31 星が舞う、呪われた村
31 星が舞う、呪われた村
ヌルが入った缶は【アイズ】大陸の
東の海岸に流れ着いた。
ヌルが缶に入ってから実に、
3年の月日が経っていた。
動けない暗闇の中にいたヌルにとっては、
気の遠くなるような年月だった。
体感でいうと、40年はくだらないかもしれない。
前世含め、40年生きているヌルの
今までの人生より長く感じたくらいの時間だった。
そんな途方もない悠久の時の中で、
暗闇の中で揺蕩う生活のヌルの心を支えたのは、
やはりナナを救いたいという一心であった。
瞑想の日々が貯めつづけた魔力は莫大だった。
その量は、もはや人間を超越していた。
人間を超越した魔力を内包したヌルに、
ついに転機が訪れる。
???「ポーッポケキョ!ポルッポー!」
なつかしい声が聞こえる。
ヌル(ずんだと同じ鳥だ!なつかしいな。
アイツ元気かな?)
スコココココ!!
ヌル(うおっ!?なに!?)
ウグイス色の小鳥が猛烈に缶を嘴でつついた。
まるでキツツキのようだ。
???「鳥ちゃん!これなの?
これを私に教えたかったのね?」
それは、猫のような耳と尻尾がある少女だった。
猫の獣人族だ。
髪型は黒の、おかっぱのような髪型だ。
身長は小人族のヌルよりも、更に小さかった。
ヌル(人の声だ!!
助かる?
出られる!?)
鳥「ポキョ。」
少女は缶のフタを開けた。
フタを開けたというより、
錆びてボロボロの缶が割れた。
猫人の少女の前にいきなり、
真っ裸のヌルが現れた。
猫人「ニャアああああああああああ!!!」
小さな缶から、自分より大きな人が出てきた。
男でしかも、マッパ。
猫人の少女にとって、大きな衝撃だった。
猫人は大きな葉っぱで、
とりあえずパンツを作った。
ヌルはパンツを受け取り、履いた。
猫人はヌルを自分の村へ案内しながら話した。
猫人「あたしの名前は【うまーる】なんだよ。
よろしくね。
お兄ちゃんは?」
ヌル「俺はヌル。
いきなりで悪いんだけど、
ここの地名と今の日付けが知りたいんだ。」
うまーる「ここは星舞村なんだよ!
今は◯◯年の◯月◯日なんだよ!」
ヌル(まだ3年か!よかった。
マーボーさんが生きてれば、なんとかなるかも
しれない!)
うまーる「着いたんだよ!
ここが私が住む村【星舞村】
なんだよ!」
村は、一目でわかるくらい貧しい村だった。
家屋は木製で雨風を凌ぐのがやっと、
くらいのものだ。
台風が来たら大きな被害がありそうだ。
気候は東南アジアのそれに近い。
温暖で緑が多い。
珍しい来訪者を見に村人が集まる。
子供が多い。
少ない大人の顔色が悪い。
顔色が悪い人はお腹が大きく膨らんでいる。
ヌル(腹水…
伝染病…!)
ヌル「なにか伝染病で困ってないか?」
うまーるは下を向く。
うまーる「ここはね、呪われているんだよ。
呪われた、星が舞う村。」




