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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第一章 戦う理由
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7 魔王の缶詰作戦

7 魔王の缶詰作戦


ーー王城、玉座の間ーー


 国の重鎮たちによる、重要な会議の場

 大臣の言葉に驚愕するヌル。


ヌル(不死の魔王は倒せないっ!?

  どーすんの!?

  俺が剣聖とかになって、

  カッコよくブッ倒すんじゃないの!?)


 防衛大臣・タスクは話を続ける。



大臣「ならばどうやって魔王の脅威に

   対抗するのか?


   それは、封印です。

   王国は長い間、

   封印スキルを持つものを探してきました。

   そしてついに、今年度の新成人の中に!

   封印スキルを持つ者が現れたのです!


   あちらにいる女性こそが、

   世界を救う封印の勇者!


   チュートリ村の【ナナ・オサジミ】!!」



 会場から歓声が上がる!


「うおおお!」


「勇者誕生だ!」


「おお……神よ……!」


 ヌルは動揺した。


ヌル(まじか! まじで!?

  ナナが勇者かよ!!

  俺が釈放されたのはなんだ!?


  勇者の仲間か!?

  戦士でも魔法使いでもなく、

  勇者の仲間の魔王の手先!?


  それでいいの!?)


 ざわめく会場。

 大臣が話を続ける。


大臣「今年度の新成人は、

   珍しいユニークスキル持ちが4人もいます。

   これは不死の魔王を討つ好機!

   というわけで魔王討伐作戦を立てました。

   よく聞いてください。


   勇者様は聖なる力が働いているのか、

   実は、鑑定が阻害されております。

   断片的な鑑定を繋ぎ合わせ、

   予測で組み立ててみました。

   封印の勇者様のスキルは、

   【缶詰マスター】

   缶や瓶などの空き容器に、生物を含む

   色々なものを封印できる、というものです」



 会場が大きく騒つく。


 「缶詰……!」

 「なるほど! それで魔王を……!」


大臣「缶や瓶などのフタのある容器に、

   任意のもの

   〈レベル1では100グラムまで〉

   を封じ込めるスキルです」



 熱かった会場が静まりかえる。


(((100グラム!? 無理だろ!!)))


 ヒソヒソと悲嘆の声が囁かれる。

 静まり返った会場に、大臣の声が響く。


大臣「非戦闘スキルのため、補佐が必要です。

   その補佐を3人のユニークスキル新成人と、

   騎士団長と賢者殿にやっていただく。


   まずは魔王の手先を持つ、ヌル。

   そなたのスキルは鑑定の結果、

   驚きの3種類。


   ①【魔王の威を借る者】

    一部の人間以外の生物〈モンスター含む〉  

    や魔王の配下と意思の疎通ができる。


    ②【お前の物は俺の物。ちょっと貸せよ】   

    戦闘で死んだ敵と味方のスキルを一つ

    譲り受け、1度だけ使用できる。


    ③【魔王の手先】

    同族である魔王の配下や

    魔物の攻撃対象にならない。

    仲間と認識させる。

    ただし、範囲攻撃の巻き添えはくらう。


    というもの。

    3つのスキルを授かるのは、

    さすが英霊様といったところか。

    このスキルを是非、

    世界のために役立てて欲しい」



 会場が完全に静まる。


 。。。



大臣「続いて、クシマ村の【ナーガ・ポワロー】  

   そなたのスキルは【強奪】」



 会場が少し騒つく。


 「おおお……?」


 「なんだ? 敵の武器を奪うのか……?」



大臣「レベル1では、神の見えざる手が

   相手〈同性に限る〉が身につけている物を

    一つだけ奪うことができる。


    というものだ。」



 会場はまた盛り下がる。


(((魔王が男だといいな……)))



タスク「続いて、王都ケンチョーの

    【オニオ・リヨネーズ】


    そなたのスキルは【タイムマスター】」


 会場が大きく騒めいた。


「うおおお!」


「すげえ!!」


「タイムマスター!! 時の支配者か」



防衛大臣「レベル1では、1日に1回だけ1秒の時を

     止められる。


     というものだ」



 またまた会場の空気が冷える。


(((うわぁ…微妙じゃね?)))


 名前を呼ばれた4人が大臣の前に並び、

皆にお披露目となった。

 ヌルは初めて見る旅の仲間になる2人を見た。


 ナーガはけっこう大きめで、

身長が180cmくらいある。

 そして細い。

 細長く、真ん中で分けた髪型もあり、

影がまるで長ネギである。


 オニオは、ヌルと同じ150cmくらいだが、

太っている。

 髪型はショートでトンガっている。

 頭の部分の影がもう、タマネギそのものである。


ヌル(スキル凄いみたいだけど、弱そうだな。

  大丈夫かコレ……)


タスク「大まかな作戦としては、

    まず攻撃を受けないヌルが、

    タンクとして魔王の攻撃を受け止める。


    ナーガは魔王の魔力供給の元である、

    【邪神の指輪】を奪う。


    オニオは時を止めるなどして、

    魔王の行動妨害をする。


    騎士団長と賢者殿で勇者殿を守る。

    勇者殿のスキルで魔王を封印する。

    というものだ。


    名付けて【魔王の缶詰作戦】!!!」



挿絵(By みてみん)



 ナーガが手を挙げて質問した。


ナーガ「ちょっと質問なんすけど、

    邪神の指輪ってなんだべよ?

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