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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第四章 2つの人魚国
68/138

68 ソナ覚醒

68 覚醒したソナ。

   



 


ヌル「外殻が透明な巨大ザリガニだ!!

   みんな気をつけろ!!」


「ギィイイイイイイイイイイイイ!!」


 ザリガニが突如、大音量で鳴いた。


 よく見ると、ザリガニの体に

タコの足のような触手が絡まっている。

 ザリガニは水の中に引きずり込まれていった。


 その様子を見ていたヌルに戦慄が走る。


ヌル「あの強かったザリガニが、

   一方的に食われる存在。


   アレがこの洞窟の食物連鎖の頂点か。

   そしておそらく、秘宝を守る番人。

   泳いで秘宝を入手しようとする者は

   捕食される。


   正統な後継者である、

   セイレーンのように飛べないと

   秘宝を入手できないようにって、コトね。


   しかし、淡水の頭足類?

   まさか、存在したのか!?


   オクラホマ・オクトパス!!」


クルム「秘宝を手に入れるには、

    あの化け物が潜む湖面を

    渡らなきゃいけないのね。」


うまーる「タコさんのクチバシは

     硬くて鋭いんだよ!!」


ヌル「俺がフライボードで

   取ってくるしかないか……。」


レスベラ「待ってくれよ。

     水のタラリアを履いたアタシなら、

     タコと戦いながら歩いて行けるよ。

     任せな!」


レスベラは、右手を突き出し、親指を立てる。


ヌル「大丈夫なのか!?」


レスベラ「ちょっと行ってくる。」


 レスベラは歩き出した。

 岸から水に渡っても沈む様子は無い。

 歩きにくいのか、やがてアメンボのような

 動きになる。


 走るというより、滑走している。

 まるでアイススケートのようだ。

 レスベラは人魚の国での戦いで、

アイススケートをマスターしていた。


レスベラ「コレすげー!

     マジで水の上を歩けるわ!


     水の上を全力疾走するのは

     すげー疲れるんだけど、

     コレあると楽ちんだな!!


     おっ! 来やがったな!!」


 水面を突き破り、触手がレスベラを襲う。


 レスベラはジャンプで躱すと共に抜刀し、

1本の触手を切断した。

 華麗に後方宙返りで着水する。


 2度、3度と触手がレスベラを襲うも、

レスベラは華麗に躱し、触手を切り落とす。


 レスベラのその動きは、

まるでフィギュアスケートのようだ。

 また、フィギュアスケートでは禁止されているアクロバティックな前宙やバク宙もキメている。

 その運動能力は、元々人間離れしていたレベルの更に上を行く。


ヌル「踊り……というよりは、体操に近いか?

   オリンピック選手も真っ青になる

   運動能力だな。」


 触手を斬られ怒ったタコが

水面から現れ、その全容が明らかになる。


 細長く尖った巻き貝のような殻。

 一見、イカを思わせる容姿だが、

触手の数は多く、動きはオウムガイに近い。


ヌル「絶滅動物……エンドセラス!?

   いや、それより大きいか!?」


 ぱっと見で、その殻の長さは軽く10メートルを

超えていた。

 触手も長く、全長30メートル級はあろうか、

という大きさだった。


 オウムガイの仲間なら、100前後の

触手がレスベラを襲うも、

レスベラは華麗に躱し触手を斬り続ける。


 怒ったタコは水を吸い込み、

レスベラに向けて高圧の水を噴射した。


 しかしレスベラは、

蹴りで軽々と水のブレスをあしらう。


 巨大タコは、勝てないと悟ったのか

水に潜り姿を消した。


レスベラ「コイツ魔王軍じゃないから、

     トドメ刺さなくていいんだよナ?」


ヌル「……うん。いいと思う。」


クルム「いよいよ人間みが無くなってきたわね。

    あのゴリラ。

    てか、ゴリラに失礼だわ。

    あのバケモノと一緒にしたら。」


うまーる「ほええ〜。

     凄いんだよ。

     水の上を自由に……。

     かっこいい……。」


 ソナは目を丸くして固まっている。


ヌル(アレは……。

  リヴァイアサンも涙目になるんじゃね……。)


 レスベラは、光が指す方に歩き出す。

 そして湖面から突き出た岩場から

小さな宝箱を持ち帰った。


 早速、宝箱を開けてみる。

 そこには、長さ20センチほどの

ホネガイによく似た貝が入っていた。


ヌル「これが、十至珍宝【鳴鳥の子守貝】か。」


 ヌルは、ソナに子守貝を渡す。

 貝を受け取ったソナが輝き出した。

 光が収まったソナを見た、4人は驚いた。

 ソナの変貌ぶりに。


 ソナの背中には、大きな白い翼がついていた。


ソナ「わ……あ……

   あ。わたし、喋れる。声が出る……。」



 ソナは、セイレーンだった。



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