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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

耽美奇譚

愛は盲目

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

この仄暗さが、どうしようもなく耽美奇譚です。


「あの子はとっても無垢だけど、その分残酷だよ」

彼は切れ長な目に憐れみを宿し、此方を一瞥した。あの時は全然言葉の意味なんか分からなかったけれど、今ならその意味が分かる。物凄く、分かる。


「可愛い、可愛い、可愛い」

彼女は砂糖菓子のように甘い声音を吐きながら、小動物を弄っていた。齧歯類の頬を人差し指で抉る様に引っ掻きながら、小さな種を渡そうとしている。渡された小動物は苦しげに目を細め、ながらも懸命に種に手を伸ばす。けれども指が届く寸前の所で、すっと手を遠のかせる。

意地悪だ。思った。けれども制しする声が出せない程に双眸は狂気に染まっていた。

「懸命で可愛い、憐れで可愛い、全部全部全部、すり潰してあげたい」

「そんな残酷な事……」

思わず声が出た。それに反応し、彼女はすっと僕の方に向き直る。余りにも無垢な双眸が此方を見据え、小首を傾げた。未だに手には小動物、そして種。

「冗談よ。しないわ。そんな事」

彼女は一度瞬きをして、種を与えた。与えられた方は貪る様にして、頬に詰め込んで、また新たな種を欲する。それを嬉しそうに眺めた後、彼女は同じように与えにかかる。

あれから数ヶ月後、彼女の家の庭先には小さな墓が建てられた。こんもりと小山を作り、小枝を墓標としている。中には彼女が虐め、深く愛した小動物が眠っている。

そこに小さな手向け花を添えながら、彼女は虚空にも墓を眺め続けていた。

「沢山、食べていたわ。死ぬ最後の時まで、貪る様に種を溜め込んで、頬も腹も膨れ上がって、録に動けそうに無かった」

虐げながらも、甘やかしていた。望まれるままに、与え、与え続け、最後には過食故に命を落としたらしい。あの小動物の知る世界は彼女だけ、与えられる甘さも痛みも、全て彼女から与えられたものだけ。だからだろうか、最後にあんな顔をしたのは。

「私が与えた愛を全て受け取って、あの子は死んだのよ。まぁ、私が殺した様なものね」

その時の仄暗い、滴るような笑顔。無知蒙昧な独占欲を満たされた笑顔だった。


「無垢で、残酷だね。愛情も、殺意も、何一つ分からない程に」

「えぇ、恋は盲目、なんて言いますけど、僕から言わせれば愛は盲目ですよ」

基本的に登場人物は自分の子供のようなものなんで、殺さない方向で書いてます。

でも完膚なきまでに叩きのめした作品が一つあるんですよ。

そこから派生して出来た作品です。


大好きなはずなのに、思い切り曇らせたい。という一種の独占欲ですね。


追伸

彼女が守って来たものはなんの意味もない、ただの幻想。

意味があるのは彼女だけ。

それでも意味がある自分の命を掛けて戦うっていう話です。

最後、全てから解き放たれて笑顔で世界と共に消滅するって話。

でもその行動こそ意味が無いから、クソほど鬱。

君が死んだら意味ないんよ〜?

結局何一つ救えてない。

君の思い通りにはさせないよ〜(o^∀^o)


唯一少女と帰納的世界 という作品。

まだ書いてません。プロットのみです。

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