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おひさまはひかり おほしさまはきらめき そしておつきさまはかがやいて

作者: 衣谷強

銘尾 友朗様主催『冬の煌めき企画』投稿作品です。


立て続けに童話に感想やレビューを頂いたので、調子に乗りましたすみません!


冬、煌めき、童話となると、星が真っ先に思い付いたのですが、そこは変化球大好き人間として、逆をついてみました。

……あの「捻くれ者」ってそれロジハラですからねっ!


どうぞ素直な気持ちでお楽しみください。

 くうきがすんだ ふゆのよる。

 きらきらのおほしさまが よくみえます。


「わぁ きれい」

「まるで ほうせきみたいだ」


 ほしぞらをみあげて くちぐちに おほしさまたちをほめます。

 そんななか おつきさまは かなしそう。




 よくじつ あおぞらに しろくひかる おつきさまに おひさまが こえをかけました。


「どうしたんだい おつきさま かなしそうなかおをして」

「おひさま……」


 おつきさまは かなしいわけを はなしました。


「おほしさまたちはみんな じぶんのかがやきで きらきらしています でもわたしは あなたのひかりを はんしゃしているだけ」


 おつきさまは つらそうにつづけます。


「そんなわたしが がんばってひかる おほしさまの じゃまをしているのが つらくて……」

「はっはっは!」


 おひさまは とつぜん わらいだしました。


「そんなことで なやんでいたのか」

「そんなことって……」


 おこる おつきさまに おひさまは わらってこたえます。


「すまない すまない たしかに よるのそらで だれよりも かがやくのは おつきさまだ おほしさまたちが そのかがやきに かくれることも あるだろう」

「……」


 うつむく おつきさまに おひさまは にっこりわらいます。


「でもくらいよるが こわいひとに ひかりをてらすのは だれだい? おそくなった かえりみちの あしもとをてらすのは だれだい?」

「それは……」


 おつきさまは おひさまの いいたいことが わかりました。


「きみは きみで いいんだ わたしのひかりとも ほしのきらめきともちがう きみのかがやきが ひつようなんだ」

「……ありがとう ございます……!」


 おつきさまの なみだから あたらしいほしが きらきらとうまれました。


「でも おひさま このこたちが もっときらめけるように ときどきは やすもうかとおもうのです」

「それはいいが きゅうにやすむと みんなおどろいたり しんぱいしたり するだろう」

「そうですね」

「だから すこしずつ ひかりを へらして やすみ またすこしずつ ひかりをふやしてみてはどうかな?」

「そうします!」


 こうして おつきさまは みちたり かけたり するように なりました。

 つきが かけている よるは おほしさまの きらめきを ながめてみて くださいね。


 おしまい。

読了ありがとうございます。


こうして月は満ち欠けをするようになりましたうそですごめんなさい。


まぁ幼児に「どうして おつきさまは かたちが かわるの?」という可愛い問いにでもお使いください。


小学生はダメです。

「お月様って痩せたり太ったりして、先生みたいだね」

「違うよ。先生痩せた事ないもん。ねー?」

ねーじゃないですよ泣きますよ?


星に変わらない涙をこぼしつつ、こんな駄文にお付き合い頂いた事に、御礼申し上げます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても優しい、子供達に聞かせてあげたくお話でした。 作者様の書かれる童話は本当に暖かくて優しい気持ちになれるので大好きです。 [一言] 満月の明るい夜、昔は夜中に散歩に出かけたものでした。…
[一言] 銘尾友朗様の「冬の煌めき企画」から拝読させていただきました。 なんて優しい童話でしょう。 幼稚園くらいの子にはぴったりです。 作者様のお人柄がうかがわれます。
[一言] おつきさまとおひさま、どちらも気遣いの人、じゃなくて星ですね。 さて、月食については、どう説明しましょうか?
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