺は、壁に積まれた遺体の中に、彼の兄や…藤田が居たか、とは聞けなかった。

居たと聞くのが怖い。

重症者は…おそらく逃げられて居ない。

犠牲者の中に居る確率の方が高いのだ。

藤田も滝中君の兄も…そしてアンドレアの友人、シムも。


ドアノブに手をかけ、アンドレアが俺に振り向く。


「カイル…あそこにお前の友人も、その子の兄も居なかった」

「…そうか」


アンドレアが先行で進み、その後に俺、滝中君…ジャンと続く。

挟まったヤツの薄赤い体液が、こちらまで流れていた。


「踏まない様に気をつけて」


滝中君に声を掛け、後ろを警戒しながら進む。

アンドレアもそうだろうが、俺もジャンを信用していない。

信頼を置くこともないだろう。


実は…以前から名前と顔を知って居る。

本庄上官の側で色々なリストを見るからだ。

その中の「このリストの中の者は信用するな」と渡された中に居た。

研究室の室長を始め、柳隊長と…幾人かの長の名前が連なる中に。


そのリストが何のリストなのか、詳しくは教えられなかったが、とにかく信用するなと言われた。

本人を目の前にしても、危険人物とは思えないが信用は出来なさそうだと思う。


「滝中君は…僕の言う通りに…」

「はい」


ついて来る滝中君の後ろで、ジャンは何故か不気味な笑いを浮かべていた。

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