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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第二章 新しい仲間
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39 十至珍宝〈ジュウジチンポウ〉

39 十至珍宝〈ジュウジチンポウ〉


 聖剣作成の後、深夜まで酒場で過ごした翌日、4人はまた酒場に集まっていた。

 今後の方針を話し合っている。


ヌル「これから先の方針なんだけど、いいかな?

   俺は、まず

   パンダのマーボーさんに会いたいんだ。

   仲間になってくれたら、心強いから。」


 ヌルはマーボーに関して知っている事を、

クルムたちに話した。


クルム「伸びる竹槍の魔法具、

    世界最高の魔法具職人…。


    伝説の魔法具職人【グアン・ダムマン】

    かもしれないわね。その職人。


    そんな伝説級の武器に、

    つかいこなす武力。

    頼りになりそうね。


    パンダの獣人の村か。

    一つだけ、ここから近いとこにあるわよ。


    そのマーボーさんの地元かは、

    わからないけどね。」


ヌル「本当か!クルムは物知りだな!助かるよ!

   どれくらいで行ける?」


クルム「ここから2日くらいかな。

    蓬莱村よ。

    100年燃え続ける山【崑崙山】のふもとの

    村よ。」


レスベラ「ああ、あの辺か…。

     そういや、なんか良くないウワサ聞いた

     な。」


ヌル「100年燃え続ける…石炭か…?」


クルム「とりあえず目的地は蓬莱村ね。

    もしそこでマーボーさんに会えなかったら

    どうするの?」


ヌル「もし会えなかったら、

   強力な武器とか魔法具を手に入れたいな。


   なんかいいのあるかな?」


レスベラ「アタシは、もう1本、刀を欲しいな!

     二刀流じゃないと、調子でねーわ。」


クルム「誰もアンタの武器の事は、

    心配してないわよ。


    2本目なんて木の枝でいいでしょ。」


レスベラ「よくねえよ!

     すぐ折れるのはヤダなぁ。

     地味に金かかるし。」


クルム「折れるのはアンタの馬鹿力と

    腕の問題でしょ!


    とりあえずしばらくは、

    2本目は、その安物で我慢しなさい。」


ヌル「まぁまぁ、落ち着いて、ね?」


 ヌルが2人をなだめる。


ヌル「うまーる。

   そういやキミは猟師だけど、

   道具は何が得意なんだ?」


うまーる「うんとね、木を削って

     モリを作ってたんだよ。」


ヌル「なるほど。

   金さえあればなぁ…。

   面白いの作れそうなんだが。


   なんか売れるのあったかなぁ。」


クルム「武器の前に、

    最低限の防具もなんとかしなきゃね。


    お金は心配しなくていいわよ。」


ヌル「なんでお金の心配いらないんだ?」


クルム「ヌルはレスベラの命の恩人なのよ。

    その恩人に、

    ヒロミチおじさんの古着しか与えない

    ワケないでしょ。」


 服を失くしてフルチンだったヌルは、姉妹の親戚の叔父さんの服を借りていた。


クルム「あとは強力なアイテムも欲しいでしょ?

   【十至珍宝】のことは知ってる?」


ヌル「十至珍宝??」


クルム「奇跡レベルの能力を持つ、

    10の魔法具のことよ。」


 クルムは酒場の本棚をガサゴソしはじめた。

 やがて、一冊の本を持ってきた。

 ラーメン屋にあるマンガ本のように、

それは汚れてボロボロだ。


クルム「あった。コレね。十至珍宝全集。

    要約すると…


    やっぱ面倒だわ。

    自分で読みなさい。」


ヌル「はい。

   えーと…」


 本の中身は表紙以上にボロボロだ。

 とても古い本なのだろう。

 たくさんの人が飲み食いしながら読んだためか、汚れが酷い。

 それに加えて、虫食いや日焼けで、とても読めた物ではなかったが、読める範囲で読んでみた。


ヌル「道返玉…〈ちかへしのたま〉

   離れゆく魂を留まらせる?


   死返玉…〈まかるかへしのたま〉

   死者を蘇らせる?


   足玉…〈たるたま〉

   身体能力を向上する?


   生玉…〈いくたま〉

   活力を与える?


   龍首宝珠…〈りゅうのくびのたま〉

   願いを叶える?


   金剛杵…〈こんごうしょ〉

   雷のチカラを宿す。

   (これは、うまーるが持ってるものだ!)


   イムの御石鉢…〈いむのみいしばち〉

   入れた物の呪いを祓う?


   鳴鳥の子守貝…〈なきどりのこもりがい〉

   言葉を届ける?


   アラクネ比礼…〈あらくねのひれ〉

   空を掴む?


   沖津鏡…〈おきつかがみ〉

   遠くのものが見える?」



 ヌルは本を閉じて本棚に戻した。


ヌル「死者が蘇るとか、魂が留まるとか、

   夢のようなアイテムじゃないか!」


   (しかし、死んでから時間が経った場合とか、

   肉体が無い、とかの問題は

   解決するのだろうか?

   玉?石?に魂が留まる?

   ってどういう状況?)



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜



玉「私!ナナよ!幼馴染のナナよ!

  ヌル、また仲良くしてね!」


ヌル「ナナ!よかった!

   また仲良くできるんだな!

   うおおお!」


コスコスコス


ナナ「ちょっと!ヌル!何やってるのよ!

   それは紐を通す穴だよ!


   いくらヌルのが細くても、

   そんなの入らないよ!!」


ヌル「クッ!

   せっかくナナが珍宝で蘇ったのに、

   おれの珍宝が届かないなんてっ!!」



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


ヌル(やだな…

  とはいえ、

  やっと掴んだ、ナナ復活の手掛かりか。)


うまーる「ヌルお兄ちゃんどうしたの…?」


 うまーるが悩むヌルの顔を覗き込む。


 ヌルがビクっとして正気に戻る。


ヌル「あ、ああ、すまない。

   少し考えこんでた。


   武器じゃないけど、

   こういうのもできるだけ

   入手しておきたいな。」


クルム「このうちの1つは、

    既に私達が持っている

    ことになるわね。


    残りの物に関しては

    世界中を旅すれば見つかるんじゃない?


    宝物ってくらいだから、

    後生大事に祀られたりしてるでしょ。」


レスベラ「所在がわからないんじゃなぁ、

     雲を掴むような話だな。」


うまーる「これ(金剛杵)こんな凄いモノ

     だったんだね。


     無くさないように、

     気をつけなきゃなんだよ。」


ヌル「とりあえず、皆んなで商店街に行こうか。

   装備の他に、回復アイテムや、

   小道具に保存食、スパイスやハーブ、

   調味料なんかも欲しいよな。


   ほんとにお金もらえるの?」


クルム「正式な形は後日になるでしょうから、

    とりあえずウチが立て替えるわ。


    ヒロミチ叔父さん払いで

    欲しいだけ買いましょ。」


レスベラ「よっしゃ!

     おやつと酒も、

     たくさん買わなきゃな!」


 4人は武器屋へと向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ヌルは皮と鉄でできた軽鎧に、片手剣と小楯を

買ってもらった。


レスベラ「ヌルは剣も使えるのか!

     よし!アタシと勝負しようぜ!」


ヌル「無理だよ!死ぬわ!」


レスベラ「大丈夫!使うのは木剣だよ!」


ヌル「ひいい…

   ちょっと待ってくれ!

   うまーる用の武器を注文したい。」


レスベラ「そっか。仕方ねえな。」


 ヌルは武器職人に相談した。


ヌル「2本の鉄の槍を加工して、

   作って欲しいものがあるんですが。」


職人「ん?いいけど、

   アンタ自分で作れるんじゃないのかい?」


ヌル「他人のスキルは一回しか使えないんです。」


職人「そうなのか。いいぜ。

   どんなのが欲しいんだ?」


 ヌルは、紙に書きながら説明した。


ヌル「長さはこのメイスの半分くらいで、

   1本は先端の刃だけを切って…

   余った端材で、

   コレより小さいバックラーも。」


職人「ふんふん…。なるほど。

   見たことない槍だな。

   こんな攻撃力で武器として使えんのかい?」


ヌル「はい。

   相手を気絶させるための武器になります。

   使いこなせるのは多分、ウチの

   うまーるだけでしょうけど。」


職人「わかった。急ぐんだろ?

   2時間でやるぜ。」


ヌル「お願いします!では2時間後に。」


レスベラ「よし!道場行くか!!」


クルム「うまーるは、私と買い物行こうか。」


うまーる「うん…。

     ヌルお兄ちゃん大丈夫かな?」


クルム「さすがに殺されないから大丈夫よ。

    死んだ元婚約者いないし。


    顔の形は変わるかもしれないけど。

    イケメンになれるといいわね。」


ヌル「まじか…」


レスベラ「大丈夫だよ!

     ちょっと久々に、

     マトモな稽古になりそうで嬉しいぜ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 道場に着いたレスベラとヌル。

 レスベラは短めの木剣2本を選んだ。


 様々な訓練用の木製の道具がある。

 ヌルは短めの木剣と盾を選んだ。


 レスベラ「じゃあ、行くぞ!」


 ヌル「お手柔らかにね!」


 レスベラは、勢いよく床を蹴る。


 一瞬で間合いが詰まる。


 ヌルはレスベラの右手に注目する。


ヌル(速い!なんて踏み込みだ!!

  しかし妙だ。

  腕を振り上げてからの攻撃が遅い気がする。)


 次の瞬間、いきなり盾に衝撃が走る!


 バガアアアアン!!!


ヌル(え?攻撃が見えなかったぞ!?)


 あまりの振り下ろしの速さに、

ヌルは目で追いきれない。


ヌル(リーチが長い、レスベラを攻略するには、

  攻撃の直後がチャンスなハズなんだが。)


 右手の攻撃の直後に左手の攻撃が来る


ヌル(速すぎる!

  てか、なんかおかしいぞ!

  攻撃の直前、動きが止まって見える。

  そしてその後の攻撃が速すぎて見えない!)


 ヌルは受けるので精一杯だ。

 というより、

何故受けられているのかわからない。


レスベラ「そろそろ、目が慣れてきたかい?

     本気出すぞ!」


ヌル(まじかよ!

  俺が受けてたと思った攻撃は、

  レスベラが俺の盾と剣に当ててたのか。


  でも、1つわかったことがある。

  レスベラの攻撃力は、弾性によるものだ。

  例えるなら、縮んだバネが元に戻るような。


  そして遠心力。

  長い腕からの、大きな動作の一撃が、

  とんでもなく重い!!

  

  そして、その【タメ】と、リーチのスキを

  無くすための二刀流か。


  よく考えられてるよ!)


レスベラ「うおおおおお!」


 レスベラの攻撃が勢いを増す!


ヌル(見てからじゃ間に合わねえよ!!

  攻撃される箇所を予測して、

  盾や剣を置くイメージだ!)


 バカンッ!バカンッ!


 ヌルが持つ盾は砕け、剣は折れた。


レスベラ「あら。

     木製じゃ、これが限界か。

     しかし、よく今の攻撃を防いだね!

     本気で狙ったんだけどな。


     やっぱヌルはいいね!

     たまにこうして遊ぼうぜ!」


ヌル「もう勘弁して。

   今のが俺に当たってたら、

   この道具みたいに、

   俺の骨砕けてるじゃん…」


レスベラ「大丈夫!

     クルムの回復魔法はすごいんだぜ!!」


ヌル(クルムの回復魔法が無かったら、

  死んでた元婚約者いそうだな…)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ヌルとレスベラは、

クルムうまーる組と合流した。


クルム「あら、顔の形変わってないわね。

    少しはその地味な顔がイケメンになるかも

    しれないと思ったのに。

    意外とやるじゃない。

    ゴリラの相手してケガしなかった男、

    初めてじゃないの?」


ヌル「手加減してもらったんだよ。

   武器が砕けた後に追撃来てたら、

   死んでたよ。」


レスベラ「武器が砕けたのは、

     キチンと受けられたからだけどな!


     ヌルは強かったぜ!

     買い物はどうだった?」


うまーる「たくさん、

     買ってもらっちゃったんだよ。」


クルム「ゴリラも荷物を持ちなさい。」


レスベラ「あっ!やべっ!

     酒と、おやつ買わないと!

     ちと行ってくる!」


クルム「あ!ちょっと!

    逃げたか?」


 レスベラは走り去った。速い。もう見えない。


ヌル「そろそろ、武器屋行ってみようか。」



 3人は武器屋へと向かった。




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