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其の9 季節の女王の不思議な暮らし


 其の9 季節の女王の不思議な暮らし




 季節の女王達は (みな) いつも同じドレスを来ていました


それは 魔法のドレスだったのです 


ですから何年たっても痛みませんし 汚れたとしても 季節の女王が不思議な呪文を唱えるとキラキラとした光に包まれたかと思ったら一瞬でキレイになるのでした


季節の女王達は 1日に一度 こうしてドレスと一緒に 身体までもキレイにしているようでした




ドレスは形を変えることもありました


それは 時に肩に大きな膨らみがあったり スカートが大きく広がっていたり・・・驚くほどに短くなっていたり 全体のラインがシュッとしていたり・・・フワッとしていたり


大きな(えり)が付いていたり その襟が首の後ろから大きくニョッキリと伸びていたり あるいは襟が全く無くて 胸元が大きく開いていたりすることもありました・・・・


それらの変化は 天気や季節によって変えていたり あるいは 気まぐれに変わっていることもあるようでした


しかし 形はそれほど変わるのに ほとんど変わらないことがありした


それは ドレスの色でした


どんなに形が変わっても いくつかの差し色を除いては 全体の色が変わることは無いのでした


それは 季節の女王達には その季節の色が決まっているということのようでした



春は 芽吹き広がる新緑のような   (みどり) 




夏は 真夏の太陽のような      ()




秋は 紅葉に萌え立つような     (しゅ)




冬は どこまで続く白銀の雪のような (しろ)  




それぞれの季節の女王は 自分を表す色だけは 何年たっても 変わることはありませんでした






 季節の女王達のために建てられた小さなお城には 季節の女王の身の回りの世話をする召使いが数人いました


それは 季節の女王がたのんだ者達では無く 王様が雇ってくれている者達でした   


雇われている者達は 女の人が多かったのですが 時のは男の人もいました




しかし 季節の女王達は 島の人達と どんなに仲良くなったとしても


誰にも体を触れさせることは ありませんでした


それは 女の人であろうとも同じでしたから 身の回りの世話をする者達は その体に触れないように気を付けていたのでした 


季節の女王達は 四季の塔に入っていない間は それぞれの小さなお城で穏やかに暮らしていました 


季節の女王達は そうしてこの島に 繰り返し季節を届けてくれたのでした






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