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仮想通貨

作者: カーリー

ヒラッ…





僕「うぁっ!」








ここは現世から隔離された密室空間らしい。

体感では3日ほどここに閉じ込められているが、実際のところ今が何月何日の何時なのかはわからない…












ドサッ





僕「うわっ!」









こうしてある一定の間隔でランダムな種類と量のお金が空から降ってくる。使い道はわからない。











ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ







僕「えー!!!」





今度は100円玉がおおよそ70枚ほど降ってきた。








チャランチャランチャラン…………………




100円玉は全部で84枚だった。目測とはこれほど不確かなものか…










………










今およそ3日間で275万9536円と27ユーロが降ってきた。これを寄付すれば何人を飢餓から救えるだろうか…








ポチャン







水が一滴降ってきた。外では雨が降っているのだろうか、そういえば久しく水を飲んでいない。この水滴を舐めたいが、舐めれば余計に喉が渇くからやめることにした。現実世界ならこのお金で水が買えるだろうに…






ドサドサッ







僕「お、おぅ…」






ルピー紙幣の札束が降ってきた。数えてはみたが価値がわからない。現実世界に戻ったら日本円に変えよう。



















そういえばこのお金は現実世界に持って帰れるのだろうか。もしくは僕が仮想的な空間にお金を見出しているだけなのか…



そうだ、現実世界に戻ったらこのお金は派手に使ってやろう。あと2、3日ここに入れば500万は貯まるだろう。車が買える。中古車を2台持つのもいいな… それでもって派手にクラブに通ってみるのもいいか。お酒を飲むなら運転手が必要だ。じゃあ中古車のイイやつを1台買って運転手を雇うことにしよう。












ヒラヒラヒラッ…










3日で約300万円か… 日給100万円ってこんなに条件のいい仕事はあるだろうか。



いや、水も食べ物も与えられずいつ死ぬかわからないと思えばこの日給は妥当かもしくは少なすぎるのかもしれない。

それにしても300万円はありがたい。










チャラン



僕「くそっ!」







10円玉が3枚か。少なすぎるぞ。最初は何も思わなかったが、次第に降ってくるお金の額が気になりだした。










………








暇すぎる。本当に暇すぎる。さっきからちょくちょくお金でドミノを試みているが、そもそもお金を並べる集中力はもうない。







 



………









ドサッ






僕「よし!」




10万円にはうっかりガッツポーズが出てしまった。もし誰かにこの姿を見られているなら、すごく恥ずかしいな。

しかし、お金に触ることすらしなかった最初に比べれば恥じることも感じなくなった。人間最後はお金だ。
















コンコン…










時たまこうして壁を叩いてみるが応答はない。3日前どうやって僕がここに連れてこられたかもわからない。













チャラチャラチャラ…












僕が求めているのはコインではなく札だ。それをわかってこういったイタズラをしているのか?もしくはそんなことすらも僕の勝手な妄想にすぎないのか。 


 





こんなことを考えるのはやめよう。今は頭を使いたくない。もはや頭を使うことすらしんどいのだ。


















僕「…………………」








あれ?僕の名前は何だったっけ。ふと気を飛ばしてしまった瞬間自分の名前を忘れてしまった。



ドサドサッ…







やった。札束だ。名前なんてこの際どうでもいいや。どうせこの世界では使わない。また現実世界に帰ったときに親につけて貰えばいい。あれ、待てよ… 親の名前も顔もわからなくなっているぞ。まぁいいかお金があればなんとかなる。











ガタン!!!! ヒラヒラヒラッ










僕「…………!?」











yesとnoが書かれたボタンと紙が1枚落ちてきた。







『終了しますか?』

















僕は迷わずnoを押した。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 意味深なところが先を読ませますね。 人間って欲深い生き物なんですね! [一言] 楽しい作品をありがとうございます!
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