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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第五章 ドワーフ国編
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82 開戦!武の四天王

82 開戦!武の四天王




 エルクは兵から手渡された禍々しい槍を、

力を込めてルーローに向けて投げた。

 亜音速で放たれた槍は、真っ直ぐに

ルーローに向けて飛んでいく。

ルーローは射線を見極め、コレを難なく避ける。

 しかし槍は急に進路を変え、

ルーローを追尾するかのような動きを見せた。

 ルーローは脇腹を貫かれ、

槍はエルクの手元に戻った。


 砦の上層でその後継を見たエルは叫んだ。


エル「ルーローさん!!」


 見ていたムラも叫ぶ。


ムラ「ルーロー殿おおお!!」


挿絵(By みてみん)


 エルクは槍を手に取り、うっとりした表情で槍を眺めながら誇らしげに語る。


エルク「魔王様より下賜された、

    魔槍グングニルだ。


    安心しろ。一撃では殺さん。

    じっくり遊んでやる。」


ルーロー「必中と回帰か。厄介だぜ。」


 ルーローは血が流れる脇腹を抑えながら、

今一度気を引き締めてエルクを見据える。



エミー「アレが敵将か。ヤバそうだね。

    パンダ殿を信じるしかないね。


    あっちにも動きがあったね。」


 エミーが指差す方では、大楯を持った

ドワーフのカズチョンと、ムチのような剣を扱う

ウルミーが激しい攻防を繰り広げていた。


 ウルミーの斬撃は軽く、カズチョンの大楯には

傷すら付かなかった。

 カズチョンは狙いを定め、

大楯を構えたまま引き金を引いた。

 大楯の中央には突き出した銃口があった。

 弾丸が発砲されるも、

ウルミーには掠りもしなかった。


エミー「カズチョンのガンシールドはね、

    攻防一体の兵器なんだ。

    あの大楯は、ドワーフ国でも最強クラスの

    防御力を誇るんだ。


    ただね、重さが40kgあってね。

    そのせいで狙いを定めるのが

    極めて難しく、

    目標に命中したことが無いんだよ。


    そしてお約束の、装填は一発のみ。

    もちろん盾として使っているうちは、

    装填不可能。

    盾と銃を別々に使った方が

    マシな代物なんだよ。」


 エルは言葉が出なかった。


エミー「あっちではイカリングと

    ワニの大男がやり合ってるね。

    イカリングの銃はね、

    銃身が24本あってね、

    24連射できるっていう、

    理論上は凄いスペックなんだよ。」


 イカリングは、ワニが振るう大剣を

華麗に躱している。

 銃を構えるも、発砲に躊躇っている模様だ。


エル「すごい銃だね!

   弱点なんか無いんじゃないかな? 


   なかなか撃たないね。

   もしかして、重いのかな?」


エミー「うーん。重いのかな?

    あれはね……。」


 エミーの口が重たくなった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーカイセイ城サイドーー


 東側では、うまーる、クルム、レスベラが

象の獣人ネイシアと戦っていた。


ネイシア「くそおおぉぉ!

     俺の乾坤圏が!!」


 全ての攻撃を躱され、ネイシアは苛立っていた。

 ネイシアはフェイントのみの、

うまーると遠隔攻撃のみのクルムを無視し、

レスベラを優先的に叩くことにした。


 レスベラへの攻撃が激しくなる。

 レスベラは背後からの攻撃を躱しながら、

嵐のように繰り出される

直接的な斬撃を刀で受けていた。

 敵の刃に集中していたレスベラを見ていた

ネイシアは突然、

長い牙を使いレスベラをカチ上げた。

 レスベラは咄嗟に鎧の部分で牙の先端を受け、

串刺しは免れたものの、

突き飛ばされ壁に叩きつけられた。

 しかし壁に叩きつけられると同時に、

クルムの治癒魔法が浴びせられた。


クルム「気を抜くな! 

    即死は治癒できないんだからね!」


 レスベラはすぐさま起き上がり、刀を構える。


レスベラ「わりい。気をつけるわ。」


 カチ上げでアゴが上がったネイシアの首に、

うまーるが張り付いていた。

 うまーるは、ネイシアの頸動脈に

火雷を押し当て、全力で電撃を浴びせた。

 一瞬であったが、ネイシアは硬直した。


 ネイシアは戻って来た乾坤圏を受けられず、

両手と顔に切創を負う。


 自爆で悶絶するネイシア。

 うまーるはネイシアの真後ろに立ち、

自作の弾丸を両手で摘み、狙いを定める。


 うまーるは、ドワーフの砦での買い物で

金物屋に行っていた。

 目的はレールガンで使えそうな鉄製品であった。


 うまーるは雷が効かない相手に出くわした場合の

ことを考えて、ヌルに相談していた。

 ヌルの答えは、運動エネルギーの話であった。

 うまーるが練習していたレールガンと、

銃の原理の話をヌルはわかりやすく解説した。

 その解説を元に、うまーるが自作したのが

今回の弾であった。


うまーる「ローレンツ・ショット【星】」


 うまーるが狙ったのは、

太く強靭なネイシアの脚であった。

 うまーるが放った弾は、

ネイシアの膝の裏に命中した。

 命中した瞬間、弾の先端は潰れ、

星☆のような形になった。

 体内に刺さる事なく、

弾丸は全ての運動エネルギーを

ネイシアの膝の裏に放出した。

 その威力は凄まじかった。


 地球では、そのあまりの殺傷力に

使う事を禁止している国が多い、【ダムダム弾】と

同じ原理であった。

 銃弾は貫通するよりも留まる方が

受けるダメージは大きいのである。

 うまーるは、購入した針金を丹念に織り込んだ。

 それはまるで花の蕾のように、

花弁が折り畳まれたような形状であった。


 ネイシアの硬すぎる皮膚が災いした。

 膝カックンの要領で、

ネイシアは後ろに倒れそうになる。

 体勢を立て直すべく、

前屈みに重心を持っていったネイシアの後頭部に、

クルムの蹴りが炸裂した。


クルム「今、楽にしてあげるわ。」


 これにはたまらず、ネイシアは前に倒れた。


 そこに待っていたのは、レスベラの刃であった。

 倒れるネイシアに、

レスベラは持ち上げるような動きで

斬撃を繰り出す。

 ミヅハノメの先端は一度、

床に刺さり引っかかった。

 これにより、ミヅハノメは弾性を得た。

 抜刀術における、鞘走りのような効果だ。

 床に一度触れたミヅハノメは床から解放されると

同時に超加速し、ネイシアを斬り裂いた。


レスベラ「酒乱一刀流【迎裂・むかいざけ】」


ネイシア「バカなぁ。必殺の【乾坤六擲】で、

     武の四天王にまで昇り詰めた俺がぁ。

     こんなところで小娘どもにぃ……。」


 ネイシアは倒れた。


クルム「ふぅ。

    このデカブツ、出血と脱力の毒を

    しこたま飲ませてコレだからね。

    次のカバは起きてるだろうし、

    次はこうはいかないわよ。」


 少し気が緩んでいた、うまーると

少し浮かれていた、

レスベラの表情に緊張感が走る。






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