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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第一章 戦う理由
25/138

25 銀竜

25 銀竜


ギリー「ミスリル……ドラゴン……」


 銀色に輝く竜を目の当たりにした、

ギリーの顔が青ざめる。

 その巨大な鳥のような生物は、

最上位のドラゴンであった。

 その見た目は翼竜とか始祖鳥というよりは、

ハヤブサのような猛禽類に近い容姿である。

 長く伸びた2本の尾羽は、

地球で1番美しい鳥

【ケツァール】を彷彿とさせる。

 銀色に輝く羽毛は、

まるで美術品のように美しい。


 上空を滑空、旋回する銀竜。

銀竜の口に強い魔力が集まる。


 ギリー「耳を塞げええ!!」


 普段、感情を表に出さないギリーが

声を張り上げる。


 銀竜はマーボーたち4人が

逃げたに向かって、

収束した音の波動を撃ってきた。

 頭を抱えた4人は衝撃波で吹き飛ばされる。


 銀竜は再び空高く飛び上がる。

 次の瞬間、翼を畳み急降下。

 獲物を狩るハヤブサのような、

高速の直下降である。


ヌル「狙いは誰だ……。


  オニオだ!

  狙われてるぞ!!」


 地面スレスレで急浮上する銀竜。

 オニオがいた地点には砂埃が舞う。

 銀竜は突き出た岩場に留まる。

 銀竜は顔を翼で拭うような仕草を見せる。


 砂埃が薄れた。

 そこには、

腰を抜かしたオニオがへたりこんでいた。


オニオ「あいつの目に砂入れてやったンゴ!

    逃げるンゴ!!」


 オニオは時を止め、

ドラゴンの目に砂をぶっかけたようだ。


ヌル「やるじゃないかオニオ!」


 ヌルはまだ尻もちをついていた。

 地面についた手のひらに、

温かいものを感じるヌル。


ヌル「血!?」


 倒れてるマーボーが大量出血していた。

 最初の銀竜の攻撃で3人を抱えて

跳んだ時に背後を爪でやられたようだ。


マーボー「不覚。

     お前らだけでも逃げろ。

     俺が食われてる間に。

     ピヒュ……」


 竹笛の音が弱々しい。

 まだ銀竜は翼で顔を拭っている。


ヌル「どうする!? どうする!?」


ギリー「この銀竜は羽毛に

    ミスリルを含んでいる。


    攻撃魔法は効かない!!

    勝ち目はない!

    逃げるしかない!!」


「コアアアアアアアア!!!」


 銀竜の視力が回復したようだ。

 オニオとナーガは近くの岩陰に隠れている。

 ナナとギリーも隠れて逃げる機会を伺ってる。


 ヌルは、銀竜と目が合った。

 銀竜は激しく威嚇している。


ヌル「俺は狙われないんじゃないの!?」


ギリー「ヌル!

    その銀竜は

    少なくとも魔王の配下では無い!

    野生のドラゴンだ!!

    スキルを過信するな!」


ヌル「まじか。魔王の手先ですら餌かよ。

   ナナ!

   この銀竜を缶詰にできないか!?」


ナナ「もうやってる!

   けどダメ!

   重量オーバーみたい!!」


ヌル「マジか。

   たしか、空を飛ぶ動物って、

   重さに限界あったよな。


   最大の翼竜・ケッァルコアトルスが

   250kgとかだったはず。

   コイツの重さが300以上あるとしても、

   そんなに大きくは超えてないはずだ。

   なんとかして軽くできれば勝てる。


   出来なきゃ死人が出る!!」


 銀竜が高く飛び上がり、

ヌルに向けて急降下してくる。

 狙いは負傷で動けないマーボーだ。


 ヌルから見た銀竜の動きが

スローモーションになる。

 生命の危機を感じた

ヌルの頭の中に走馬灯がかけ巡る。

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