第十一話 衝撃
長文になると投稿間隔が恐ろしく空くのでこれからは短文で行こうと思います!
拙い文ではありますが、もう少しの間お付き合いください^^
茜は一平の運転する車の助手席にいた。
二人は茜の病気を切欠に急速に距離を縮め、仕事終わりに食事を共にする事が増えて行った。
「今日はご馳走様でした」
「いつも一平君のおごりで悪いし、今日は一平君の誕生日なんだから、遠慮しないで。
ホントは何かプレゼントがあれば良かったんだけど、一平君の好み解らなくて・・・。
こんな事で喜んでもらえるのが申し訳ない位」
「気持ちだけで嬉しいです。誕生日を祝ってもらうのって子供の時以来だな・・・」
一平の運転する車は茜のマンションの前に到着した。茜は車を降りて運転席側に回り一平と会話をかわしていた、
「一平君、今度はもっと気の利いたプレゼント用意するね」
「気を使わないで大丈夫ですよ!」
「だって、いつも迷惑かけっぱなしだし」
「そんな事より、茜さんの誕生日、何か欲しい物あります? 今度は僕の番です」
「嬉しい事言ってくれるじゃん。欲しいものか~? 思いっきり高価な物おねだりしちゃおっかな~。
今はまだ解らないや」
「近いうちに教えてください。貯金降ろしてでも期待に沿えるよう頑張りますから!」
「いやいや。冗談だって・・・」
「おやすみなさい」
「おやすみ、一平君」
茜は一平に背を向けて歩き出した。その姿を見送る一平・・・
途中で忘れ物をしたのか茜は振り向き戻って来た。
「誕生日おめでとう!」
茜は軽く一平にくちづけをして照れくさそうに小走りにマンション内に消えて行った。
不意をつかれた一平は言葉を発する事が出来ずにその場で固まっていた。
自分の部屋に戻って来た茜は、玄関のドアを背にしながら激しく脈打つ心臓の鼓動を落ち着かせようと立ち尽くしていた。
自分でもなんであんな事したのか解らずに、恥ずかしくて顔が真っ赤になっていた。
シャワーを浴びてベットの上で寛ぐ茜に対してヒロヤが話しかけて来た。
「今日は何か良い事でもあった? なんだか嬉しそうだね」
「なんでそう思うの? 私、いつも通りだよ」
「そうなんだ・・・。近ごろ帰りが遅いけど仕事、大変なの?」
「あ、そうね。仕事最近忙しくて、残業増えたな~」
空空しく答える茜に対し、全てを見て知っているヒロヤは寂し気に、
「僕が君の事、大切に思っている事忘れないで・・・」
「何言ってるの! ヒロヤは私にとって大切な人。
ヒロヤみたいに完璧な男子なんてこの世に存在しないんだから」
何時もの様にヒロヤとの会話を楽しみつつ時間を過ごしている時の事。茜のスマホが鳴った。
「誰だろう?」
見知らぬ番号に首を傾げながら出てみると、相手は一平の母親だった。
(そう言えば、一平君の家行った時私の名刺渡したんだった)
そんな事を考えながら一平の母親が告げた事実に、スマホを落として言葉を忘れる茜であった・・・