32 cut over
32 cut over
うまーる「ここはね、呪われてるんだよ。
呪われた、星が舞う村」
ヌル(呪い…先代魔王の遺物か!)
「俺ならなんとか出来るかもしれない。
とりあえず、家に入れてくれないか?」
うまーる「え?
うん。ついてきて。」
うまーるは家に着くとヌルを中に入れた。
ヌル「家族は?」
うまーる「お父さんとお母さんは
死んじゃったんだよ。
お兄ちゃんは、
悪い人に連れて行かれちゃった。」
ヌル「そうか。
いきなりで悪いけど、これから見た事は、
他の人には黙っててほしいんだ。頼む」
うまーる「う、うん。」
ヌルはスキル【分身】を使った。
切断された体の一部が、
もう1人の自分になるスキルだ。
ヌルは悩んだ末に鼻毛を抜いた。
抜かれた数本の鼻毛の中から1番長い、
鼻毛の毛根の、
丸い肉っぽいところがどんどん大きくなる!
やがてその肉は赤ん坊のような形になり、
どんどん大きくなるにつれ、ヒト型になる。
30秒ほどで今のヌルと同じ人間ができた。
もちろんマッパである。
鼻毛マン爆誕の瞬間であった。
顔を真っ赤にした、
うまーるは葉っぱを取りに家を飛び出した。
ヌル(葉っぱ要らないんだけどな。)
しかし不思議な感覚だ。
体が2つある。
鏡のように目の前に自分がいる。
目が四つある感じだ。
葉っぱ「やるべき事はわかってるな?」
マッパ「ああ、まかせろ。」
ヌルはスキル【巻き戻し】を鼻毛マンに使った。
巻き戻す時間は42年。
マッパは、倒れた。
それは、植物状態になった少年ヌル
(当時5歳)の13年後の姿だった。
植物状態のまま成長した、生きた肉体だった。
葉っぱヌルは、ものすごい魔力を消費した。
3年間、缶の中で貯めた膨大な魔力では足りず、気を失い倒れるほどの消費だった。
倒れた葉っぱヌルは、う
まーるによって起こされた。
体に力が入らず、動けない。
ヌル「すまない、少し寝させてくれ。」
うまーるは、一つしかない寝床である、
ワラが敷かれた寝台に葉っぱヌルを寝かせた。
倒れた鼻毛マンはマッパだった。
うまーるは、マッパの局部に葉っぱをかけて
床にゴザを敷いて寝かせてあげた。
うまーるは、見かけによらず力持ちであった。
葉っぱヌルは眠った。
葉っぱヌルは夢を見た。
子供の頃の夢である。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
地球で一歳になっばかりの鼻毛ヌル(前世)は、
誰からも教わっていないのに、
すぐに言葉を話せた。
鼻毛ヌルの両親は驚いた。
スキル【巻き戻し】は、
記憶を持ったまま過去に行ける
チートスキルだった。
その対価は膨大な魔力と、2
度と戻れない現世。
その魔力を準備できたのは、
度重なる運命の悪戯であった。
鼻毛ヌルは【天才赤ちゃん】として
テレビなどのメディアに引っ張りだことなる。
まだ一歳の鼻毛ヌルは、両親に釘を刺した。
「将来、海外に留学したいので
金はできるだけ残して欲しい」
と。
売れっ子の子役の親が、
金でおかしくなるのは、よくある話だった。
鼻毛ヌルは猛勉強に励んだ。
勉強の合間に空手と剣道に勤しんだ。
学校での部活は柔道部に所属した。
走り込みや筋トレなどはやらなかった。
ただひたすら、
知識や技の研究に時間を費やした。
鼻毛ヌルは順調に進学した。
トンキン大学工学部から、
念願だったアメリカのナサチューセッツ工科大
へと留学を果たした。
卒業後はアメリカ軍需産業最大手の、
ブーイング社に入社して研究に励んだ。
43歳になった鼻毛ヌルは、ついに決意をする。
鼻毛マン(リバアースでの葉っぱは今、
18歳を迎えた頃だ。
ちょうど缶から解放されて、
星舞村で分身スキルを使ったあたりだ。
そろそろ戻ろう。
魔王を封印し、
ナナを救うための旅に出なければ。
不死の魔王軍は、
現代地球の最先端の知識と技術で倒す!)
鼻毛ヌルは自宅マンションの屋上から
飛び降りた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
リバアース
星舞村で眠りについた葉っぱヌルは目が覚めた。
眠り始めてから、
たった3時間後のことだったが、
とても長い夢を見ていた。
うまーるが水と質素な食事を
用意してくれていた。
それは、
うまーるの数日分の食料であった事を今はまだ、
葉っぱヌルは知らない。
葉っぱヌルにとって実に3年ぶりの食事だった。
とても質素なものであったが、
葉っぱヌルにとって人生最高の食事となった。
最強の料理の条件
【空腹は最高の調味料】なのである。
食事を終えた葉っぱヌルは、立ち上がり、
スキル【英霊召喚】を使った。
倒れていた鼻毛マン(植物状態分身)
が起き上がる。
鼻毛マンの股間に乗せられていた葉っぱが、
床に落ちた。
葉っぱ「夢で見てたよ。やってくれたんだな?」
マッパ「大丈夫だ。
これ以上できないくらい努力したよ。」
葉っぱとマッパは頷いた。
うまーるは葉っぱを拾ったがオロオロしている。
葉っぱはスキル【分身】を解除した。
マッパの体が光となって、葉っぱと一つになる。
葉っぱとマッパの記憶が一つになった。
強いオーラを放つヌル。
しかし姿はほぼ裸で、
葉っぱパンツを履いただけの変態である。
うまーるは、なにが起こったのか理解できずに
床にへたり込んでいる。
いつもの謎の声が聞こえる。
「知識の神【ゴーグルの加護】を獲得しました。
スキル【検索魔法】を獲得しました。
スキル【万物創生魔法】を獲得しました。
スキル【全魔法】を獲得しました。」
今、過去(前世の子供からやり直した自分)と
未来(地球で摂生し生き延びて成長した自分)と
現在(今までの自分を戒め絶望を糧に
前に進んだ自分)が一つになった瞬間であった。
ヌル「よし、とりあえず色々と、
世話になった恩返し しなきゃな。
うまーる、
今のこの村の状況を教えてくれ。」
(これからが本番だ。
不死の魔王を封印し、
この世界のナナを救う方法を
必ず見つけてみせる!!
ついでに、というか、
可能ならアイツラも救いたいな。)
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場面は移り変わり、
謎の書斎で何かを執筆している
若草色の髪の謎の女性が語り出す。
女「賢者ギリーの裏切りにより、
人類の希望は失われたかのように
見えました。
しかし、この出来事は
人類を強くする事になります。
邪神と叡智の神の2つの加護を持ったヌル、
そしてこれから加わる新しい仲間。
[酒場で大ジョッキを豪快に飲み干す、
腰に刀を刷いた派手な女戦士]
[着物によく似た服装に派手な扇を持ち、
日本舞踊のようなものに打ち込む女性]
たちと共に、激化する不死の魔王軍との戦い。
未だ先代魔王の呪いに苦しむ人々の救済。
不利な形勢を逆転するための、
伝説の魔法具の探索。
まだまだ旅は続きます。
【魔王の缶詰の作り方】を求めて。
第一部 ー完ー
読んでくださりありがとうございます。
これにて一部完結となります。
時間はかかりますが、最終話まで頑張ります。
よろしくお願い致します。
ジータ




