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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第二章 新しい仲間
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38 勇者の子孫なのに婚約破棄されまくった双子の令嬢姉妹、魔王討伐の旅に出ます。魔王討伐を成功させて名声を得たのち、捨てた男達に【ざまぁ】してやります。

38 勇者の子孫なのに婚約破棄されまくった双子の令嬢姉妹、魔王討伐の旅に出ます。魔王討伐を成功させて名声を得たのち、捨てた男達に【ざまぁ】してやります。


 ヌル「【聖剣ミヅハノメ】


    先代勇者の伝説の剣の力を受け継ぐ、

    間違いなく史上最強の剣だ。


    うまーるを助けてくれた御礼だ。

    よかったら使ってくれないか?」


レスベラ「コイツで

     魔王をブッタ斬ればいいのか?」


 刀を掲げるレスベラ。


クルム「魔王だけじゃないでしょ。

    魔王軍全員ぬっ殺すのよ。」


ヌル「えっ?」


レスベラ「あと、アメノウズメは父さんの

     形見なんだけど、

     先代勇者の使った剣じゃないんだ。


     先代勇者の剣は、

     盗まれちまって行方不明なんだよ。」


クルム「【魔剣・七星流転】は、7つの属性の

    チカラが込められていたらしいわ。


    勇者ザトマルは剣と魔法の両方を

    使いこなしたらしいの。


    本人以外、鞘から抜く事さえできない

    魔法具だったのに、

    盗んだバカは何がしたかったのかしらね。


    大盗賊らしいけど。」


レスベラ「とりあえず、呪いをかけやがった奴を

     見つけて半殺し。


     あとは、強くて金を持ってる男探し。


     それと、クルムをもらってくれる、

     甲斐性のある男探し。


     そして、うまーるの兄貴探しに、

     ついでに魔王をボコる旅

     ってのでいいのか?


     いや、どうせ逃げるクルムの旦那探し

     よりも、うまーるの兄貴探しの方が

     優先度高いよな。」


クルム「アンタは自分より強い男とか

    認めないでしょ。


    勝つまでやるくせに。


    69回捨てられた女!


    呪いかけた奴を全殺しと、

    うまーるのお兄ちゃん探し。


    あとは、私にふさわしい男探しのついでに

    魔王殺ればいいのかしら。」


レスベラ「言ったな!

     クルムなんて72回捨てられた

     女のくせに!」


ヌル「69?72?」


クルム「レスベラは69回も婚約破棄された女

    なのよ。


    アタシに勝てたら結婚してやる!ってね。


    求婚してきた男を69人、木剣でボコボコ

    にしたの。


    私は違うのよ。

    72回つまらない男を捨てただけ。」


レスベラ「私の事が好きなの?


     じゃあ、私のドコが好きなのか

     200個挙げなさい。

     制限時間は10秒よ。


     なんて答えられるわけねーだろ!

     そんな事言ってるから、

     結婚できねーんだよ!」


クルム「そのくらいで諦める男なんて

    要らないわよ。


    無理かもしれないけど挑戦する、

    そんな情熱みたいなのを見て見たいけど、

    骨の無い男ばかり。


    アンタこそ、アンタに勝つとか、

    オスのゴリラでも無理よ。

    魔王でも無理なんじゃないの。


    その無駄肉が垂れる前に妥協したら?」


 ケンカになりそうな、

2人の間に割って入るヌル。

 うまーるはオロオロしている。


ヌル「まぁまぁ落ち着いて、ね?

   とりあえず、酒場に戻ろう!

   おいしいお酒でも飲みながら、

   楽しく話そうよ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 一行は、ウグイス亭に移動した。


ヌル「さて、何を頼もうか?」


レスベラ「【くらしっく】の桃色濁り酒を

     冷で!」


クルム「私も同じの。」


ヌル(酒の好みは似てるんだな。やはり姉妹か。)


ヌル「じゃあ、俺もソレください!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 酒場のマスター、くっきーが酒を持ってきた。


ヌル「なんだこれ!美味い!」


くっきー「お客さん、

     この村の特産酒【くらしっく】はね、

     酵母が発酵してる時に

     音楽を聴かせてるんだ。


     ちなみにこの桃色、着色じゃなく天然の

     色なんだよ。

     鮮やかな見た目に、酸味と甘味。

     この村自慢の逸品さね。」


レスベラ「旅に出たら呑めなくなるからな!

     今日はいっぱい飲むぞ!

     くっきー!【うえんでぃ】のラーメンも

     4つ!

     出前で頼むわ!

     支払いはクルムのツケで!」


クルム「アンタが払いなさいよ!

    金が無いのなら、

    その自慢の体で稼いできなさいよ!」


ヌル「ラーメン!?ラーメンあるの!?」


くっきー「やっぱり村を出て行く気かい…。


     ヒロミチさんが聞いたら

     倒れるんじゃないかね。」


ヌル「ヒロミチさん?」


クルム「私たち姉妹の後見人ね。

    私たちの婚約者を探すために

    世界中を旅してるわ。」


レスベラ「アタシのカラダは高すぎてなぁ。

     売れねーわw


     ヌルはラーメン知ってるのか?

     ここのは美味いぞ!

     ちなみにタカキタはソバも美味い。


     ただ、ソバは他の場所でも食えるらしい

     から、今日は名店【うえんでぃ】

     のラーメンかなぁ。


     醤油も美味いけど、

     山塩味も美味いんだぜ!


     なんといっても、あの超極太麺は

     他では味わえないんだぜ!」


ヌル(この村、やっぱり日本から転生してきた

  人が多いんだろな。)


 うまーるはホットミルクを

美味しそうに飲んでいる。

 ずんだは静かに枝豆を啄んでいる。



ヌル「そういや、旅とか言ってたけど、

   もしかして、俺達に付いて来てくれるのか?


   危険な旅だぞ。


   それに、勇者の子孫ってことは、

   この村の重要人物なんだろ?


   お母さんとか、ヒロミチさんに

   相談なく旅はできないんじゃないの?」


レスベラ「お母さんはいないよ。」


クルム「お父さんと一緒に、私達が生まれた日に

    賊に殺されたのよ。」


ヌル「そんなことが…。」


レスベラ「村で最強の戦士だったお父さん、

     同じく、村で最強だった魔法使いの

     お母さんを殺した賊。」


クルム「私たちに呪いをかけた呪術師、

    どう考えても関係あるでしょ。


    相手は恐らく魔王軍。」


レスベラ「ヌルの話では世界は今、

     大変な状況になってる。


     今こそ勇者の子孫の出番じゃね?」


クルム「アンタは強い奴と

    手合わせしたいだけでしょ。


    世界がどうこうよりも、

    私を呪うとか万死に値するわね。


    まぁ世界は私の物みたいなもんだし、

    魔王は早いうちに

    消しておかないとね。」


レスベラ「そういうワケで、

     アタシらはヌルの旅に

     付いて行くよ。


     これからはアタシらが守ってやるさ。」


クルム「ヌルは料理が上手いらしいわね。

    戦いは私達に任せて、

    アンタは私の為に精一杯働きなさい。」


ヌル「本当に、一緒に戦って、くれるのか?

   ううっ。」


 ヌルは泣き出した。


レスベラ「おいおい、どうした?

     泣くなよ、

     いくらクルムの顔が怖いからって。」


クルム「ゴリラ女に言われたくないんだけど。」


ヌル「ううっ。

   また、誰かと一緒に冒険できるなんて。


   一緒に戦ってくれる仲間ができるなんて。


   うまーるを死なせてしまったら、

   どうしようとか。

   マーボーさんと会えなかったら、

   一人であのギリーや、

   魔王と戦わなきゃいけないのか。

   とか、ほんとは不安だったんだ。


   怖かったんだ。


   もし俺が負けたら世界がどうとか、

   ナナを助けられないとか。


   ああああああ!」


 ヌルは泣いた。

 缶の中で涙が枯れた思うほど泣いたけど、

それでも涙が止まらないほど泣いた。


レスベラ「かわいいとこあるじゃないか。

     まだ幼いのにシッカリしてるし強いし、

     無理してんじゃないかって、

     少し心配してたんだぜ。


     これからは、アタシの事を、お姉ちゃん

     だと思って頼りにしていいぜ。」


ヌル「一つだけ約束して欲しいんだ。

   絶対に死なないって。」


レスベラ「私を負かせるようなイケメンに

     会ってみたいもんだわ。


     安心しろよ、イケメン以外は

     ぶっ倒すから。」


クルム「アンタはイケメンの顔でも、

    普通に殴るでしょ。


    ヌル、人はいつか絶対に死ぬのよ。

    そんな約束できるわけないでしょ。


    【殺されるな】って話なら、

    世界が終わるのと同じくらい、

    ありえないから心配ないわよ。」


ヌル「うう。ありがとう、ありがとう!

   うわああああああん!」


うまーる「私は弱いけど、

     みんなの邪魔にならないよう、

     がんばるんだよ!


     よろしくね、お姉ちゃんたち!」


レスベラ「うまーる、

     早くお兄ちゃんに会えるといいな!


     それに、うまーるのお兄ちゃん、

     強いんだろ?


     楽しみだな!」


クルム「うまーるのお兄ちゃん食う気か。

    うまーる、義理のお姉ちゃんが

    ゴリラなんて、要らないわよね?」


レスベラ「ゴリラゴリラ言い過ぎじゃ!

     この毒吐きガイコツ!」


クルム「言ってくれるじゃない。

    この際だからハッキリする?

    どっちが男に好かれる外見なのか。


    勝負よ。


    この旅でどっちが先に男できるか。」


レスベラ「負けねえよ!


     あと、魔王倒して英雄になったらよ、

     アタシらを捨てた男たちに、

     ザマァしてやろうぜ!」


クルム「捨てられたのはアンタだけでしょ。

    まぁ、あのフニャチン共に

    ザマァするのは、いいかもね。」


 酒場は深夜になっても賑わっていた。


レスベラとクルムが仲間になった。




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