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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第二章 新しい仲間
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36 モザイクは高等魔法

36 モザイクは高等魔法


レスベラ「うわあああああああああ!」


 レスベラは目の前のブツがイチモツである事を

認識し、その光景に絶叫し、固まった。


 ヌルはレスベラの絶叫で初めて、

自分がフルチンである事に気付いた。


フルチン「うおっ!?服がねえ!?」


 フルチンは少し考えた。

 フルチンは、モザイク処理の魔法を思いついた!


フルチン「光水風炎複合高等魔法

     【ミラージュ・ヒートヘイズ!】」


 ヌルの象さんのあたりの空気がモヤモヤとし、

お花の映像が映し出された。


モザイク「おい、オッサン!

     よくもウチの子達を

     可愛がってくれたな!

     俺が相手だ!!」


男「なんだこの変態野郎は!?

  お前は奴隷にしてやる!!」


 男がコントローラーを操作すると、

砕けたゴーレムの右腕が再生していく。


変態野郎「ゴーレムか。

     核があるかぎり再生するのか?

     材料はここにある鉄鉱石か。」


レスベラ「そんな…

     お父さんの刀を折ってまで、

     やっと与えたダメージが

     無かったことに…」


ヌル(雷雲を集め、氷の粒をこすり合わせ、

  静電気を溜めるイメージ)


 ヌルが魔力を練ると空に黒い雲が集まる。


ヌル(雷雲の中のプラスとマイナスの

  電荷を分ける。

  プラスは上に、マイナスは下に、

  そしてゴーレムにはプラスの電荷を

  帯びさせる…いくぞ!)


ヌル「雷魔法【落雷】!」


 凄まじい閃光と、耳をつんざく轟音が鳴り響く!


 ドオオオオオン!!


 ゴーレムに雷が落ちた。


男「ぎゃあああああ」


 ゴーレムに乗っていた男が絶叫する。


 男は耐魔法のローブを着ている。

 ダメージは無く、驚いて声を上げたようだ。


 ズウウウン!


 ゴーレムが倒れた。


男「驚かせやがって!

  奴隷はヤメだ!ぶっ潰してやる!」


 ガチャガチャと男はコントローラーを操作するも、ゴーレムは動かない。


男「あれ!?何故だ!?動かん!!」


ヌル「そのデカい鉄鉱石を、

   雷で倒せるなんて思ってないよ。


   雷を当てて磁鉄鉱にしたんだよ。

   磁力で地面の鉄鉱石に貼り付けたんだ。


   もう動けないぞ。覚悟しろよ。

   お前には色々と聞きたいこともあるしな。」


   (空気中の物質を使い、塩酸HCL…硝酸

   HNO3…


   精製が捗らないな…。


   塩素は土壌から集めるか。


   これらのイオンを雲の中の水分に溶かして、

   比率は硝酸1:塩酸3の割合で合成。

   これを雨にして…)


 ヌルは魔力を操作し、

ゴーレムの真上に雨雲を集め、

ゴーレムに向けて雨を照射した。


ヌル「万物創生魔法【王水の雨】」


 ゴーレムは雨に打たれると、泡と煙が出て激しく雨と反応した!


男「あちっ!痛いっ!何だこの雨は!!

  クソッ!

  魔王様からいただいた、

  最新最強のゴーレムが!!

  お前は必ず殺す!!」


 男は素早くゴーレムから離れ、魔法陣を展開した。


ヌル「しまった!!」


 男は転送魔法を使い消えた。



 ヌルは、倒れているレスベラとうまーるに

回復魔法をかけた。


レスベラ「すまねえな。ありがとう。助かった。

     ヌルは強いんだな!

     悔しいが、

     アタシじゃアレは倒せなかったわ。」


 うまーるは目を覚ました。


うまーる「さすが、ヌルお兄ちゃんなんだよ。

     アレを倒したんだね。」


ヌル「うまーる。

   俺が間に合わなかったら、どうなってた?」


うまーる「ごめんなさい。」


ヌル「自分だけじゃなく、

   レスベラまで危険に晒したんだぞ。


   そして、もしも、うまーるに何かあったら、

   残された俺の気持ちはわかるよな?」


うまーる「うん。きっと一生後悔する。」


ヌル「残された人間の辛さは、誰より、

   うまーるがわかってるはずだ。


   これからは、もっと俺を頼りにしてくれ。

   そして、もっと自分の命を大切に、

   慎重に行動してくれ。


   死なないって約束を、ちゃんと守れるな?」


うまーる「うん。」


ヌル「よし。

   あとはクルムさんの居場所だよなぁ。

   あのクソ野郎は逃げちまったし。

   どうしたもんか。」


うまーる「匂いでわかるんだよ。こっちだよ。」


 3人は歩き出す。


 うまーるが嗅ぎつけたのは、岩壁だった。

 一見、わかりにくいが岩肌に隠し扉があった。


 開け方がわからない。

 ヌルは魔法で扉を壊す事にした。



 扉を壊すと、ヌルは中から殺気を感じた。


???「瘴気乃鎌風・壱乃風」


 ヌルが咄嗟に魔法で作ったシールドに、

黄色い風の魔法攻撃が当たる!


ヌル(敵…!)


レスベラ「クルム!やめろ!

     助けに来たんだよ!!」


クルム「あら。

    危うく殺っちゃうところだったわ。」


 現れたのは、銀髪で細身で長身の女性だった。

 目は大きいが一重だ。目ヂカラが強い。

 双子の姉・レスベラとは全然似ていないが、

違うタイプの美人だ。

 着物のような和風の出立ちに

派手な扇を持っている。


 扇の素材は金属のようだ。

 宝石のような物が埋め込まれ、

扇の縁には虹色のフワフワなものが付いている。


クルム「この変態のお友達は誰?

    ついに婚約者と仲良くなれたの?」


 レスベラはクルムを抱き寄せる。


レスベラ「クルム!よかった!大丈夫か!?

     痛くなかったか!?

     血は出なかったか!?」


クルム「うざっ!暑苦しいっ!

    しかも、

    なんでヤラレてるの前提なのよ!」


 クルムはレスベラを突き放そうとするも、

レスベラのチカラは強く、もがいている。


クルム「私がこんなヤツラに

    負けるわけないでしょ。


    わざと捕まったフリしたのよ。

    話を聞いた後に、

    皆殺しにする予定だったの!」


ヌル「皆殺し…」

   (貧弱な妹…?)


 ヌルは隠し部屋の奥の方を見た。


 全裸で腕を縛られ、

さるぐつわをされた男達がいる。

 正座をさせられている。

 誘拐犯の一味だ。


レスベラ「それもそうだな。

     クルムを誘拐できるのは、

     魔王くらいか?」


クルム「ここの人攫いのボスは?」


ヌル「すまない。逃げられた。」


クルム「まぁいいわ。村は大騒ぎでしょ?

    早く帰りましょう。」


ヌル「この男達を連れて帰って、

   取り調べしなきゃな。」


 男達の様子がおかしい。

 ヌルは魔力が暴走しているような気配を感じた。


ヌル「まずいっ!!爆発するぞ!!伏せろ!!」


 ヌルは咄嗟に魔法でシールドを出した。


 ドオオオオオン!!


 人攫い達は爆発し、岩のアジトは崩落した。


ヌル「口封じかっ!」


うまーる「お兄ちゃんの手掛かりが…」


レスベラ「仲間じゃないのかよ!

     酷えことするな!!」


クルム「必要な情報は聞き出した。

    帰りながら話しましょう。」


ヌル「ちょっとゴーレムの様子を見たい。

   アレは確実に破壊して行かないとだから。」


 一行はゴーレムの所まで移動した。


 雨に打たれるゴーレムは半分以上溶けていた。


 倒れていた男たちも自爆させられたようだ。

 飛び散った血だけが残されていた。


ヌル「このゴーレムは、

   もう動くことはないだろう。」


 ヌルは雨を止めた。


 ゴーレムの心臓にあたる部分に、

虹色に輝く何かがある。


ヌル「これは…ゴーレムの核か?」


  (王水でも溶けない耐腐食性。

  酸化皮膜の輝きは虹色で、

  結晶は不思議な形をしている。

  ビスマス結晶のような骸晶だ。)


 ヌルは鑑定魔法を使った。


 鑑定の結果、未知の鉱物であった。


レスベラ「へぇ。鑑定魔法もできるのか。」


ヌル「この鉱山、

   鉄鉱石以外に何が出たかわかるかな?」


クルム「ここはかつて、オリハルコンが産出された

    数少ない鉱山よ。

    ここ最近は、枯渇したんじゃないか

    と言われてるけど。」


 ヌルは周りを見た。


ヌル「すり鉢状の鉱山。

   ここは昔、巨大な隕石が落ちてできた

   場所なんじゃないかな。


   そして、おそらくオリハルコンという金属は

   未知の隕鉄なんだと思う。」


レスベラ「この宝石みたいなのが、

     オリハルコンなのか?」


ヌル「鑑定魔法で鑑たんだけど、謎の石なんだ。

   俺が作れる最強の酸にも耐えたし、


   多分これがオリハルコンと呼ばれる

   金属なんだと思う。


   持って帰ろう。」


 ヌルは虹色の骸晶をゴーレムから取り出した。

 うまーるが貸してくれた布に包み、背負う。


 4人は村に向けて歩き出した。


挿絵(By みてみん)



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