行方不明。
瑠奈さんは、青くなった。
だってだって、紫子さんが、帰って来ない!
今日はお昼に、紫子さんの大好きなオムライスを作った。
それなのに、帰って来ない。
どこに行ったのか。
瑠奈さんは、朝、紫子さんを追い出した。
だってずっと掃除をサボっていた紫子さん。
そんな紫子さんの部屋は、最悪で、
ぽわぽわ、ぽわぽわ、ホコリが舞っていた。
いくら「片付けなさい!!」と怒っても、
紫子さんはそっぽを向く。
だから仕方がないじゃない?
瑠奈さんは、紫子さんを「邪魔だ!」と部屋を追い出した。
……。
けれど瑠奈さんは思う。
何も家を出ていかなくってもいいのに……。
せめてリビングで寝ててくれれば、こんな事にはならなかった。
薄紫色のショールを持った時に気づくべきだった。
紫子さんは、外へ行こうとしてるって──。
「……」
だけどもう、遅い。
紫子さんが帰って来ない。
瑠奈さんは立ち上がる。
見つけなくっちゃって、立ち上がる。
上着を掴む自分の手が、ぶるぶる震えた。
だって、紫子さんは大食らいだもの。
お昼を逃すなんて、出来るわけがなかった。
なにか、事件に巻き込まれてるかもしれない。
もしかしたら、もう帰って来ない気だったらどうしよう?
でも、どこに行く気なの?
ここしか帰る場所はないのに?
瑠奈さんは考える。
もしかしたら、……
もしかしたら、……!
川に落ちてるかも知れない……。
去年、蛍を見に行ったら、
蛍を追いかけて、
田んぼに落ちた。
……きっとまた、落ちてる……!
「……」
瑠奈さんは考えた。
そうだ!
タオルと着替えがいる!
瑠奈さんは紫子さんの部屋に行って、必要な物を揃えた。
早く、早く見つけてやらなくちゃ、
きっと今頃、川の中で震えてる……!
そう思った。
× × × つづく× × ×




