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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第六章 国連軍発足
94/138

94 女神像の声の主

インフルで5日寝込みました。元々残念な頭が更に危うい状態で書きました。

94 女神像の声の主



 暴れ狂う地竜のキメラと戦うキムスケ。

 その戦いにヌルが乱入する。

 ヌルはミミックプラントのことを

思い出していた。


ヌル「しばらく、俺が相手します。

   キムスケさんは大技の準備を!」


 ヌルは万物創生魔法で地竜に誘因を付与した。

 蚊などの害虫が地竜に引き寄せられる。

 虫を集める地竜をひきつけ、走り回るヌル。


ヌル「けっこう集めたよな!?

   キムスケさん、お願いします!」


 キムスケはケラウノスを

渾身の力を込めて振り下ろす。

 地竜に特大の雷が落ち、

集まった多くの虫と共に焦がした。


 空の上ではレスベラが、角笛男・ノドンを

激しく追い立てる。

 必死に逃げる翼竜は、かなりのスピードで

捕まえるのは容易ではなかった。

 ノドンはもはや角笛を吹く余裕は無く、

落石攻撃は止んでいた。


ノドン「くそっ! キメラは全滅か!

    ベルゼ! まだか!?」


 ノドンはレスベラが斬った蠅男、

ベルゼに話しかける。


 昆虫は神経節という

脳のようなものが全身にある。

 頭を切り落としても、

しばらく生き続けることができる。

 斬られたベルゼは動けないものの、

配下の虫を操作していた。


 ベルゼが操作した虫たちが、

瀕死のキメラ4体の口に薬をねじ込む。


「ホアアアアアアアアア」

「クエエエエエエエエエ」

「コアアアアアアアアア」

「ブオオオオオオオオオ」


 苦労して倒した4体の竜キメラが

全快で起き上がる。

 目は赤く充血し筋肉は盛り上がり、

一回り大きくなっている。


ヌル「これは!カバ野郎の時と同じやつか!」


クルム「虫を全滅させないと終わらないの?

    めんどくさっ。」


うまーる「ううう。なんだかズルいんだよ。」


キムスケ「なんだ、この禍々しい気配は!」


りおん「強化の薬ね。

    おそらく副作用も大きいハズ。」


 フロがキメラの異変に気付く。

 フロが注射器のような銃を取り出し、

キメラ4体を狙撃した。

 レーザービームのような魔法弾であった。


フロ「ほよよ〜。イケないお薬はダメだよ!

   聖属性魔法☆お注射ビーム☆」


 フロの魔法を受けた4体のキメラが、

みるみる萎んでゆく。

 まるで玉手箱を開けた

浦島太郎のように変わり果てた姿となった。


ノドン「おのれ、おのれ! おのれえええエエ!」


 ノドンは一転、

剣を抜きレスベラに向かっていく。

 ノドンと交差しながらレスベラは

右手のミヅハノメでノドンの剣を打ち払う。

 そして左手の七星流転でノドンを斬りつけた。

 そのままバク宙し、足の刃で

ノドンが乗っていた飛竜の背を斬りつけると、

ノドンと飛竜は地面に激しく衝突した。


 アルベルトが炎の矢を放ち、

ベルゼにトドメを刺した。

 飛竜キメラの群れも、

セイレーンの戦士たちにより殲滅されていた。

 戦いは終結した。


 セイレーンの里の被害は甚大であった。

 虫による咬害、雨による毒ガス、

そして空爆のような落石攻撃であった。

 軽石でできたカッパドキアのような

居住区は崩落が相次ぎ、

多くの人が生き埋めとなった。


 ヌルはドワーフ国へ戻り応援の人を集め、

シロイナワ高地での救助作業を懸命に行った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



  ーー翌日ーー


 ヌルとキムスケが話し合いをしている。


ヌル「キムスケさん、魔王を倒すために

   セイレーンの秘宝を貸して下さい。

   女神像の記憶によると、

   ここには竜首宝珠と

   イムの御石鉢があるハズですよね。」


キムスケ「ここに残るのは、イムの御石鉢だけだ。

     竜首宝珠と子守貝は人魚に奪われた。

     セイレーンの秘宝ではないが、

     コレは渡しておこう。


     雷獣クロネコが愛用した2対の刀、

     雷切だ。」


 ヌルは雷切を受け取った。


ヌル「奪われた?

   そうか。だから子守貝が

   ナミノエにあったのか。

   そして竜首宝珠は竜宮村に。


   雷切……。

   すごい武器であるのが触れただけでわかる。   

   ありがとうございます。

   竜宮村の石碑に残された伝承の

   【女神に抱かれた】とは、

   何を指しているか知りませんか?」


キムスケ「すまない。知らないな。」


ヌル「とにかく、イムの御石鉢を貸してください。

   せめてレスベラとクルムの呪いだけでも

   解ければ。」


キムスケ「アレは未完成だ。

     女神像の記憶にもあっただろう。

     イム様が冒険の途中で死に、

     イムの御石鉢は未完成のまま

     この地に封印された。」


ヌル「そんな……。

   そういえば、女神像の話は途中だった。

   最後まで見ていない。


   それに、ひとつ疑問がある。

   あの映像は、

   女神像が出来る前の映像があった。

   あれは女神像の記憶なんかじゃない。

   おそらく……。


   フロさん!一緒に来てください!」


フロ「ほにょ?」


 ヌルは、フロを連れて階段を駆け上がる。

 キムスケ、うまーる、クルム、レスベラも

慌てて追いかける。


ヌルは女神像の前に立つ。


ヌル「フロさん、この女神像の中には

   誰かいるんじゃないですか?

   見えますか?」


フロ「タヌキの少年だにょ。

   まだこの地に未練があるぽよ。」


ヌル「タヌキ……レッサーパンダの獣人、

   奇跡の少年・聖人イムか!


   なんとか話す方法ないかな?

   イムさん、

   記憶の続きを見せてください!!」


フロ「まっててね。ほいっ!」


 フロが魔力を放つと、イムの魂が実体化した。

 イムが話し始める。


イム「このチカラは。

   聖属性の魔法使いさんですね。

   時間がありません。手短に話します。

   イムの御石鉢の仕上げ工程です。


   この像の台座に素焼きの石鉢と、

   染料の青い粉があります。


   青い粉と聖盾蟹の血を混ぜて釉薬を作り、

   それを石鉢の内側に塗り、

   聖火で焼いて下さい。


   そしてこの石鉢の使い道ですが、

   魔王が持つ邪神の指輪ごと

   魔王を入れて下さい。

   あなたが持つ缶詰マスターならば、

   それが可能です。


   この世界でも封印術師は

   失われてしまったのですね。

   でも良かった。

   あなたが継承できたのなら。

   それでは、世界をお願いします。

   僕たちシンドバットが成し得なかった夢を、

   人類の希望を。

   あなたに託します。」


 イムの体が、音もなく消えていった。


ヌル「そんな、まだ聞きたいことが。」


キムスケ「信じられぬ。

     あの記憶はイム様のものだったとは。

     そして、永遠に失われたかと思われた

     イムの御石鉢の製造法が。

     しかしあれは……。」


 キムスケは女神像の台座から、

イムの御石鉢と青の染料を取り出し、

ヌルに手渡した。


ヌル「聖盾蟹……。

   映像にあった、あの白いカブトガニか!

   だとすると、近くの池にいるのですね?」


キムスケ「聖盾蟹は、絶滅した。

     呪いの雨によって。

     イムの御石鉢を欲した

     魔王軍の策略によって、  

     イムの御石鉢はもう、

     2度と作れぬ物になってしまった。


     我々セイレーンは、イムの御石鉢と

     聖盾蟹を守り後世に残すため、

     この地に移り住んだのだ。」



ヌル「そんな……。ここまで来て……。」







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