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夢幻の雪原 と 幼き冬の女王 【改訂版 携帯版】  作者: 天ノ風カイト


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其の21 開かれる扉


 其の21 開かれる扉




 そうして 昼もだいぶ過ぎたころに 四季の塔の扉はすっかりと掘り起こされました



「この入り口は 春の女王様の入り口ですが 冬の女王様の出口でもありますからね」

そう言って 雪を掘っていた男達は 丁寧に雪の階段も作っていたのでした



これには 四季の塔を見上げて 雪の上で待っていた春の女王も たいへん喜び


「あらまあ! てっきりロープで吊るされて下ろされると思っていたのに 有り難う きっと塔から下りてくる冬の女王も喜んでくれるでしょう」と 感謝の気持ちを言葉にしたのでした


「冬の女王か・・・」

そう呟いたのは近衛兵の若者でした


彼が聞いた噂では 冬の女王は 細身で優雅ゆうがな姿をしていて 白く透き通った肌に 青い瞳が澄んだ氷のように美しく 銀色に輝く髪をしている絶世(ぜっせい)の美女だと聞いていたので ぜひ会ってみたいと思っていたのでした


そんな近衛兵の若者を見ていた春の女王は 嬉しそうな顔をして

「おやおや この階段は 冬の女王の為だったかね?」と からかうように言ったのでした


近衛兵の若者は すっかりと赤くなってしまいました


すると春の女王は 満足気な顔をして雪の階段を降りて行き 四季の塔の扉の前に立ちました


そして 扉に触れるとズズンと重たい音を響かせながら 四季の塔の大きな二枚合わせの扉は 内側へと開いていったのでした



内開(うちびらき)だったのか・・・」


てっきり 外開(そとびらき)だと思って扉の外側の雪をキレイに退けた一同は ガッカリとして どっと疲れてしまいました


それは 雪を掘る途中で扉の合せ目を調べましたが 外へか 内へか どちらに開く扉なのか解らなかったからなのでしたが 雪の階段としては 上々の出来映(できば)えとなりました



春の女王は ゆっくりと塔の中へと入って行きましたが 入り口で一同の方を振り返って 皆んなの顔を見渡しました


そして 大きくうなずいたあと

「皆さん・・・ 今日まで有り難う この島に来れて本当に良かったわ・・・ 短い間でしたけど とても素晴らしい出会いと巡り合わせでした・・・ 有り難う・・・」

そう言った 年老いた春の女王の小さな目には 涙が浮かんでいるのが見えました


その姿に12人の旅の一同も 目に涙を浮かべて 春の女王に手を振り応えました



塔の入り口に立っている春の女王は ゆっくりと後ろに下がっていき 緑色のドレスのスカートを両手で摘んで 感謝の気持ちいっぱいの お辞儀おじぎをしました


一同も 手を振るのをやめて お辞儀をして応えました


すると 両側に開いていた大きな扉がまた ズズンと大きな音を響かせながら閉まっていきました  


一同は 扉が閉まった後もしばらくの間 頭を下げていました




辺りには 冬の鳥の かん高い鳴き声が響いていました・・・




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