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レベル1から42。辛い日々を断ち切って新しい冒険へ

闘病していたので遅くなりました。

 ゲームなら大抵、チュートリアル戦闘というものがあったような気がする。


 これまでの私は勝ち負けどころかまともに戦いに参加できない有様で

粗相をしたり勝手に連行されたりと泣きっ面に蜂のつらい日々だったけれども

そうだ、この戦いはチュートリアルなんだ、そうに違いない。

初戦闘がラスボスから始まるお話やRPGだってあるんだ。


 だからどんなにみっともなくてもセーフ!


 サモンゲートが直撃し人間側に大量の死人が出て絶体絶命にしか見えないのだが

これは本当の戦いじゃないんだ。だからセーフ! 死んだ人は全員MOBと思おう。


 そしてどうやらローザ様にはボスのヘポラルドを倒す勝算があるらしい。

なんか得意げに喋りだしたので聞いてみよう。


 「ずっと違和感があったんです。奇襲で私がヘポラルドを攻撃したときと

同じようなユージさんの攻撃とでは相手の様子に違いがありました。

彼と私の剣の違いが影響したのではないかと思ったんです」


 ふむふむ。確かにローザ様の攻撃のほうはまともにダメージが入っていた。


 「また先ほどサモンゲート発動をするときに少し嫌がっている感じがしました。

今もそうですね。まだフレアさんの魔法妨害はなかったのに

喋っていて次の攻撃をしてきませんでした。優位に立つ絶好のチャンスだったのに

冒険者たちに魔法攻撃をやめれば一時見逃すなどと甘い事を言っていましたね。

用意周到で永く生きてきた相手です。そういう性格には思えないのですが……」


 「神聖魔法のホーリネスでミスト化が阻止されているということでしょうか?」

 

 なるほど。シークさんの言う通りかもしれない。


 「それに近い可能性は高いと思います。そして倒す勝算は私の必殺技です。

最初のラジアータで攻撃したときの刺突の回数と相手のダメージ量を計算すると

一発の攻撃で7から10ぐらいのダメージを与えていたと思います」


 「相手のHPは数千ぐらいですね、つまりローザ様が滅身をお使いになれば……」


 「私の滅身は捨て身の突撃をしながら1000発の刺突を繰り出す技です。

終わった後は体中の筋肉がボロボロになり指一つ動かせなくなるでしょうが

この身と命を削ってでも相手をしとめる覚悟はあります」


 おお、すごい! いや、でもそれだとヘポラルドが即死してしまって

私がトドメを取るのが難しくなる。横やりで経験値を独り占めして

いきなり最弱から最強になり世界征服酒池肉林の計画が台無しになってしまう。

10000近いダメージってことだもんね。ヘポラルドがHP全快でも即死だろう。


 しかし諦めたら試合終了という言葉もあったはずなので諦めない。

タイミングよく神がかった完璧でスペシャルな横やりを入れてやるんだ。


 でもヘポラルドに対してローザ様の奇襲が成功するかどうかの問題があるか。

頼りのユージ・タナカが戦線復帰してくれないと困る。

いろいろ考えていると叫び声があがった。


 「キャー ユージ様! そこはダメ! あーーーーー!」


 フレアが急に叫び始めた。何がダメなのかと思ってみていると

壁に激突したユージ・タナカがふらふらと立ち上がってこちらに歩き始めたのは

よかったのだが、そのままヘポラルドが用意した落とし穴に落っこちたようだ。


 何やってるんだ へっぽこ勇者!


 「やっば! 真っ逆さまに落ちたらさすがにアウトだったよ」

 

 ユージ・タナカは剛剣ライゼンを落とし穴の崖に突き刺して落下を耐えていた。

しかし、剣を引き抜いたら落ちてしまうので動けないんじゃないだろうか?


 「フハハハッ! まな板の何とやらだな! まずは勇者のほうからだ

他の雑魚どもはいつでも料理できるからな」


 ジュッ! ジュッ! ジュッ! ジュッ! 


 動けないユージ・タナカに消耗ドレインを浴びせかけ

激減していたヘポラルドのHPは急激に回復していく。


 ローザ様の奇襲はまだか?


 「これは計算外です。勇者と乱戦中に後ろからと考えていたのですが」


 うん。確かにこれではだめそうだ。うん。だめじゃないかな。


 「シーク、リナ? あなたたち二人は入り口と反対側の扉に進みなさい」


 え? あっち? フロアの奥が暗くなっているので気が付きにくかったが

確かにぼんやりと小さな扉があるのが確認できる。


 「ボスについてもう一つ気が付いたことがあります。

何度も出たり消えたりしていましたが、どうやらあそこへ誰も近づけたくない

ような雰囲気を感じていました。何があるのかは分かりませんが

相手の気を引くことができるかもしれません」


 既にヘポラルドのHPは5000を超えている。ユージ・タナカがやられてしまえば

ローザ様の奥の手でも厳しくなりそうだ。ここは全力疾走で急ごう。


 シークさんと二人で駆け出すリナであったがすぐに

進行方向一帯が赤く光り、ゾンビの群れが湧き上がり壁を作ってゆく手を阻んだ。


 「まぁそうなるよね。扉の先に何かあるから守りがあるんだろう。

ここはスピード勝負になるね、僕がリナを守るから相手の攻撃は気にしないで

ゾンビの弱点であるホーリネス連打でいけば大丈夫だよ」

 

 わちゃわちゃ体ごとぶつかってくるゾンビだがシークさんが守りに徹し

リナは守ってもらいながら神聖魔法でゾンビを攻撃していくと

氷が解けていくようにあっさりとゾンビがドロドロになって倒れる。


 ホーリネス! ホーリネス! ホーリネス!


(リナはゾンビを倒しました)のメッセージが流れ、祝福の音が鳴り響く。


 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 

 おお、これはMMOで上級者に飼育、高速育成されているような状態だ。

相手がゾンビだからよかった。アンデッドでないとこの魔法で倒せないだろうし

いくらでも無尽蔵にわいてくるゾンビと神聖魔法Lv1で消費MPが少ないホーリネス

との相性も最高だ。すべてがかみ合って高速レベリングが始まった。


 レベルが上がるとMPが回復するので枯渇するより前にレベルが上がるから

MPを気にせず魔法を打ちまくるだけでいい。ゾンビに殴られたら一般人に

毛が生えた程度のリナでは致命傷になりそうだがシークさんの鉄壁の守りで

パワーはあっても鈍いゾンビの攻撃ではリナに指一本触れることができない。


 うん。ゾンビ地獄がゾンビ天国に代わった瞬間だ。本当に嫌な事や

地獄だと思うことは少しの違いでやり過ごせばパラダイスになることがある。


 そういえば生前、本当に嫌な事があって鬱になりそうなときがあったら

(〇〇パラダイス! 〇〇パラダイス! )と心で連呼して耐えていた。

これが終わったら天国が待っているんだ、と開き直ることで心が復活できる。


 すべてが嫌になった異世界転生であったがゆえに

今この瞬間のリナ(=リッツォー)はまさに絶頂の状態で最高に輝いている。


 よし、ここから一分間に何匹ゾンビを倒せるかというゲームをしよう。

歴代最高の新記録、金字塔を今この瞬間に作るんだ。今しかないここしかない。


 ローザ様? ヘポラルド? ユージ・タナカ? そんなのもうどうでもいい。

この無限ゾンビワールドでは私が至高で究極の存在なのだから。


 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』


 アハハハハハハハハアハアッハハッ!

リナの耳にさっきからレベルアップ音が鳴りまくって快感で笑いが堪えられない。


 「リ、リナ? 大丈夫? ゾンビが怖すぎて心が壊れちゃったかな?」


 音ゲーのようなテンポでいこう。結局、一分間に85匹のゾンビを倒せた。

次の一分では100匹を目指していこう。

この仕掛けを作ってくれたヘポラルドには感謝しつつゲームを続行していると


 「リナ、もう少しだよ。ようやくゾンビが減ってきた。」


 あー、無限にゾンビが沸いてくる仕掛けではなかったのか。

絶頂に終わりが訪れ、やがて異変に気が付いたヘポラルドが泡を食った顔で叫ぶ。


 「あっ! なっ、何をしている貴様ー!」


 (あの先にはアイシス様や旧王国に関する資料がある。秘中の秘だ。

下等な猿が入ってよい部屋ではない。雑魚が近づいても撃退できる仕掛けが

あったので無視していたが目を離していた隙にこの短時間で……)


 既に死に体の勇者などはどうでもよい。


 「へーあの先に何かあるの? フレアも行ってみたーい」


 動転したヘポラルドの反応に、賢者フレアも向こうに興味津々の様子だ。


 「やめろ! 貴様は動くな。このまま勇者にとどめを刺してもいいのだぞ」


 「そうだった。ユージ様を助けないと。」


 (……かといって勇者に復帰されるのも困るか)


 「やむおえまい。創作魔法で作った罠でこの部屋の天井を崩してやろうか。

貴様ら人間は窒息して圧死する運命なのだ。もちろん半霊体の我は無事だがな」


 (しかし、これをやると研究室の入り口が埋もれるから後始末が大変だ)


「我に手間をかけさせてくれたな。よくやったと褒めてやる」


 ヘポラルドが上を向いて魔力を開放すると

天井に張られた魔法陣が輝きだして部屋が振動をし始める。


 やばい! 天井が崩されたらひとたまりもない。

ヘイトを稼ぎそうなので今まで直接攻撃はしなかったがそんな場合ではなく

レベルの上がったリナは思いっきり特大のホーリネスをヘポラルドに放つ。


 照準はばっちりだが早く届いてほしい。心臓の鼓動音が

あと3回なるまでには命中するだろうか? ギリギリ崩壊までに間に合うか?

この魔法は速度が遅いのが難点だ。


 「さらばだ人間ども! これで終わりだっ……?!」


(……ムッ! 特大の神聖魔法? ゾンビの仕掛けを壊したのはこいつの魔法か?

我のミスト化を阻害したのは、聖歌隊の方ではなかったのか?)


 ヘポラルドの注意が一瞬それて天井崩壊魔法の発動が遅れた。


 「終わりはあなたですっ!」


 リナの魔法に気を取られたヘポラルドの背後にローザ様が迫り、

赤いオーラを放ったまま捨て身で体ごとぶつかりながら必殺技を放っていた。


 『滅身!』


 捨て身での1000本突きらしいが、リナの目には突きは捉えられず

赤い流星と化した二人がこちらに吹っ飛んでくるのが見えたに過ぎなかった。

その過程でリナの放ったホーリネスともぶつかったようで火花を散らしたまま

一瞬で上空を通過してダンジョンの内壁に突き刺さっていった。


 こっちに飛んできたのは位置関係のせいか。ローザ様の突撃の方角が

少しずれていたらリナは巻き込まれて粉砕死していたかもしれない。

やっぱり本当は好きになれない。いつか逐電したい。


 いや、待てよ。ヘポラルドはローザ様の滅身の突きと神聖魔法ホーリネスを

同時にくらっていたことになる。とどめ横取りのチャンスも少しはあったはずだ。

でもレベルアップはしていない。


 世界征服酒池肉林はだめだったか?

でもゾンビゾーンで高速レベルアップしたので並の冒険者よりは

強くなっているのかもしれない。どこかで失踪してこの世界を一人で旅をするのも

いいかもしれない。どれぐらい強くなったかまだ分からないけど

このダンジョンに来てよかった。


 そう思っていると破壊されたダンジョンの壁の一部が塊となって崩れて

ローザ様とヘポラルドも転がりながら落ちてきた。


 ヘポラルドは確か最大HPが7000台だったしまだ全回復はしてなかったから

ローザ様の計算通り1万近いダメ―ジを食らったのなら生きてはいないだろう。


 だが、皆がローザ様が起き上がるのを待っていると先に動いたのは

ヘポラルドの方だった。


 まずは賢者フレアの力で共有された鑑定でボスの様子を確認をしてみる。


 Lv:55 ヘポラルド・ゾラリス 年齢/種族/性別:1584/アークリッチ/男

 称号:死霊系賢者、不死者、パルティア王国の魔術総監、禁呪法使用者

 LF(ライブフォース量):27550(身体 15250/スキル9000/魔法3300)

 HP:55/7400

 MP:0/7850

 STR:3345

 INT:4874

 AGI:4135

 DEX:2896


 スキル(LFの内訳) 

高度魔術実験Lv3(3000)、鑑定妨害Lv9 (900)、消耗ドレインLv2(2000)、

探知Lv5(500)、龍脈Lv1(1000)、闇目Lv6(600)、透過Lv1(1000)


(特殊スキル一覧)

絶対不死:HPが0になったとき指定された場所で一ランク格下の種族として復活

ミスト化:パッシブスキル。空間に溶け込み一体化することで物理と魔法攻撃無効

実体化:ミスト化を解除する。移行期間に受けた攻撃は十分の一に軽減 


 魔法能力(LFの内訳)

 地Lv2 (100)  

 水Lv3 (1000) 

 火Lv2 (100) 

 風Lv3 (1000)

 空Lv2 (100)

 闇Lv3 (1000)


(特殊魔法一覧):

サモンゲート:ランダムな座標に異次元の門を開いて次元の狭間へ強制転移


 何が起こった? ボスのHPは55、もう虫の息だし、HPが減り続けている。

ホーリネスによるスリップダメージだ。もうHPは40を切った。

というか絶対不死という、見たくない特殊スキルが目に飛び込んできた。

さっきの滅身で一回死んでランクが下がって復活したのが今の姿なのか?


 だが、苦しそうに地を這うヘポラルドが恨み言を言う。


 「……致命ダメージを受けた際にMPで肩代わりをする復活の指輪、

発明した我が傑作アイテムの一つだったが……ぐふっ。

さすがに今の攻撃には意味がなかったようだ……。もう天井を崩すMPも無い」


 HPが10を切る。これはリナの攻撃によるスリップダメージだから

このまま死んでくれればリナがトドメを取ったことになるんだろう。

特殊スキルの絶対不死が気にかかるが見なかったことにしよう……。


 すでに諦めた様子のヘポラルドのHPが0になる瞬間、

さっきまで隅に避難していたザマフが走りこんできてヘポラルドに剣を突き刺す。


 はっ? ザマフ お前何してんの?


ヘポラルドは体が崩れて消え、小さな半透明の魂となり飛んでいってしまった。


 「うおおおおおおおおおおーーー!!  うひょーーーーーー!!」


 ザマフは奇声を上げて飛び跳ね踊っている。これはトドメをとりやがったな。


 あまりの出来事にシークさんも唖然としている。

ボスを倒せて生き残ったという喜びと本来ローザ様が貰うはずだった経験値を

横から出てきた人に奪われたショックに反応が追いつかない様子だ。


 ボスのトドメを取ったと一時確信していたリナも茫然自失となり

がっくりと崩れ落ちてしまった。


 倒れていたローザ様は助け起こされて回復魔法で治療を受けているが

ザマフのこの行動は後々問題にならないのだろうか?

この世界で狩りのルールは分からないけれども皆のザマフを見る目が冷たい。

軍法会議にかけられたりして。


 「ザマフはレベル46、ライブフォースは10000超え。S級冒険者に匹敵」


 賢者フレアがさっそくザマフの鑑定している。

S級冒険者の力は私のモノだったのに……。泥棒されたのつらい。


 ……。


 そうしてがっくり伏せているリナの耳にレベルアップの音が突如響き渡る。


 (リナはリッチを倒しました)


 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』 

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

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 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』 

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』


 え? なにこれ? 私にも功績があったってこと?

経験値分配システムみたいなのがあるの? だいぶ間があったけど。

倒したのがアークリッチじゃなくてリッチになっているし謎だ。


 (リナはドレッド・レイスを倒しました)


 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』

 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』


 また少しタイムラグがあった後にリナのレベルが上がった。 

ドレッド・レイス? そんなものいつ倒したっけ?


 (リナはレイスを倒しました)


 『リナ(=リッツォー)のレベルアップあがりました』


 (リナはハイゴーストを倒しました)


 (リナはゴーストを倒しました)


 (リナはレッサーゴーストを倒しました)


 そうかっ! 分かったぞ! この現象はヘポラルドの絶対不死の仕業か!

一つ格下の種族として瀕死の状態でどこかで復活したものの

その度にリナのホーリネスのスリップダメージで死に続けていたってことか!


 ステータスを確認するとリナのレベルが42になっていた。

スキルも増えていてよく分からないものもあるが……

すごく分かりやすいものでは鑑定妨害スキルが手に入っている。


 なるほど。このスキルを発動させておくと強い意志や特別な理由がない限り

何となくその人を鑑定をしたくなくなるという効果があるんだ。

そして鑑定を使われた場合も一つランクの下がった効果になる。


 復活したヘポラルドを倒しまくったことは内緒にしておきたいと

瞬間的に判断してリナはさっそく鑑定妨害をONにしておく。


 ザマフみたいに目立ってしまうとたぶんこのスキルを使っても

あっさり鑑定されてしまうけど、まさかがっくりとうなだれている私が

レベル上がりまくっていることなど誰も気が付かないはずだ。


 私のライブフォースは7765だから、A級上位の冒険者に匹敵するのかな?

目立ってしまったS級よりは目立たないステルスA級上位の方がいい。

ザマフがとどめを横取りしたことに感謝するリナであった。


よし、チュートリアルは終了、ここからは私の時代だ。がんばるぞ!


えいえいおー!


リナ(=リッツォー)は大きな力を隠しながら、まずは世界の情報を得たいので

すぐに逐電せずにもうしばらくローザ様の元にいることなりそうです。

また今回の功績によりご褒美や仕事ももらえますが……。それが合うかどうかですね。

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