表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【台本版】魔王の缶詰()の作り方  作者: ジータ
最終章 最終決戦
109/138

109 死の森 〈スリーピングフォレスト〉

109 死の森

〈スリーピングフォレスト〉



  ーー地上戦ーー



 地上で睨み合う、蟻キメラ軍勢と

エルフ&スカディ連合軍。


 こまちゅの合図で

アローヒがパンドーラーの匣を操作する。


 こまちゅ、レイカ、ヘンゼル、アカマル、

フレームアイ、ゴリアシの6人と

蟻の将兵5体が

アローヒの空間隔離転移魔法により消えた。


アローヒ「みんな、どうか死なないで……。」


 アローヒの前に熱風とともに、

ちまきとスプライトが降り立つ。

 熱を操作することにより、上昇気流を創り出し

無事に着地したようだ。


スプライト「アタシとコイツも貸切でやりてーわ。

     飛ばしてくれねーかい?」


 スプライトからの要請に対し、

疲労困憊のアローヒは

申し訳なさそうな表情で断る。


アローヒ「ごめんなさい、同時に5つまでしか

    作れないの。」


スプライト「まじか。

     ちま!

     アタシらも全力出せるように、

     無人のとこでやろーぜ。

     転移魔法頼むわ。」


ちまき「やったことないでし。」


スプライト「なんとかなるって!

     頼むぜ天才魔法使い様!」


ちまき「こんなときだけ調子いいでしね。

   どうなっても知らないでしよ。

   人がいなかったとこ……。」


 ちまきは魔力を練り集中し、

敵将二体と自身とスプライトを

転移魔法で飛ばした。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ーーアローヒが創り出した空間①ーー


 こまちゅとレイカが広大な土地に立つ。

 そこはダークエルフの穀倉地帯に

酷似した空間であった。

 それはエルフが誇る、肥沃な土地であった。

 向かい合うのは蟻キメラ最大の将兵ポネラ。

 体長は推定6メートル、こまちゅの身長の

おおよそ4倍ほどの大きさであった。


 蟻兵の中で唯一、全身に白銀に輝く重鎧を

身につけ、巨大な風車のような斧を担いでいる。

 明らかに他の兵とは異なる出たちで、

身に纏う魔力も桁違いであった。


蟻「おまえら2人だけで俺に勝てると

 本気で思っているなら、

 身の程知らず過ぎて草はえるwww」


こまちゅ「はぁ……。

    筋肉にのみ、栄養が行き渡って

    しまったのだな。頭がおかしいと見える。 

    何故、どこに草が生えるのだ?」


レイカ「おぢさん禿げてるんだから、

   頭に草生やしなよ。

   まぁ、頭に草生やしても

   モテないと思うケド⭐︎

   アタシらが遊んでアゲよっか⭐︎」


 レイカは掌に魔力を込めると、

周囲の風が動き出す。


蟻「魔法とか草不可避www」


こまちゅ「回避不能な草?

     意味がわからぬ。草魔法なのか?


     ……話し合う意味など無いか。

     時間を返せ。うつけ者。

     はぁ……。」


 溜め息混じりの、

こまちゅが車椅子から立ち上がり魔力を操作した。

 こまちゅが念じると、こまちゅの赤薔薇ドレスの

裾が伸び、蟻を捕らえようと荊のツタが動き出す。


蟻「しょぼすぎて草www」


 蟻が握る斧に魔力を込めると、

風車のような刃が高速回転し始めた。

 蟻が丸鋸のような斧を振り回すと、

こまちゅが作り出した荊が

アッサリと刈られてしまった。


蟻「我はマハルポージャ様配下

 陸軍最強の将・ポネラ。

 最強の外殻に加え、マハル様から賜った

 ミスリルの鎧と魔法具【草薙の剣】を持つ。

 我に魔法は効かんぞ。

 そして草刈りが得意だ。

 楽勝すぎて草アアアwww」


こまちゅ「……ミスリルの鎧。

    勇者の墓から盗掘されたものか。

    魔を跳ね除ける魔法具の鎧。

    はぁ……。」


 レイカが放つ風の魔法も

意に介さず突っ込むポネラ。

 レイカの風魔法により、アラクネ絹で出来ているドレスを纏う、こまちゅとレイカが宙に浮く。

 まるでアゲハ蝶のように優雅に飛翔を始める。


 こまちゅとレイカは退がりながら、

大振りなポネラの攻撃を躱す。

 宙高く舞い上がる2人のエルフ。

 もうポネラの攻撃は届かない。


こまちゅ「はぁ……。面倒だな。

    やはり楽には勝たせてくれぬか。」


レイカ「予定通り行っくよー⭐︎」


 レイカは風の魔法に乗せ、

ドングリをばら撒き始めた。


 こまちゅは大蛇の比礼を右手に握りしめ、

伸ばした比礼を荊のツタに絡ませる。

 ドレスの裾から伸びる巨大な2対の大蛇を

作り上げ操作し、ポネラを攻撃する。


こまちゅ「金鞭」


ポネラ「ただの太い草で草草草アアアwww」


 ポネラはアマツミカボシを仕留めた、

こまちゅ最強の技【金鞭】すら容易に切り裂く。


 こまちゅも限界を超えて攻撃を繰り出す。

 こまちゅは攻撃をしつつ、レイカがばら撒いた

ドングリに魔力を注ぎ成長させ、森を作る。

 こまちゅは絶えず上級の魔力水を飲み干しては

空瓶を投げ捨てる。


 ポネラはどんどん暗くなっていく事に気付く。

 金鞭を相手にしているうちに、

レイカがばら撒いたドングリが大木となっていた。


ポネラ「なんだ? 木を育てて何になる?

   暗闇になれば優勢になるとでも?

   アホすぎて草アアアwww」


 ほどなくして巨大な森が出来た。

 日光はほとんど遮られ、

まるで夜の森のような雰囲気を醸し出す。

 わずかに漏れる日光が

月明かりのように先差し込む。


 ポネラは、こまちゅとレイカを見失った。

 そして金鞭による攻撃も止んだ。


ポネラ「逃げたか。勝ち気な態度だったのに

   逃げてて草アアアwww」


 ポネラはヤツあたりで木を切り倒す。

 たくさんの木を切り倒し、息が上がるポネラ。


 ポネラはやがて、

自分が置かれた異様な光景に気付く。


ポネラ「なんだ? これは。

   樹の根元が淡く光っている。

   これは……キノコが光っているのか?」


レイカ「無駄に体力使ってて草。

   生えてんのキノコだケド⭐︎」


 姿は見えないが、

レイカが笑いながら挑発する声が響く。


ポネラ「逃げて隠れて挑発か。

   体力を削れば勝てるとでも?

   アホすぎて草w」


 キノコがどんどん巨大になる。

 レイカが姿を現し、魔法で風を起こすと

光る胞子が舞う。

 まるで無数の蛍が舞う景色のようだ。


レイカ「最期にキレイなの見れてヨカッタネ⭐︎」


ポネラ「意味わからなすぎて草アアアあぼっ!?

   あばばばばばばばばば!!」


 ポネラの口から巨大なキノコが生える。

 腹部や胸部の気門からもキノコが溢れ出す。

 キノコがどんどん成長し、大きくなる。

 対象的にポネラの肉体はどんどん痩せて、

外骨格はヒビ割れ、スカスカな中身が露わになる。


 レイカは緻密に風を操作し、ポネラの口内や

気門に、昆虫に寄生するキノコの胞子を

植え付けていた。

 こまちゅの魔力により、

キノコは急成長していた。

 ポネラの亡骸の前に姿を現し見おろす、

こまちゅとレイカ。


レイカ「冬虫夏草は良い薬の材料になるって

   いうけど、これは無理。

   キモっ⭐︎ うええええええ。」


こまちゅ「迷える子羊に

    醒めることの無い

    深く安らかな眠りを与えん


    空間魔法

    【死の森〈スリーピングフォレスト〉】」

    




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ