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夢幻の雪原 と 幼き冬の女王 【完全版 改訂版 携帯版】  作者: 天ノ風カイト


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15/25

其の15 12人の旅の一行と大雪原


 其の15 12人の旅の一行と大雪原




 こうして翌日 四季の島の冬を終わらせる為に 雪山になれた9人のたくましい若い男と 同じく たくましく元気な2人《ふたり》の女・・・そしてこの旅に同行することを名乗り出た あの近衛兵の若者との 合わせて12人がお城を後にしました 

意外にも 旅の12人が見上げた 旅の始めの空は 青く澄んでいました

一行は 辺りを見渡しました

すると 東には無限(むげん)に続くように見える雪原が 地平線の彼方(かなた)まで広がっていました

 

南には 同じく雪原と 木々に雪を積もらせた林や森が広がっていました


西には 雪に覆(おお)われた島の山々と 二つ目の目的地である四季の塔が 凍てつき澄んだ空気の中に青白く浮かび上がるように見えました


「冬の女王は 今もあそこで冬を祈っておられるのだな・・・」

遥か遠くの四季の塔を 眩しく見ていた近衛兵の若者は そう言って悲しそうな顔をしました 


その言葉に ほかの旅の者達も言いました

「冬の女王は なぜこのような苦しみを 島の人々に与えるのだろう」


「冬の女王は この島を いつ迄も自分の季節にするつもりなのだろうか・・・?」


しかし その言葉は12人の誰の耳にも入ったはずなのに まるで白い雪に吸い込まれたかのように消え 誰も答える者はいませんでした

そして 近衛兵の若者が北を見た時 他の11人も北を見ました

そこには 白い雪原と いくつかの丘が折り重なるようにして広がっていました


その丘の遥か向こうには 見えはしませんが 雪の女王の小さな城があるのです・・・


「美しくも冷たい 若き銀髪の女王には もう ご自分の城に帰って ゆっくりと休んでもらおう・・・」

冬の女王のことをそう言った近衛兵の若者は 自分の決心を新(あら)たにしました 



12人の一行は 雪原を東に向かいます


それは春の女王を迎えに行くために


それは終わらない冬を終わらせるために


そして 島の人々と 島の多くの生き物達を助けるためでした・・・



 久しぶりに晴れ渡った5月の終わり

城を出発した12人が旅を始めて半日がすぎた時 いきなり吹雪に見舞われました

それはまるで さっき迄の穏(おだ)やかな天気がウソのように思えるほどでした


そんな周りの風景がよく解らないなかでも 12人の旅の一行は スノー・シューを付けた足をモフモフと引きずるように踏みしめながら ゆっくと進み続けたのでした


こんな吹雪の中では 普通の人であったなら直ぐに道に迷ってしまうところでしたが 一行は迷うことはありませんでした 


それは 彼らの中に吹雪や霧の中であっても方角が解る特別な者達が何人かいたので こんな吹雪の中でも自分達が今 島のどの辺りにいて どちらに向かっているのかが解っていたからなのでした


それでも 雪煙の中で互いが逸(はぐ)れてしまわないように 互いをロープで繋いで一列になって歩いていたのです




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