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【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
第一章 戦う理由
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22 ミッション・淫・ポッシブル

22 ミッション・淫・ポッシブル


 猪との激闘の翌日、

一行はツチーユ宿場町を目指し、

草原を進んでいた。

 

 3日ほど進むと、硫黄の臭いが立ち込めてきた。

 すぐ横には川がある。

 川からは湯気が立ち昇り、

黄色や茶色の石がゴロゴロしている。

 川の水は温泉であった。

 暑さと蓄積した疲労もあり、

一行は少し休憩を取ることとなった。


ヌル(暑いなぁ。

  せっかくお湯あるし、洗濯でもするか)


 ヌルは服と、鉄で出来た鎧を川で洗う。


 ガチッ!


 鉄の鎧に何かがくっついた。


ヌル(磁石!?

  いや、これは……。貝だ!)


 それはトゲトゲしたメタリックな巻き貝だった。

 タニシくらいの大きさである。


ヌル(海底火山にいるらしい、

  鉄の鎧を持つ貝【スケアリーフット】

  の写真見たことあったなぁ。

  コレはそっくりだ。


  たしかエサ食わないんだったよな。

  体内で飼ってる細菌が栄養と鉄を

  ナントカしてるとか。


  とりあえず食ってもマズそうだな。

  イラネ!)


 ヌルは貝を川に戻した。


 ヌルはスキル【磁石化】を手に入れた。


ヌル(うーん? 俺が磁石になれるのか?

   鉄クズを磁石にできたら有用かもな。


 休憩を終え、一行は旅を再開する。

 数時間進むと辺りが暗くなってきた。

 夜になると同時に、遠くに

人工的な灯りが見えてきた。

 ツチーユ宿場町だ。


 一行はツチーユ宿場町に着いた。

 街は谷のようになっていて真ん中に川がある。

 ここの建築物は木造が主なようだ。

 年季の入った重厚な建物が多い。

 大きな建物は旅館だろうか。

 チュートリ村の小型の木造住宅に比べると、

どれも大きい。


 村の中央を流れる川からは湯気が立ち昇る。

 この川も温泉のようだ。

 その川を跨ぐように、

いくつかの橋がかけられている。

 どことなく日本の温泉街に似ている。

 行き交うたくさんの人々。


ヌル(さすが人気の観光地!

  美人のエルフもいる!!)


 宿の手配を終え、

皆で温泉に行こうかという話になった。


ナナ「温泉行きたーい! お風呂入りたい!!」


マーボー「ここの名物、温泉エビは絶品だぞ!

     温泉の後が楽しみだな!

     ガハハハ! ピュイ♪」


オニオ「いいっすねぇ!! 楽しみンゴ!!」


ナーガ「俺、エビアレルギーだべ……」


ヌル「すんません!

   ちょっと試したいことあるんで、

   それ終わってから行きます!」


 ヌルは皆の誘いを断り、単独で温泉に向かった。


ヌル(この壁の向こうは女湯!

  今こそ、このスキルを使う時が!!

  スキル【暗視】発動!!)


 温泉の温度は人間の体温より高かった。

 結論、サーモグラフィーでは真っ白で

なにも見えなかった。


ヌル(しまったああああああああ!

  赤外線カメラをイメージしてたのに!!

  くっそおおおおおおおおお!!

  しかしまだ、俺にはアレがある!!)


 ヌルは服を脱ぎ、

脱いだ服を近くの植込みに隠した。


ヌル(スキル【スケルトン】発動!!)


 ヌルは目を閉じて感慨に耽りながら、

女湯の柵に手をかけた。


ヌル(この世界、落ちてるエロ本とか

  無いからなぁ。

  見るのも久しぶりだぜ!!)


 ヌルは一気に柵をよじのぼった。

 ヌルは目を開いた。

 まだ湯煙で何も見えない。

 だが、楽しそうなギャル達の会話が

聞こえてくる。

 いるのは間違いない。


ヌル(ここは……!

  楽園ッ!!)


 女湯に降り立ったヌルが歩き出す。


ヌル(へっへっへ! ついにやったぜ!

  これは、覗きどころじゃねえ!

  特等席で女湯見放題!!!


  やっぱ、湯気が邪魔だなぁ)


 ヌルは前に進み、湯気で見えなかった景色が

次第に明朗になる。

 もう少しでハッキリ見えそうだ。

 しかし、何故か皆の視線を感じるヌル。


ヌル(おかしいな?)


 ざわ……ざわ……


ヌル(ん?

  なんで皆こっち見てんだ!?

  まさか気づかれたのか!?)


「キャアアアア!!」


「化け物だー! 化け物が入ってきたああああ!!」


 ヌルは自分の手を見てハッとした。


ヌル(なにににににー!!

  モロ見えなのは俺もだったあああああ!!

  もろろ〜〜〜ん!!)


 モロに骨が透けて見えている。

 腹に関しては内臓が透けて見えてた。

 湯煙を抜けて霧散するヌルの夢。


ヌル(透明になれるの、

  皮膚と筋肉と血液だけかよ!?

  そういや、ザリガニさん内蔵見えてた!!

  これじゃ学校の怖い話、

  動く人体模型じゃねえか!!


  しかも海綿体とタマも丸見え……。

  バレる前に逃げなきゃ!!)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 なんとかヌルは、逃げ出すことに成功した。

 宿場町は、モンスターが出たと大騒ぎだ。

 宿に戻りスキルを解除し、

 裸だったヌルは浴衣を着た。


ヌル(はぁー。疲れたな。

  やっぱ悪いことはするもんじゃねえな。

  風呂入って寝よ。

  あっ、やべっ!

  服を回収に行かなきゃ)


 服を隠した場所に戻り、

植え込みのあたりをガサゴソするヌル。


ナナ「探してるのはコレかな?」


 いつのまにか背後にいるナナとギリー。

 ヌルの顔から血の気がひく。


ナナ「モンスター騒ぎがあったから、

   付近を捜索してたらコレを見つけたの。

   取りに戻ると思ってた。

   正直に話しなさい。」


 ギリーは頭を抱えていた。

 ナナは穏やかな口調だ。

 口元はニッコリしてるが目はマジだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ナナの愛の鞭は効いた。


ヌル(モンスターの攻撃を受け止めた時より

  痛えよ。

  ナナのモンスターへの攻撃と比べると、

  あまりに配慮がない。

  慈悲がない。

  全力じゃね?)


 宿屋のナナの部屋で正座したまま、

ナナの説教を受けるヌル。


ナナ「なんであんなことしたの?」


ヌル「男のロマンなんだよ!

   そこに山があるから登るんだ!

   みたいなやつ」


ナナ「はぁ……。

   情けない。

   この旅で、ヌルのこと“すごい”

   って改めて思ってたのに。


   ヌルは女の子なら誰でもいいんだ?」


ヌル「違う!!

   女湯の件は興味というか、探究心というか、

   本能というか、勉強とか予習というか

   なんというか……。


   ほら、もしかしたら俺さ?

   この旅で死ぬかもしれないじゃん?

   何も知らないまま死ぬのかな、

   とか考えたらさ」


ナナ「はぁ……。」


 ヌルはナナに抱きついた。


ナナ「ひゃあっ!?」


ヌル「ナナああああ!! お願い!!

   俺が死ぬ前に、

   俺を男にしてくれよおおおお!!


   先っちょ、先っちょだけでいいから!!」


ナナ「ちょっと! なに言ってんの!?

   そういうのはね、

   結婚しなきゃダメなんだよ!!」


 ナナはヌルの顔を掴み、引き剥がそうと必死だ。


ヌル「結婚する!!

   約束する!!

   この旅から生きて帰れたら、

   必ずナナと結婚するから!!」


 ナナは力が抜け、

勢いに負けて布団に押し倒された。


ナナ「絶対に死なないって約束して。」


ヌル「ヌルは死にましぇええん!!」


  (なんかすごい死亡フラグが立った気がする。

  しかし今は、そんなことはどうでもいい!


  今を楽しめ!!)




 ー夜が更けていくー






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