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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第四章 2つの人魚国
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62 パイオーツ・おぅふ・カリイヤアン〜悪いオジサンと偽りの恋人ゴッコ・騙される男②〜

62 パイオーツ・おぅふ・カリイヤアン〜悪いオジサンと偽りの恋人ゴッコ・騙される男②〜


 ヌルは走った。ひたすらに走った。

 そこにあるのは【男のロマン】

 ただ、それだけである。


 兄貴たちに聞いたその場所は、

人通りの少ない路地裏にあった。


 店の看板は無く、店の前に呼び込みのオジサンが

1人立っているのみだ。


 オジサンがヌルを見て、声をかける。


オジ「……お遊び、いかがですか。

   カワイイコいますよ……。」


ヌル「旅で知り合った人魚のお兄さんから

   聞きました。

   ここが、POC〈隠語〉ですか?」


オジ「そうですよ。

   一生の旅の思い出になりますよ。

   いかがですか?」


ヌル「お、おいくらですか?

   時間とかシステムとかは、

   どうなってますか?」


オジ「45分3000イヤンですよ。

   時間内なら何発でもOKです。」


※1イヤン=約1円


ヌル(安い!これは経験上マズい予感がする。


  相手がほとんど見えない程、

  まっ暗い店でカーチャンくらいの

  年代の人が出てくる店とかあるからな。

  ソファから見える位置にモニターがあって、

  そこでAVを見て勃たせ、

  してもらうスタイルだ。


  しかし、ココは兄貴たちのオススメだ。

  信じるしかない!)


  「お願いします。」


 ヌルはオジサンに案内され、店内に入る。

 待合室に入る前に、トイレの場所を案内された。

 ヌルはトイレを済ませ、洗面台をチェックする。

 女性モノっぽい歯ブラシや、うがい薬がある。


 高揚し、ヌルの心拍数が上がる。


 ヌルが待合室に入ると、

1人の人魚のお姉さんが待っていた。

 金髪の欧米系白人のような美女だ。

 貝殻からこぼれそうな巨乳。

 女王に劣らないスタイル。

 身長は170くらいあるだろうか。


ユーキ「ユーキと申します。

    本日はご利用ありがとうございます。


    当店はお客さまに目隠しをしていただく

    システムとなっております。

    こちらをご使用くださいね。」


挿絵(By みてみん)


 ヌルはユーキから受け取った目隠しをつけた。

 ユーキはヌルの左手を掴み、

隣の部屋へと案内する。


 ユーキは、機械のような魔法具を起動した。

 音声が流れ始める。

 ユーキと同じ声だ。


 ユーキと名乗った女性の変身魔法が解けた。

 なんと、ユーキは呼び込みのオジサンだった!


 魔法具から音声が流れる。


音声「では、服を脱がしていきますね。」


ヌル「はい!」


 ヌルの服を脱がせるオジサン。


オジ(なんだこの服?

  すげえ脱がせにくいな。めんどくせー。)


 ヌルが着ていた河童の鎧は、

防具としての性能を重視するあまり、

服としての実用性は皆無だった。


 オジサンに服を脱がされたヌルは、

浴槽へと導かれる。


音声「あわてず、ゆっくりね。

   転んじゃうからね♡」


ヌル(シャワー的なモノはないんだな。

  これからどうなるんだろう?)


 目隠し効果はバツグンだ。

未知の世界へのワクワク感しかない。

しかし現実は厳しい。

オッサンに弄ばれているだけである。


 オジサンは左手でヌルの右手首を掴み、

誘導し、とある貝に触れさせる。


音声「ねえ、触って。」


 その貝は帆立のような貝殻から、

身が大きくハミ出した異様な見た目の貝であった。 人魚国名物、『パイオーツ貝』である。


 ヌルは誘われるまま、貝に触れた。


ヌル(こ、これが人魚のπ乙!

  ちょっとヌルっとするけど、フカフカだぁ。)


 パイオーツ貝の弾力は、

たまらない触感であった。


ヌル「か、貝殻に指を入れても?」


音声「優しくね。爪たてちゃダメだよ♡」


ヌル「はい!」


 ヌルは、おそるおそる貝殻の内側に指を入れた。


ヌル(なんかコリコリするのがある。

  コレが人魚のB地区!!)


 パイオーツ貝は、驚いたのかビクッと動いた。


ヌル(ふおおお!敏感ダァ!)


音声「ねぇ。こっちも触って?」


 オジサンがヌルの右手首を掴み、

外側がナマコのような

イソギンチャクに触れさせる。


これも人魚国名物、

『カリイヤアンギンチャク』だ。

 ヌルの左手には、パイオーツ貝があてがわれた。


 ヌルはカリイヤアンギンチャクの口に

中指を入れた。


 驚いたカリイヤアンギンチャクが、

キュッと締まる。

 中の無数の触手がウネウネと絡みつく。


ヌル(こ、これが人魚の満P!!

  すげえ!まるで生き物みたいだ!!)


 そりゃそうだ。生き物である。


音声「ねぇ、もう挿れてもいいかな?」


ヌル「ふ、ふぁい!!」


 興奮と緊張でヌルの声が上擦る。


 オジサンはヌルの珍宝にカリイヤアンギンチャク

を押し当てる。

 ズプッと先端が入り込む。

 そのまま、ヌププっと奥まで押し込まれた。


 ヌルは今まで経験したことの無いほどの

快感に溺れていた。


音声「はあぁ……んっ♡」


 魔法具から、甘い吐息が漏れる。


音声「動くね。」


 オジサンはカリイヤアンギンチャクを

前後に動かしはじめた。


ヌル(こ、これは!マズい、もう保たない!!


  てか、これ、ゴム着けてないし、マズくね?

  いいのか?てか、もうだめ、ああっ!!)


 オジサンの動きが速くなる。




ヌル「おぅふっ……。」




 ヌルは果てた。

 全身のチカラが抜けていく。

 オジサンは余韻を楽しむ、賢者モードのヌルを

放置し、また変身魔法を使い、ユーキとなった。


 ユーキは、カリイヤアンギンチャクを引き抜き、

パイオーツ貝とカリイヤアンギンチャクを隠した。

 そして、ヌルの目隠しを外した。


ユーキ「お兄さん、またキテネ♡」


 ユーキはヌルの頬にキスをすると、

浴室から出て行った。

 浴室から出たユーキは変身魔法を解き、

オジサンに戻る。


 服を着たヌルが浴室を出ると、

オジサンがタバコを吸っていた。


オジ「お客さん、いかがでした?」


ヌル「最高でした!また来ます!!」


 ヌルはフラフラと街へ向かっていった。


オジ「まいど。」


   (観光客、最近少ねーなー……。

   さっきのは、フレゴリ兄弟の紹介か?

   紹介手数料500イヤンか。

   痛てー出費だな…。)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 一方、ヌル達が負傷者を運んだ修道院では

異変が起きていた。


 運ばれた負傷者と、手当をしていた修道士

3人のうち2人が殺害されていた。

 修道院は火がつけられ、黒い煙を上げていた。


 残りの修道士1人がフラフラと街へ出ていった。

 そのフラフラした修道士が、

短剣で次々と、火事を見物していた通行人に

斬りかかった。


「通り魔だー!」

「逃げろー!!」

「衛兵に連絡だ!!」


 修道院前の広場がパニックになった。


 複数の男性が協力して、暴れていた修道士を取り押さえた。

 しかし、暴れていた修道士を見ると、

何故か死亡していた。


 数分後また別の人物が通り魔となり、

通行人を刺し始めた。

 新しい通り魔を、2人の兵士が取り抑えるも、

また通り魔は死亡していた。

 さらにその数分後、兵士の1人が通り魔となり、

もう1人の兵士と戦闘になった。


 ヌルは偶然、近くの調理器具の店にいた。

 悲鳴を聞いたヌルが現場に急行する。


ヌル「敵襲!?

   白昼堂々と、しかも城下町の中心部に

   イキナリか!?


   王都ケンチョーのように

   転送魔法で攻め込まれたか!?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 火事と通り魔の一報は、王宮にも迅速に届いた。


 ヨーリー、ともっちょ、アッチ他、

騎士達も街へと急ぐ。


ヨーリー「どうなっておる!?

     買収された民間人なのか?」


 2本足モードで駆けるヨーリー。

 眉間に皺が寄る、ブチ切れモードだ。



 城下町の入り口や、ポセイドン像付近の

兵士たちも煙が上がる中心部に向かい走る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 うまーる、レスベラ、クルムの3人は、

城下町の入り口に近い商店街で

食べ歩きや買い物をしていた。


レスベラ「事件か?」


クルム「さっきの仲間が攻め込んだのかも。

    行くわよ。」


うまーる「建物が燃やされてるんだよ。

     血の匂いもする。」


 3人は慌てて走る兵士たちを見る。

 その後ろを追いかける。

 兵士たちが向かう先には黒煙が立ち昇る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 その頃、

ビーチから魔王軍が上陸を開始していた。


 突如現れた、巨大な海竜。

 その背に乗る異形の女。


 海から現れた4体の巨大生物が、砂浜を歩く。

 その姿は

巨大オニヒトデ、巨大シャコ、巨大エビ、巨大カニであった。


 巨大オニヒトデは、

紫色でウニのように全身が長い棘で覆われている。


 巨大シャコは七色の極彩色だ。

 両拳は丸く、真球に近い形をしている。


 巨大エビは右のハサミのみ異様に大きい。

 そのハサミは、ほぼ長方形のような形だ。


 巨大カニは、本来ハサミである腕の先端が

イソギンチャクのような

たくさんの触手になっている。

 巨大生物は、いずれも

体長3メートル近くに及ぶ。


 ビーチには、たくさんの人魚族がいた。

 こちらもパニックになり、悲鳴を上げながら

散り散りに逃げる。


 巨大なエビが、異様に大きな右手のハサミを

開き構える。

 そのハサミは水を纏っている。


 エビがポセイドン像に向けて、

勢いよくハサミを閉じた。


 硬いモノ同士が激しく衝突する大きな音が鳴り、

眩く光った。

 エビの右手が纏っていた水が無くなっていた。


 急激な加熱により膨張したポセイドン像が、

ミシミシと音を出して軋む。

 そこへ、海竜が強烈な水のブレスを浴びせた。


 急激に冷やされ収縮したポセイドン像は、

バキバキと音を立ててヒビが入る。


 巨大なシャコが拳を引き構え、タメる。

 シャコがポセイドン像に向けてパンチを放つと、

眩く光り、弾け飛びながら粉砕する

ガラスのような大きな音を出し、

ポセイドン像は粉々に粉砕された。


女「ハーッハッハー!今日で人魚族は滅びる!!

  ヨーリーの首を獲った者は

  大幹部だねェェェェ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ーー人魚国から遠く離れた海ーー


 大きなブルーホールの中心から、

マッコウクジラのような怪物が顔を出す。

 額にはイッカクのような角がある。


 それを囲むように魔王『マハル』と

魔王軍の精鋭が配置されている。


 裏切りの賢者ギリー。

 巨大な黒いライオンのような戦士。

 屈強な、カバ、キリン、ゾウ、クマ、

ヘラジカの獣人戦士。

 全身毛皮のコートに包まれたような女狐の獣人。

 黒い牧師風の男。

 小さな老人のような魔道士風の男が3人。

 3人の中には、レイドの姿もある。


 それらが、山のように巨大なイカや、

巨大ウツボ、飛竜の上に立っている。



マハル「リヴァイアサンだな?」


 マハルはマッコリクジラのような

巨大な怪物に問う。


 リヴァイアサンと呼ばれた

マッコウクジラのような怪物が答える。


リヴァイ「ワシの封印を解いたのはお前か。

     礼は言わぬぞ。」


マハル「礼など要らぬ。我の配下になれ。」


リヴァイ「指輪に選ばれし者か。

     しかし人間などの

     配下になるわけがないだろう。」


マハル「ならばチカラでねじ伏せるのみだ。

    異論は無いであろう?」


 マハルは、レイピアのような細身の剣を抜く。


リヴァイ「ほう。

     魔王の座と指輪を届けに来たのか。

     殊勝な心掛けだな。」


マハル「我に勝てたら全てくれてやる。」


 マハルが剣を構える。


リヴァイ「たった1人で闘うつもりか?

     周りにいるのは見物客か?」


マハル「勘違いをするな。

    お前を逃さないための布陣だ。

    ではゆくぞ…。尋常に勝負。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ビーチ近くの広場から、

ポセイドン像が粉砕する大きな音が響いた。

 また、魔王軍の襲来により、

多くの人が悲鳴を上げ、ビーチから逃げ出した。


 その音や悲鳴を聞いた、

うまーる、レスベラ、クルムの3人は足を止める。


クルム「海から敵襲ね。どちらに向かうべきか。


    ……ビーチよ。

    街中広場には王宮の騎士が

    向かってるハズ。」


レスベラ「わかった!任せろ!!」


 レスベラがビーチへ向けて全力疾走する。


 うまーるも帯電し、全力で走る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ーー修道院前広場ーー


 ヌルが到着すると、

通り魔騒動は収まっているのか、

犯人らしき者が見当たらない。


 倒れている人が10人ほどいた。


 大きく口を開き倒れた者、

背中や胸から流血し倒れている者がいる。


 ヌルが倒れている人を見ると、

1人はまだ息があった。

 流血無しで倒れている4人は、

大きく口を開いたまま絶命していた。


 流血している者も、

勢いよく血が出ている者はいない。

 即死に近い状態だ。


 ヌルは息のある1人に話しかけた。

 それは、通り魔となった兵士と

戦った兵士であった。


 負傷者をうつ伏せに寝かせて顎を上げ、

気道を確保する。


ヌル「大丈夫ですか!?」


 ヌルはペチペチと

負傷者の頬を叩きながら話かける。


兵士「……ううっ。気をつけろ。

   通り魔は伝染する。

   まだこの広場にいる……。」


 ガクッと意識を失う兵士。


ヌル(伝染する?操作されているのか。

  操作されている者への攻撃は避けたいな。

  操作している敵を見つけだし、倒さなければ。)


 そこへ、ヨーリー達が駆け付ける。


 そのとき、

海岸の方から大きな音と悲鳴が聴こえてきた。


ヨーリー「ヌル殿!これは、どういう事態だ?」


 ヨーリーはとても真剣な表情だ。

 王宮で会った痴女とは別人のようである。


ヌル「敵は、人魚族の民を操作して

   通り魔に仕立て上げ攻撃しているようです。

   まだ、

   この付近に身を隠しているようです。」


ヨーリー「アッチと騎士団の半数は

     海岸の方を任せる。

     残りの騎士と、ともっちょは

     私とここで賊を迎え撃つ。」


 アッチと騎士団が、海岸へと向かい走ると、

すれ違いで海岸から来た兵士が

ヨーリーの元へ駆け寄る。


兵士「ヨーリー様、大変です!

   封印の守護像が

   怪物たちにより破壊されました!!」


 ヨーリーの顔色が変わる。


ヨーリー「並の武具では傷さえ付かぬアレが……。

     

     ……そして

     リヴァイアサンが解き放たれた……。」











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