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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第一章 戦う理由
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5 転生しても魔王の手先だった件

5 転生しても魔王の手先だった件


ーー王城・成人の儀会場ーー


 鑑定神官の前で頭を抱えて絶句するヌル。


ヌル(や、やめてえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇl!!

  転生した異世界でも、

  【魔王の手先】かよおおおォォ!!)


 ヌルは心の中で絶叫した。


 話は30分前に遡る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーー王都入り口ーー


 王都に辿り着いたヌルとナナ。


 王都の風景は村と違い、

石造りっぽい大きめの建物が目立つ。

 レンガ造りっぽい建物もある。


 街並みは中世のヨーロッパ風だ。

 村と違い、人口も多い。

 通りは人だらけである。亜人も多い。

 ヌルの倍くらいある、大きさの人もいる。

 服装は様々である。

 麻っぽいのは平民のようだ。

 シルクっぽいのは富裕層でろう。

 革とか鎧みたいなのは、いわゆる【冒険者】

という輩なのであろう。

 そういう格好の人は、武器も携えている。


 キョロキョロしながら歩く2人。

 田舎者丸出しである。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーー王都・聖堂(鑑定の儀会場)ーー


 2人は王都の聖堂に着いた。


 兵士の数が多く、仰々しい。

 ここ数年、優秀なスキルを持つ新成人が

行方不明になる事件が後を絶たないということで、

 厳重な警備であった。


 王国中から集まった新成人が

たくさん集まっている。

 1000人以上いるだろうか。

 1人ずつ前に呼ばれ、祈りを捧げた後に、

鑑定魔法を使える神官さんのところで

鑑定を受けている。

 神官は十数人並んでいる。


 もちろん、今年度のトップはヌルである。

 100年に一度あるかないかという、

希少な召喚英雄様である。

 皆の期待で重くなる、会場の空気。



ヌル(いよいよか。

  本当は転生したあの日に鑑定した後、

  王国で魔法の勉強とか、剣の稽古とかを

  やる予定だったらしい。


  ただ、俺は断った。


  とりあえず村に帰りたいと。


  ……だって嫌な予感しかしねえもん。

  勉強と訓練まみれの子供時代とかさぁ。


  スキルは気になったけどね。


  一応、村では楽しく過ごしながら

  魔法と剣の修行はしたよ。


  魔法に関しては初級も使えず、

  剣に関しても凡人レベルだったけど。


  きっと、スキルのせいなんだよ。

  スキルが判明してから適切な修行をすれば、

  強くなれるんだよ。)


 ヌルは前向きに考えて生きてきた。


 ヌルは名前を呼ばれた。

 ヌルは女神像に祈った。


ヌル(勇者になりたい!!!)


 祈った後に鑑定神官のところへ行き、スキル鑑定をしてもらうヌル。


 若い女性の神官、キレインがヌルの前で念じる。

 希少な上級鑑定士のようだ。

 上級レベルの鑑定魔法が使える人は、

ごく少数のようである。


キレイン「こ、これは!!

     なんと不吉な!!」


挿絵(By みてみん)


ヌル(えっ、ちょ…不吉??)


 国の重鎮達が騒めく。


 ざわ……ざわ……



キレイン「チュートリ村のヌル・ポインター、

     授かりしスキルは【魔王の手先】!!」


 ヌルは頭を抱えて絶句する。


ヌル(や、やめてええええええええええええ!!

  異世界でも魔王の手先かよおおおおお!!)


 気付くと、ヌルは歌いながら踊り出していた。


ヌル「ガイ♪ ガイ♪ ガイガイガイ♪

   ガイガイガガイ♪ ガイガガイ♪」




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